蘭園訪問記その6 <大和農園洋蘭部1回目>
いよいよ大和農園の訪問記に入ります。これまで3回も訪れた本州の蘭園さんはここだけです。
2002年の9月、いつもと同じように格安チケットを利用して初めて御邪魔しました。ここを訪れるときはいつも阪急梅田駅の近くのビジネスホテルに宿泊し、駅から快速を利用して山本駅まで向かいます。交通手段がこの蘭園さんほど便利なところはないと思います。駅の目の前です。初めての訪問のときは社長さんのアポを取らずに御邪魔したので、売店で挨拶をした後、後ろの温室(第一温室)に案内していただきました。
初めての印象は白石洋蘭園さんと同じく「思ったよりも小さいんだなぁ」という感じです。もっともその時には第二温室や岐阜の温室、さらには「親株ハウス」のことを全く知りませんでしたので。とにかく関空から午後2時発の飛行機を予約していたので、そんなにゆっくりすることもできず端から順に見ていました。やはり、同じ品種がずらーっと並んでいるわけではなく、ほとんどが1点ものです。
すると入り口の方に社長さんがお見えになりました。「Orchids in the window」さんのホームページで社長さんの顔は拝見していたのですぐにわかり、御挨拶させていただきました。御挨拶も早々に、とにかく初めての訪問で、しかもすぐに種類が多々あるのはわかりましたので順にベンチを見ていきました。とにかく名品ばかりです。記憶が定かではないのですが、Transvaal 'Picady'、Pink Bandit 'Sweet Sugar' 他初めて肉眼で見る品種ばかりで感激していました。ただ、9月という時期もあり、また8月は毎年サマーセールをしているということで開花株はほとんどありませんでした。
しばらく見ていると、社長さんが「もう1つの温室も見てみますか?」というお言葉をかけてくださったので、その時に初めて第二温室の存在を知り、早速社長さんの車で向かいました。第一温室の倍近くの広さに、これまた蘭がぎっしり栽培されているのを見てさらに感激したのを覚えています。今に思えば、第一温室は「New Orchids」に広告している販売品や第二温室で開花した株を展示する温室ですね。この頃は多花性にしか目がいかなかったので、多花性を置いていない第一温室を見ていて、正直「ちょっと欲しい物が見当たらないなぁ」とがっかりしていたところに、多花性の大株がぎっしり栽培されている第二温室を拝見して一気にテンションが上がりました。
もう3回も御邪魔しているので、今でも頭の中にどのベンチにどういう品種がおいてあるかを詳細に思い出すことができます。心の中で感激しながらも、あまり社長さんのお時間を取らせるのも申し訳ないのでどんどん株を選んでいきました。この温室で Vanguard、Iantha Stage、Chrysippus、Angel Hair、Michael Koopowitz、Taiwan、platyphyllum、Norito Hasegawa、Kee Chin Lim、Fumi's Delight、Fumi's Gold を購入しました。一昔前だとこれだけの数で相当な金額になったと思うのですが、多花性がかなり下火になっていたこともあり「そんな大株でこういう値段なの!?」という価格で購入することができました。今思い返してもその時の興奮がよみがえります。
第一温室のほうへ戻って再度株選びを。おそらく「New Orchids」に掲載していた特価品でしょう。その格安さにひかれて Michael Tibbs、Satin Smoke、Envy Green を購入しました。しかし、多花性を多く購入したこともあるのですが、これだけ購入して開花したのがいまだに2株だけなのが寂しい・・・。
大満足でほっと一息つきながら温室のそばにある小部屋で社長さんに明細書を書いてもらっている間、その時興味のあったサンデリアナムの話をしたところ、社長さんが「見てみますか?」という一言。心底驚きながら第一温室そばの「親株ハウス」に案内していただきました。小ぢんまりとした温室ですが、驚くような銘品が整然と陳列されています。入ってすぐ右手の方にサンデリアナムが開花していました。それまで HIF、白石洋蘭園さんでも子苗だけを見ていたので、まさか開花株を見ることができるとは思わず大感激でした。社長さんは「少し株の状態が良くないのでペタルが 60cmしかないんだけど」とおっしゃったのですが、そういうことは全く関係ありません。とにかく初めて見るサンデリアナムに見とれていました。その時に開花していた Lady Mirabel (Transvaal x stonei) もそれはそれは大変素晴らしかったです。白と黒のコントラストと花の大きさに迫力がありました。
とにかく感激尽くしの1回目の訪問でした。この訪問を機に、半年に1度の本州への蘭園訪問を企画することになったわけです。