蘭園訪問記その13  <相模洋蘭園>

2006年9月、「ハタオーキッド」さんに続いて向かったのは「相模洋蘭園」さんです。しかし本厚木(ほんあつぎ)の駅に到着したのが午後4時過ぎ。 タクシーで向かうにしても営業時間(午後5時)終了間際になるのがわかっていたので、正直、このまま都内の宿泊ホテルに戻ろうかとさえ思いました。しかし、沖縄に戻ってきてから「行っとけば良かった」と思うよりは訪問する方が断然良いのは間違いない。 駅のホームから蘭園さんに電話連絡をとって急いでタクシーで向かいました。ちなみにタクシーの中でのこぼれ話は当ブログの「2006年 9月 25日」に書いています。

本厚木の駅からタクシーで 20分ほどでしょうか。 道の左手に看板が見えてきたので急いでタクシーを降り、そのままハウスへ直行。 既に日暮れ間近でしたが、何とか温室を見学することができました。上の画像左が温室の中の様子ですが、奥側のベンチ(銘品コーナー!)は全く見ていません。 入り口から入ってすぐの所(画像右)にパフィオのベンチがあったので、すぐさま苗選びを始めました。ただ、やはり全然時間が無かったですね。 購入したのは Paph. Love Yokohama (Transvaal x Leo Organo 'Classic')Paph. U/R (Voodoo Magic x Red Glory) の2株のみ。 しかし Love Yokohama は私が思うに隠れた名交配です。前々から相模さんのホームページを拝見してこの苗があると思っていたのですが、期待通り購入することができました。最新パフィオリストもいただきました。ありがとうございます。

有難いことに帰りはバス停まで送っていただきました。相模さんのホームページに詳細は書いていますが、蘭園にバスで向かう際の
最寄のバス停は「寄木神社前」です。今回は小田急を利用することにしたので本厚木駅に戻るルートを選択しました。確か移動時間は 20分ほどで料金は 310円・・・だったと思う(2006年 9月現在)。 朝から飛行機〜高速リムジン〜電車〜タクシー〜バスの移動でかなり疲れていたのでうろ覚えです。余談ですが、バス停向かいの寄木神社の「神木」はでかかった。 もちろん沖縄には無い木ですが名前は未確認。 デジカメで撮影したかったのですが、神木を写真に撮るのは何か気が引けるので撮影していません。 御勘弁を。 バス停の大きな目印です。

今回の初日の蘭園巡りは行き当たりばったりのルート、しかも見学時間よりも移動時間が長かった事もあって体力的にも精神的にもかなり疲れましたが、やはり行って良かったなと。 移動の途中に見える風景も沖縄とは全く違った木、草、花、建物。 またひとつ良い思い出ができました。さて、翌日は5時半起きで水戸に向かいました。


蘭園訪問記その12 <ハタオーキッド>

2006年9月、蘭園訪問としては昨年末に訪問した「フジナーセリー」さん、「大和農園」さん以来の約9ヶ月ぶりですが、関東方面としては2年半ぶりの蘭園巡りです。帰ってきた今だから言えますが、日程がアメリカ同時多発テロが起きた 9月11日に重なることもあって、今年は本州行きをキャンセルしようかと思ったぐらいに迷いました。知らずにチケット予約をした自分のミスでもあるのですが。 出発の日が近づいてもなかなかテンションが上がらない。 しかし年齢を重ねて感性が鈍くなってしまう前に見るべきものも多々あります。仕事面で本州に行ける身軽さが今後はなくなる可能性も。 そして最後は「一旦、年に1度の本州行きを中断してしまうと二度と行く気にならないのでは?」という気持ち的な問題。 行ける時に行くべき。 それでも気持ちがなかなか上向きにならない事がスケジュール調整にも反映しました。初日のスケジュールを最終的に決めたのは飛行機を降りてから。 ホームページを開設、あるいは一度訪問した事のある蘭園さんを再訪問するか、それとも全く予備知識を持たずに今までに訪れた事の無い蘭園さんを新たに訪問するか? その最終決断は「高速リムジンバス」でした。飛行機を降りて空港出口すぐの京浜急行バスの時刻表を見ると「藤沢」行きの高速リムジンがドンピシャのタイミング。 電車の無い沖縄に住む自分にとって目的地まで直行するルートは非常に助かります。これで決まり。 ハタオーキッドさんへ向かう事に決めました。ちなみに訪問するきっかけは、私にとっての貴重な情報源サイト「蘭 MAP」です。

藤沢駅に到着後、小田急小田原線で「善行(ぜんぎょう)」駅まで向かい、そこからタクシーを利用して温室へ。 事前の電話連絡で『「石川橋」と「石川橋交差点」の間にある2つの温室が目印です』とお聞きしていましたので、タクシーでの道案内もスムーズに到着する事ができました。雲ひとつ無い秋晴れの中、初めて訪問する温室の中は手前がカトレアや原種中心(上の画像左側)。 パフィオは少ないか・・・と思いきや、奥側の温室半分(上の画像右側)はパフィオ一色。 げんきんなもので、やはり来て良かったと思いながら挨拶もそこそこに温室の中を散策です。

