本日は表参道FABでENDLESSのワンマンライヴです。
会場へ入ると、SEはずっとニューアルバム・「Monochrome Sky」の楽曲が流れていました。復習出来て良いですね。
定刻通りに会場の照明が落ち、HAYATOさん、中村泰造さん、Okahiroさんの順にサポートメンバーが登場。
そして、笑顔のTETSUさん、照れたように軽く手を振るSHIGEさんがステージに現れると、胸の高鳴りが大きくなっていくのを感じます。聞こえてくる。身体に響くよ。
――グーグー。
今日はまだ何も食べていなかった。
SHIGEさんがFENDERのストラトキャスターを肩にかけると、1曲目――「Landscape」――が始まりました。一気にぴーんと張りつめた空気に変わります。
2曲目は「浮遊楼」。CDよりもリズム隊の音がかなり大きく、ヴォーカルは低音が強調されている印象を受けました。ひょっとして、weblogで仰っていたtelefunkenの "M80" というマイクなのかな。
2曲目が終わり、お客さんの拍手がやまない中、サポートギターのOkahiroさんがクロマチック・ラン奏法(だったような気がします)で、とある有名なフレーズを奏でていました。
するとステージドリンクを手にしたSHIGEさんが、「誰も知らないから、そんな古い曲。」と突っ込みます。
……聴いたことはあるんです。「Pipeline」だったような……。自信は無いです。
MCへ。
アップテンポな曲になると、お客さんがのり方に戸惑っているのがよく解るとのこと。
全然押しとか無く、周りのお客さんと5cmは離れていて、ゆったりとした空間なのです。
「そういう反応を観ているのが、結構好き。」――ささやくような言葉に、どきっとしてしまいました。
気になる次の予定ですが、まだ決まっていないそうです。
「今日のみんなの盛り上がり次第で、『TETSU……、またやろうぜ!』ってなるかも。」
これは重大です。戸惑っていたら駄目だ。
3曲目は「Monochrome Sky」。これはライヴではすごくすごくすごくかっこいいだろうなと思っていましたが、想像以上にかっこいい。
私は特に、SHIGEさんの勢いあるギターが大好きなのですが、それがいっぱい詰まっているのです。Okahiroさんの主役を立てる演奏も素敵で、ご自身のバンドではどんな演奏なのかな、と気になりました。
「唇」、「Darlin'」と、さらなる恍惚へと誘われます。SHIGEさんの軽く挙げた拳に導かれながら。
「Darlin'」はCDとは違うアレンジに聴こえました。これがとても素敵でした。
再びMC。
「やればできるじゃない。」
徐々に解っていくのですが、京阪式アクセントが強めで上品な口調に隠れがちですが、結構サディスティックなのでは。
私の中で「ロックバンドのヴォーカリストはライヴ中は尊大な態度」というイメージがあります。お客さんに呼びかける時は「お前ら」がデフォルト。だけど、SHIGEさんは違うのです。口の中ですっと溶けていく生キャラメルのような、やわらかい口調で、「みんな」と呼びかけてくださる。そんなやわらかさとは裏腹に……。
「そろそろ折り返し地点」と仰ったのでびっくりしました。え? もう?
