rhapsodie -- scherzo
「・・・土方さん」
「なんだ総悟ついでにその口に入ってるもんはなんだ」
「あれ見てくだせぇ」
「スルーかお前ェェ!」
巡察中にも関わらずもぐもぐと串団子を食べながら、総悟が入り組んだ道のさらに入り組んだ角を指す。そんな総悟にツッコミながらもその角を見た土方が、見つけた姿に眉を寄せた。
「・・・人、か?」
「あんだけ出血してたらもう死んでますかねィ」
2人の視線の先には、遠めからはよく見えないが、それでも着衣を真っ赤に染めた人間が倒れていた。土方が不審がりながら、総悟は変わらず口をもごもごさせながらその人物に近づく。近づいてわかったのは、それが男だということ。刀を持っているということ。これだけの血がついてはいるけれど、 ――― まだ、生きているようだということ。
「どうしやす?」
「・・・・・保護するしかねェだろ」
めんどくさそうに煙草の煙を吐きながら、土方が言う。そうっすね、じゃぁ土方さんがんばってくだせェと続ける総悟に、また1つ怒鳴り声が飛んだ。