蘭園訪問記その10  <フジナーセリー>

2005年12月5日、前日に広島にて管理業務主任者試験を終えた後、相互リンクさせていただいているフジナーセリーさんを訪問しました。これまでに何度も本州に行きましたが、今回ほど「寒かった」のは初めてです。さらに試験が終わったことによる気疲れもあったのですが、こういう機会でなければ訪れる事ができません。 思う存分満喫しようと、もちろん本試験よりも気合を入れてました。

JR 岡山駅「東口」からタクシーを利用して直接温室へ。 午後には大和農園さんに向かう事にしていたのでのんびりとバスを待つことはしませんでした。一応時刻表を確認してはみましたが。 ただ、タクシーを利用するにしても 10分程度です。ホームページで見かけた売店の風景が目に入ってきたときは感無量でした。これまでにいくつかの蘭園さんに御邪魔させていただきましたが、ず〜っとホームページで各蘭園の正面入り口や温室内部を見ているので、いつも「デジャ・ブ」のような感覚に襲われます。つまり初めて来たのに、中に入る前から温室の様子が既にわかっている感覚。 蘭関係のホームページを閲覧している方は私の感覚がわかると思います。

営業開始の午前9時前に到着したにも関わらず、社長さんを始め皆さんが笑顔で歓迎してくれたのが非常に嬉しい限り。 挨拶もそこそこに売店の裏に続く温室を拝見させていただきました。

売店のすぐ裏手にある温室は大輪系カトレアを中心に、しかしそれに限らず様々な蘭が開花していました。左の画像はフジナーセリーさんのホームページにも掲載された L. anceps 'Kurahasi' ('Displinada' HCC/AOS x 'Roeblingiana' CBM/JOGA)。 原種に無知な私でも思わず目を留める花でした。画像では1ステムですが、実際は3ステム開花だったと思います。他にも目を見張るほどの青いバンダ、独特な花で人気のある? キクノチェス、現在ブームの? ワルケリアナ、パイナップルなみにでかくなったエアープランツ、そして初めて見た Transvaal x godefroyae(2005年 12月現在サンダース未登録)などなど・・・。予想はしていましたが、株選びを始めるととても内部の撮影はする余裕がありませんね。

そんな中、強烈に目に飛び込んできたのが左のパフィオ、S. Gratrix 'Atlantis' SM/JOGA、AM/JOS。 つい先月シルバーメダルを受賞されたようです。シルバーメダルのブラ
キ系を肉眼で見るのはもちろん初めて。 とにかくじ〜っと眺めていました。デジカメで撮影するだけでなく、しっかりと脳裏に実物を焼き付けながら株選びへ。

おそらくこのホームページやブログを御覧の皆さんは、ほとんどの方が本州各地の大型蘭展に行かれる方でしょうね。 私は地元の「海洋博蘭展」以外は出向いたことがありません。 年に1度か2度、直接蘭園さんにお邪魔して、ホームページやカタログに載っていない、あるいは載ってはいたが在庫が僅かになってしまった品種、皆さんが気にもとめない特殊交配、そして蘭園さんの「オリジナル」品種を購入するのを楽しみにしています。昨今はアメリカや台湾の交配が人気で私自身ももちろん購入していますが、やはり日本の蘭の育種に期待しています。そういう意味でオリジナル交配を積極的に行っているフジナーセリーさんを訪問することを楽しみにしていました。とは言っても私は現在のところカトレアではなくパフィオにはまっているのでオリジナル品種を購入することはありませんでしたが・・・。カトレアの実生、特に大輪系に魅力を感じる方にとっては国内でも有数の交配、株数を誇る蘭園さんです。

購入した株は今となっては逆に貴重な Lady Isabel、おそらく誰も手を出さないであろう Morganiaeトランスバールにはまっている人しかわからないであろう Love Yokohama、外国から導入されたシグマト系 Hsinying Glory(花芽付き)、同じく Hsinying Glory(未開花株)Hsinying MacasarFumi's DelghtLake Shinsei、なかなか見かけない Stone Addict、私にとってはベラよりも心惹かれる conco-bellatulum (x self)、さらに興味のある人工交配 Conco-bellatulum、そして月刊リストに載って以来在庫が残っていることを願っていた Kiryu です。 他にも堂ヶ島交配の Lebeau や「良い花が咲くんだよ」と社長さんお墨付きの Roskip、赤葉タイプの Macabre などがありましたが今回はあきらめました。しかし悔いが残ると言うことは「また行こう」という気持ちにつながります。今回購入した株の中でどれが一番の掘り出しものか?と強いて問われれば Love Yokohama (Transvaal x Leo Organo 'Classic') になるでしょうか。 これぞトランスバールの魅力がふんだんに発揮された品種だと思っています。

いつも各蘭園に御邪魔して思うのですが、半日ではとても温室全てを見ることはできないですね。 私は良いのか悪いのか、パフィオしか見ないので比較的短い時間で済むと思うのですが、カトレアの愛好家にとっては1日いても全てを見ることができない株数です。結局、上の写真の温室を見るだけでタイムアップ。 お話ではさらに奥に広大な「カトレアハウス」があるそうで。 特に大輪系カトレアがお好きな方は是非一度訪れるべき蘭園さんです。しかも沖縄から来たということで「片道のチケット代がまるまるうくほどの」割引をしていただきました。御親切な対応に楽しい時間を過ごすことができました。どうもありがとうございます。

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