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魔法薬学でのあの事故は、ホグワーツでも結構な騒ぎになった。わたしはシリウスのおかげで怪我なんかもなくて、シリウスは今は医務室にいるけど、火傷の痕が残ったりすることもなく治るらしい。本当に、よかった。けどほっとしたのも束の間で、というか安心したら急に出てきた事柄に、わたしは悩んでる・・というか困ってる・・というか・・?とりあえず、どうしたらいいんだろう、って結構真剣に考え中だったりする。・・うん、どうしたらいいんだろ。 What made in winter
13. This feeling is ... ,
「そりゃ、明らかに恋でしょ」 ばっさりと言ってのけたの言葉に、わたしは思わずうっと詰まる。いや、なんとなくそんな気配というか考えというかはあったんだけど、人にここまではっきり言われると若干うろたえるというかなんというか・・・。(だってさ、・・ねぇ?)そんなうちにも、ベッドに座ってるは「それに」って言葉を続ける。 「自覚はなかったかもしれないけど結構前から私はそうだと思ってたけど」 「・・・え?え、なに、なんで?」 「だって、シリウスといるとき楽しそうだし・・シリウスの話するときも楽しそうだし」 「やっぱり自覚なかったんだー」とか言いながら笑うに、わたしはちょっと考える。たしかにシリウスといるときは楽しいし、なんだか安心するし、嬉しいけど、・・って!(これってたしかに)(・・うわ・・・!)なんだか急に恥ずかしくなって顔を抑えたけど、顔がすごく熱くなってて、うわ、これ今絶対顔赤い・・!けど真面目な話、シリウスがわたしを庇ってくれたって気づいたときは本当に心臓が止まりそうだったし、火傷の状態を見たときは怖くて怖くて仕方なかった。なんでシリウスが、って、よりによって、って思った。・・たぶん、これって、恋、なんだろう、なぁ。ふっと医務室でわたしの頬に触れたシリウスの手を思い出す。(大きい手だった、なぁ)(やさしい手、だった)(・・・うわぁあああ・・!) 「シリウスがちゃんと治ったらちゃんと言いなね?」 「・・・え、え、ちょ、言うって」 「だーかーら、好きって」 「な、む、無理!!」 の言葉に、思わず手を振って全力で否定する。(や、だってそんな!)シリウスはかっこいいしモテるんだし(それこそホグワーツ1に!)(比喩じゃないところがすごいところなんだよね・・)、今回すっごい迷惑かけちゃったし、しかもあんな火傷しちゃったし、・・・なんか、もう、嫌われたかもしれない、し。(・・・だよね、かもとかじゃなくて結構リアルな話)(・・なんか泣けてきた・・・)重いため息をついて黙ったわたしにが「あのねぇ、」って言ったのとかぶさるみたいに、談話室からルームメイトが戻ってきて、向かい合って話してたわたしたちに「どうしたの?」首を傾げたけど、「なんでもないよ」って言って話はそこで終わった。 「!」 次の日の朝、大広間で聞こえた声に、わたしはぴしっと固まった。(シリウスの、声)声のほうへ顔を向ければ、やっぱりそこにはシリウスがいて、「はよ、」って笑う。(・・どうしよう)(ドキドキ、する)それから、ジェームズとリーマスとピーターからも挨拶を貰って、それに同じように返してから、わたしはシリウスを見上げた。 「あの、もう、大丈夫なの?」 「あぁ、平気平気」 いつものように笑うシリウスに、心底ほっとして息がこぼれる。よかった、ちゃんと治って。(さすがマダム!)そしたら、「心配かけて悪かったな」ってシリウスが苦笑した。そんな、わたしの方こそ、って返そうとして、胸がぎゅっと痛む。そうだ、わたしの方こそ、シリウスに怪我させちゃって、今までだっていろいろ迷惑かけたかもしれなくて。そう考え出したらなんだかシリウスの前に居辛くって、わたしはパッと顔を上げて笑った。(意外と困ったときには笑えるものらしい) 「ううん、あの、わたしが待ってるから行くね」 それだけ言って、パッと駆け出す。(や、そんな早くはないんだけど!)着いたレイブンクローの席での隣に座れば、驚いたらしいが「どしたの?」って聞いてきた。(けど、なんでだろ、答えられない。)あぁもう駄目だ、どうしよう、今までどおりじゃいられない。(わたし、シリウスが好きなんだ) |