「楽しくて、ずっとやっていたいなって思います。でも、いつかは終わるんだけど……。」
それは、今日のライヴが、かな? それとも……。
ここでローディの方がガットギターをSHIGEさんのもとへ運んできました。ローディの方はソバージュのかかったロングヘアーだったので、「女性ローディかあ。かっこいい……。」と思っていました。
「ゆうきくんだ。」
周りのお客さん達の呟きで、ローディの方がthe bulletのギタリスト・一遊さんだと知りました。男性だったのかあ。
「夜に咲く花」。
繊細な歌声と切なげなピアノフレーズを堪能できる曲ですね。
サビで、やわらかい光を放ちながらミラーボールがゆっくりとまわる演出にはびっくりしました。ちょうどSHIGEさんの真上なので、後光を放つ神様みたいな。
あれ? そういえば、「夜に咲く花」はギターが入っていないですが、確かガットギターを持っていたはず。 ……記憶が怪しくなってきました。SHIGEさんがギターを演奏するのはこの曲で最後だったはずです。
再び再びMCです。
9年振りのワンマンライヴであること。
「ええと、当時小学校6年生だった人は――成人して。当時20代だった人は『そろそろ結婚しなきゃな〜』って歳かな。俺もだけど。」
未だにENDLESSは20代前半のイメージが強くて、こういう発言は不思議な気持ちになります。11年くらい前と今が、私の頭の中で交錯しているのかな……。
「TATTOO」では甘くハスキー声を、「九月の雨」ではクリアーなヴォーカルにうっとりし、再び再び再びMCです。
上手の奥の方でステージドリンクを飲んで、ステージ中央に戻ってきたSHIGEさんの両手には黄色い眼鏡ケースが包み込まれていました。あれはもしや、Official weblogで仰っていた眼鏡……?! 会場の空気が一気に桜色へと変わった気がします。
「ブログに『眼鏡を買った』と書いたら、コメント欄に『ライヴでかけろ』、『ライヴでかけろ』、『ライヴでかけろ』ってずらっと並んでいるんです。」
眼鏡大好きな人が多いのでしょうか。いえ、眼鏡をかけているSHIGEさんのお姿を観たいのですよね。
「これはもう、ライヴで眼鏡をかけなければどうにかなってしまうんじゃないか!? という強迫観念にかられて……。」
眼鏡ケースから取り出された眼鏡は、スクエア型の黒いセルフレーム(裏側は黄色という変わったデザイン)でした。にくいですね。絶対似合うに決まっている!
やっぱり下を向いてかけるのかな? なんて考えていたのですが、ステージドリンクを飲んでいた場所へ戻り、お客さんを背にして眼鏡をかけていました。上手から下手へ移動しても、上手いことお客さんには顔が見えません。
そして、ついにマイクスタンドの前へ。
やっぱり素敵だ……。萌えとかではなく、知性的な印象です。
3月に発表された「群青」について、SHIGEさんが「俺は好きな人になかなか『好き』と言えないタイプで、男子は皆そうなんじゃないかな、と思って書きました。」と言うと、すかさずTETSUさんが「今流行りの『草食系男子』やな。」と表しました。
「それそれ。草食系男子なので眼鏡をかけました。草食系男子代表として歌います。」
つまり、恋する奥手な眼鏡少年を表現するということですね。
でも、眼鏡をかけたことによって、大人の色気が増しちゃっているんです……。
演奏が始まると、大人の色気を醸し出す眼鏡男性が、爽やかな青春群像の世界を歌うアンバランス、ギャップが良いと気付かされました。昔のアルバムを眺めているような、思い出話を聞いているような、そんな感覚に近いかな……。
そんな大人の色気も、「FAITH」ではクールな印象へと変わります。
再び再び再び再びMC。
SHIGEさんが眼鏡を外し片付けると、残念そうな声が。「群青」が終わったら眼鏡を外す予定だったのに、「FAITH」を歌っている最中に外し忘れたことに気付いたそうです。
ENDLESSのふたりの衣装は「Monochrome Sky」のアーティスト写真と同じだったのですが、SHIGEさんのストールについて触れていました(この話をここで喋ったかは記憶があいまいです)。ストールを巻いているとギターが弾きづらいそうです。そういえば、2〜5曲目で、弦とピックアップの間にストールの端が入りこんでいました。
「RAIN」。
中途半端なところで演奏が終わりました。はてはて。
「みんなの声を聴かせて。」
その声で、メンバーコールが起き、演奏が再開されました。
再び再び再び再び再びのMCによると、BLÜE時代ではお約束の流れだったそうです。
次は本編最後の曲です。その前に、SHIGEさんは何度も「ありがとう」と仰っていました。アンコールが行なわれないのではないかと思うほどに。
しかし、このあたりからお腹が空きすぎて苦しくなってきました。俺、このライヴが終わったら、ご飯食べるんだ……。
自らフラグを立ててしまいましたが、ライヴが終わって、駅構内に入る前にコンビニとファーストフード店をちょっと探してみたのですが、見当たらず、泣く泣く電車に乗りました。