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これでも一応わたしたちは6年生であって、もうそろそろ危ない実験なんかも増えてきてたりするんだよね。おもに魔法薬学とか。でもあれはそもそも先生に問題があると思うんだよ、うん。あ、先生はスリザリンの寮監なんだけど、いや、うん、まぁレイブンクローには普通なんだけど、問題はグリフィンドールに対してなんだよね。そのグリフィンドールと合同授業となると、やっぱりね、こう、レイブンクローもめんどくさい感じなことをやらされるというか・・・。(大人気ないよね、先生)(・・いや、もちろん言わないけど) What made in winter
11. Are you hero ?
十分注意するように、なんていう前にこんな実験やらなきゃいいんじゃ・・とか思ったところでそれは変わらないんだろうことはわかっているんだけど、さすがにそう言いたくもなるような材料を前に小さく息をついた。(というよりは止めていた息を吐いたっていうか・・)(なんたって実験中だからね!)いつだかの授業で合わせる際には非常に注意が必要、って習ったはずの組み合わせを使うこの実験、スリザリンとハッフルパフはたぶんやってないと思うんだけど、なぁ。(だってそんなこと言ってなかったもん、ハッフルパフの子ー)(・・先生め・・!)とは言ってもやるとなったら文句言うよりも神経張ってやったほうがいいわけで、つまるところこの教室内は今、ぽこぽことかって煮立ってる音とかがするくらいで、ほぼ無言の状態。集中してやればそんなに危ない実験じゃないにしても、適当にやったら危険な実験な分、みんな真面目にやってる(と思う)(だってシリウスたちもしゃべってないもん)(・・いやほら、いつもしゃべってるから、さ、うん)。 「・・これで大丈夫、かな」 「うん、オッケーでしょ」 小さな声でに聞けば(あ、わたしのペアはね)、も頷く。とりあえずわたしもも魔法薬学は苦手じゃないからなんとか無事作り終えたそれ(いやー、地味に疲れたよ!)をビンにつめて、顔を見合わせてから、よし、って笑った。(なんかこう、達成感みたいなものがね・・!)そんなうちに周りのみんなも作り終わったらしくて、ちょこちょことそれを前に提出に行ってる。それに倣うようにして、シールにわたしとの名前を書いて、ビンに貼って、さて提出!(毎回順番で出してるから、今日はわたしの番なんだよね)出来るだけ音を立てないように、しずかにゆーっくりと歩いて出しに行けば、同じく終わったらしいシリウスも提出に来てた(シリウスとジェームズのとこはいつも早いのになぁ)(・・・って、シリウスのとこもう片付け終わってる・・・!)(早っ!)できたか?って口パクで聞いてくるシリウスにビンを見せて笑えば、シリウスも同じように笑って、教卓の上のボックスの中にビンを入れた。(なんでもコレ、いろいろ遮断するようになってるらしいよ)(すごいよねぇ)で、前に書いてある片付けの作業の順番に目をやってたら、いきなり視界が黄色くなった。(・・・・え?)驚いて後ろを振り返るのと同時に、目の前が黒くなって、(・・・え!?) 「 ―――――― !!」 わからないけど、声と、それからすごく大きい音が耳に届いた。でもわたしの視界は黒いままで、さらになんだか動けなくて、なんだか暑くもなってきて、何をしたらいいのかもわからない。(なに、どうなって)(え、え、?)しばらく、多分何秒とかそのくらいしてから、近くで小さな声が聞こえた。(苦しそうな、痛そうな、声)(・・・このこえ、)わたしを閉じ込めるみたいになってた力が、ますます強くなって、なんでかわからないけど、体が震える。(だって、だって、これ、)わたしが声を出せないでいるうちにも、大きな、爆発みたいな音がおさまった教室内に、大きな声がした。 「ブラック!!」 先生の、声だ。いつもシリウスを呼ぶときの声じゃない、本当に焦ったような、そんな、声。なんで、どうして。体の震えが止まらなくなって、涙まで出てきた。さっきと同じ、近くで、小さな声が、「、」ってわたしを呼んだ。(・・しり、うす)それの少し後で、ぐっとわたしに重みがかかる。 ――― シリウスが、倒れこんできた、から。咄嗟にその体を支えようとして、彼の背中に手を回したその瞬間、わたしは反射みたいにその手を離してしまった。(う、そ)(・・・っ!)もちろんそんな状態じゃシリウスを支えるなんてできなくて、なだれ込むみたいに床へと座り込む。(ざらりとした床が、気持ち悪い)(先生やジェームズたちの声がする)(なんか、遠い、)やっと見えたシリウスの顔は、すごく痛そうで、体はすごく熱くて、その背中は真っ赤、で。 「シリ、ウス・・・シリウス、シリウス・・っ」 どうして、シリウスが。よりによって、なんで、シリウスが?頭の中がぐるぐるして、ただ涙だけがこぼれてきて、(うそ、だれか、うそって言って) |