あの火傷もきれいさっぱり完治して日常生活に戻ったのはいい。・・んだけど、なんか、なんつーの?いや、もともとグリフィンドールとレイブンクローは仲が悪いわけでもないけどそこまでいいわけでもなくて、まぁ絡む回数とかはそんなに多くはないっちゃないけどあるっちゃあるわけで、実際今まではわりとあったんだよ。それがこうちょっと減ってきたような気がしなくもないっていうか、「これは完全にから避けられてるね、シリウス」 !!!や、っぱそうなのか!?(つーかさらっというなよリーマス!)





What made in winter
14. I do not miss doing.






はぁ、と思わずため息が漏れるのを止められない。んでもってジェームズやらリーマスやらピーターやらにうっとおしいだのなんだの言われるのがここ一週間くらい続いてる。その期間、俺がと話したのは挨拶くらい。しかも全部俺から言ってるし、一言二言話したらはぱっとどっか行っちまうし。さすがに、いくら前向きに考えようと思ったってここまできたらが俺のことを避けてるっつーのは、認めざるを得ないことだと、思う。(今までは会えば普通に話はするしからも話しかけてくれたし)コレ、いつからかっつったらあの事故のあとなんだよな。(・・やっぱ、緊急事態とはいえ抱きしめちまったのがまずかったのか・・・?)と思ってたところでふっと目に入ったのは、(意識してなくても最近だとすぐわかんだよな)・・・だ。

「・・、
「え・・、っシ、シリウス・・」
「あのさ」
「あ、あの!ごめん、あの、急いでて!」

俺が声をかければ、びっくりしたみたいに即行で逃げ出す。この一週間ずっとこんな感じだったけど(・・・・つーか。)・・いい加減俺もキレた。(誰がこのままになんてしておくか!)逃げたを追って俺も駆け出せば、気づいたが本当にびっくりしたように目を大きく開いて、それから前を向いて走るスピードを上げた。けどは女で俺は男で、俺は男ん中でも運動が出来るほうだっつー自負もあるくらいで、すぐにその差は縮まる。ぐっと手を伸ばしてローブを掴めば、その反動かが後ろに転ぶのを受け止めれば(結局俺もこけてんだけど)ぼす、と俺とは雪に埋もれた。いつの間にか中庭に出てて、雪は今は止んでるとはいえ、昨日大量に降ってた分が結構積もってる。冷たさは感じたけど、それよりも暴れてる(つか慌ててる?)を大人しくさせるほうに気が回って、そんなうちに逆に雪に埋もれてく。(・・くそ、こーなりゃ)

「っイテ」
「、え!?シリウス、まさか背中っ」
「うそ」

俺の言葉にすぐに暴れんのをやめて俺を見上げてきたを、ぎゅっと抱きしめる。一瞬動きが止まったは、また暴れだした。けど、一回抱きしめちまえば俺の方がでかくて力もあるわけで、あんまり抵抗の意味もない。だんだん諦めたみたいに大人しくなってくを抱きしめたままで、とりあえず会話が出来そうなくらいになったところで口を開く。(雪でしんとしてるからか、妙に声が響いた)

「なぁ、なんで俺のこと避けてんだよ」
「さ、けてなんか」
「嘘つくな」

なんて、ついさっき嘘をついた俺が言えるようなことじゃねぇんだけど。も同じことを思ったらしく、反論しようとしてくんのよりも先に、「なぁ、なんで?」って言葉を被せる。それからしばらく沈黙状態になったけど、俺はずっとのこと抱きしめたままでいた。(ここまで来たら我慢比べだ)それがどんくらい続いたかわかんねぇけど、が小さな声で口を開く。

「・・・・わたし、シリウスに迷惑かけてばっかりだし・・」
「・・は?かけてねぇよ、そんなもん」
「かけたよ!この前だって、・・シリウスに、あんな火傷・・!」

だんだん涙声みたくなったに、どうしようかと頭を撫でる。俺は意識なかったからわかんねぇけど、ジェームズたちの話によると、は俺の火傷した直後の背中を見たらしかった。だから余計に気にしてんのかもしんねぇ。(なんたって、ジェームズたちだって「あまりにひどくてこっちが倒れそうだった」なんていうくらいだからな)(ちゃんと治ったけど)ぽんぽんと頭を撫でながら、「もう治ったって言ったろ?大丈夫だって」って繰り返す。それで、「それよりも」と言葉を続けた。

「俺としてはお前に避けられるほうが痛い」
「そんなの、」
「好きなんだよ」

あぁ、言っちまった。なんてどっかで思いながら、わりと冷静な自分に内心驚いた。俺の言葉に、泣いてたから震えてたの体が固まる。小さなの戸惑う声が聞こえて、俺はを抱きしめる力を強めた。

「俺は、が好きなんだ」




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