rhapsodie -- scherzo


土方と総悟がの言葉に驚く間もなく、キィンと刀の音が響いた。軽いものではない、耳に残るような重い音だ。とっさに刀を出した土方であったが、一時的な防御ではの重い一撃に耐え切ることはできない。そんなうちに、総悟が土方の後ろから刀を振り上げた。けれど、は飛び跳ねて彼らから間を取る。

「てめェ・・どういうことだ?うちの隊にはなんてやつァいねェ。」
「俺は、おまえたちの隊に属した覚えなどない」
「あァ!?」

の言葉に、土方がイラついたように声を荒げた。けれどそんなことを気にするでもなく、は構えた刀の先端を少し持ち上げる。土方の横に立つ総悟が、構えを深くした。

「俺の新撰組は、俺たちが築き上げたものだ。おまえらなどに名乗らせるほど軽いものじゃない」

その言葉に、土方は怪訝そうな途惑うような様子を隠さなかった。の言葉は、本心そのものなのだろう。強い信念のある気持ち。それは、土方にもよくわかる。けれど、話がかみ合わない。真撰組は自分たちのものだし、彼を見るのも初めてだ。先ほどの、総司、という名前と関連があるのか?そう思う間にも、沖田との討ち合いが始まった。
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