花が少ない時期ということは重々承知していましたが、やはり咲いているパフィオはあるわけで。 画像左は Lynleigh Koopowitz (delenatii x malipoense)、右は初めて肉眼で見る Roselynn Gray = sukhakulii x lowii ・・・だったと思います。他に dianthum (趣味家の方の展示品) や U/R (chamberlainianum x Psyche) などなど。 本州の蘭園さんなのでパフィオの割合としてはやはり整形花が多いですね。 ただ、ちょこちょこパービ、ブラキ、シグマトと各系統がベンチの合間に並んでいます。

いきなりテンションが上がったのは1箇所にまとめて置かれていた「トランスバール交配」を見つけた時。 そこであらためて気づいたのですが、トランスバール交配を行っている方の御膝元の地? なんですよね。 既に購入している Winter Capricorn の兄弟株を始め、肉眼で見るのは初めての Liberal Capricorn (Transvaal x charlesworthii) の花芽付き(開花株もありました)、Paris (stonei x bellatulum)godefroyae (x sib. 'Bulldog' x 'Golden Moon')William Mathews 'Quist's' を購入。 そして私にとって今回の蘭園巡りを通して一番の掘り出し物が U/R (Snowman x Transvaal)。 全く聞いたことの無いトランスバール交配を思いも寄らず購入することができ、これだけで出発前のもやもやが吹き飛びました。

一通り温室を見終わった後、ありがたい事に駅まで車で送っていただきながら車中で社長さんと蘭談義。 何でもここ3年間はずっと「海洋博蘭展」の審査で沖縄に来ているとの事。 大賞株で言えば「Lc. Poor Paul 'Blue Heaven'」(2004)、「Den. New Guinea 'FN-Beat'」(2005)、「Paph. Leeanum」(2006) の3年間にあたります。「この先、海洋博蘭展は継続できるだろうのか?」と少し気の重い話をしながらも楽しいひと時を過ごすことができました。夕方からは例会という慌しい中、時間を割いて懇切丁寧な対応をしていただいた社長さんに感謝いたします。


蘭園訪問記その4 <HIF>


実はかなり前に訪問したので記憶が定かではないのですが、おそらく 2002年の3月頃だったと思います。初めて訪問した蘭園さんです。この時に初めて「超割」チケットを利用して、学生の頃にお世話になったバイト先に挨拶に行きがてら、一度本州の蘭園を見てみようと思い出かけました。残念ながら蘭園までの道のりもあまり覚えていません。 東京から1本で行ける路線の最終駅だったような記憶があります。駅から蘭園まで徒歩で向かったのですが、線路沿いに歩いた覚えはあるもののほとんど覚えていません。 どうぞ HIFさんのホームページで御確認ください。

閑静な住宅街の中に見えてきたのは、ガラス張りの入り口からも色とりどりの蘭が見える明るい蘭園さんでした。入り口からは想像できない奥行きがあって、売店で販売されている蘭の種類もさることながら、別温室にある苗の多さに圧倒されました。記憶に間違いがなければ「名古屋蘭展」の準備で慌しい様子の中御邪魔させていただきました。おそらくいくつか温室があったとは思うのですが、パフィオが置かれている温室のみをずっと見ていました。訪問記を書いていると少しずつ記憶が遡っていきますね。この年の9月にお邪魔した大和農園さん以前に既にパフィオに目が向いています。

温室は、棚下にはCP,ベンチには原種・交配種を問わずいろんなパフィオが少量多品目に置かれていました。カタログを見て絶対購入しようと思っていたロスのシビリングから苗選びを開始。 思えば私がパフィオに興味を持ち始めるきっかけとなったのは、蘭友である N氏からお借りした「Paphiopedilum in Taiwan U」かもしれません。 その裏表紙に掲載されていた rothschildianum 'Green Valley' SM/TPS は FCCクラスに劣らない堂々としたロスでした。その実生苗が HIFで販売されているのを知り、蘭園に行くことができれば真っ先に購入しようと思っていました。

この頃は初心者という事もあり、知り合いが所有するパフィオも多花性が主でしたので多花性ばかりに目がいってました。他に同じく台湾交配のロスハロルド・コーポウィッツトランスバールWinter Capricorn などを購入。 それとこの頃インターネットでもかなり話題に上った Ho Chi Minhも購入しています。

蘭園を訪れる直前に衛星放送でサンデリアナムの自生地を訪ねる番組が放送されましたのでサンデリアナムの苗もチェックしたのですが、この頃はパフィオの価格と他の蘭との相場の違いに驚きを感じていたので、苗の大きさと価格のギャップにとても手を出すことはできませんでした。この頃に比べると現在はサンデリアナムの培養苗がかなり安値で販売されていると思います。時代ですね。

蘭展の準備で慌しく仕事をしている中、宅配の手続きをお願いして綺麗なカタログもいただくことができました。HIFさんを訪問することによって、どんどん別の蘭園を見てみたいと思うようになった貴重な蘭園訪問でした。

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