たまたまかちあったその目線に、思わず俺はあ と固まった。どうしようか。何か挨拶でもしたほうがいいか?(いや、てゆーかそれが出来たら苦労しねぇんだけど)テンパりながらも、結局目は外せないで考えてたら、が笑って俺のほうに手を振った。(てゆーかあれだよな、これ、俺にでいいんだよな?)それにますますテンパった俺は、なんか返そうと思って、とりあえず手を上げるしかできなかった。(あーやべ、ぜってぇ顔にやけてやがる・・・)





What made in winter
08. I am shaken by her small words.






この時間、グリフィンドールは飛行訓練だ。俺はジェームズと一緒でクィディッチのメンバー入ってて、まぁもちろん飛ぶのは得意だし楽しいし、しかもこの学年まで来れば飛行訓練は全体的に結構自由な授業。だからこそ、この時間は退屈なものではなかった。でも今回はさらに輪をかけていいことがある。

「では今回は、グリフィンドールとレイブンクローで混合にチームを作って。」

なんか教授の事情かなんかがあるらしく、今日は今までの授業で初めて、飛行訓練でのレイブンクローとの合同授業になった、っていうわけだ。突然こうなったっつったって、レイブンクローとグリフィンドールは別に問題があるわけじゃねぇし(スリザリンなら絶対お断りだけどな!)、俺としては有難い話であって(合同授業と聞くやよかったじゃないかシリウス!なんてソッコー言ってきたのはジェームズだ)、まぁぶっちゃけた話かなり楽しみにしていた。さらに今回、どうせ合同なら、ということで混合チームを作ってクィディッチでもしてみよう、なんて話になったわけで(なんかこれ、俺に流れが来てんじゃね!?)。

「ほらシリウス、行くぞ」
「は?行くって・・・」
「決まってるだろう?のところへだ」

俺が内心でよっしゃ、なんて思ってるうちに、さも当然とばかりにジェームズが言った。さらにその後ろで同じようにリーマスとリリー(ピーターはこの前の悪戯で怪我したからいない)が頷く。クィディッチチームは7人構成、そんでもって男女比と各寮の比はだいたい半分。つまりどちらにしても、レイブンクローの女生徒と組まなきゃいけねぇってわけで、レイブンクローとグリフィンドールは別に仲が悪いってことはないけどあまり深い付き合いがあるということもなく、まぁこの流れで行けば俺がに一緒に組もうと言いに行ったところで不自然ということはない・・のだけれど(だから、そこで一目散にいけたら何も苦労はしないんだっつーの!)。

「あー・・でももう決まってるかもしんねぇし」
「何言ってるんだ君は!こういうところで仲良くならなくてどうする!」
「そうよシリウス、ほら、は組んでないじゃない」

なんとなく声を漏らしながら俺が言えば、ジェームズが声をあげて(うるせーよ聞こえたらどうすんだよ!)、さらにリリーが後押しするようにに目をやる(なんか最近こいつら似てきたよな・・・)。それに乗って俺がを見れば、たしかにはグリフィンドールのやつとは組んでないらしかった。 ――― が、それ以上に俺的にやっかいなやつがいた。に話すときにちょこちょこ話したことがあると、よく達と話している、レイブンクローのが笑ってに話しかけて、それに答えるように彼女が笑う(・・・くそ、)。気づいたら、俺の足は無駄に熱く語ってるジェームズを通り越していた(シリウス?って声が聞こえるけど、とりあえずちょっと待っとけジェームズ)。そうやって、に声をかける。(別に、に話しかけるところを遮ったわけじゃない)(・・・無意識ってやつだ)

「え?あ、シリウス」
「なぁ、もうグリフィンドールのやつと組んだか?」
「ううん、まだ・・・あ、組んでくれるの!?」

笑顔で聞くに、そっちがよければ、となんとか笑って返す(内心はガッポーズもんだけど)。が組んでいるのだろうの2人を振り返って聞くのには、というか、に話しかけるのにはいい気がしたとはいえねぇけど、まぁ、それはしょうがないことだっつーのはわかってる。(そこまで子どもではない)(・・・、一応)2人からもすぐにOKの返事が出たことらしくて、が俺を振り返った。

「シリウスのほうは?私たちでいいの?」

の言葉に俺がもちろん、と答えるよりも先に、俺の肩にぐっと手が回った(・・・・・)。誰かなんて今更確認するまでもねぇけど横を向けば、そこにはにっこり笑ったジェームズの顔がある(やっぱな・・)。

「そりゃぁもちろん」
「よろしくね」

やべ、すっかり忘れてた、って言葉をなんとか飲み込んでるうちにもに返事をしていたリーマスやリリー(おまえらもいつの間にきたんだ・・?)の一方で、ジェームズが回した腕でぐっと俺の顔を寄せる(っつっても俺のが背が高ェんだけど)。

「いやぁ、さすがに君も男だね、シリウス」
「・・うるせぇよ。」

ニヤっと笑ったジェームズの言葉に、照れやらなんやらが一気に来て、視線を外しながら答えた(・・ってオイ何笑ってんだジェームズ!)。とりあえずニヤニヤ笑ってるジェームズの頭を叩いて、でもまだ顔のニヤケが治まらないジェームズに、俺は一回でかいため息をついただけですませてやった(寛大だな、俺)。





「やっぱり、シリウスは上手いねー」

まぁなんだかんだで授業が終わって、箒を片付けているときに言われた言葉に、俺は多分すげぇ勢いでを見た(・・え、今、なんつった?)。こうやって片付けに来ているのは俺との2人だけ。・・っつーのは、これもまた当然のごとく、ジェームズたちの企みのもとって話で(そして俺の勘が正しければ、も勘付いてんのかもしんねぇってことだ)(・・・マジかよ)。

「・・・そうか?とかだって上手いだろ」
「そうだけど、シリウスも相変わらずすごく上手かった!」
「・・サンキュ。・・・って、相変わらず?」

笑って言われた言葉に少し照れて(しょーがねぇだろ!)言葉を返してから、途中の言葉に引っかかって俺は箒に向けてた視線をに視線を向けた。(んな、ジロジロはみれねぇだろ!)

「うん、もともとシリウスが上手いのは知ってたし・・クィディッチも、すごいなーって見てたんだ」

最後の箒は流れ作業のように俺がから受け取って置いてたからには見られなかったけど、正直俺は相当驚いてた(あーきっとすげぇ目ェ見開いてんな)。いや、そう、別に対して驚くことじゃない。クィディッチの試合を見ることは普通なことだし、そのメンバーである俺のことを見たことがあるっていうのは多分ホグワーツ中の誰もにいえることだ(あぁ、スネイプなんかは別だろーけどな)(って別にあいつはどーでもいーんだよ!)。なのに、に知られてたっつーことで、見てくれていたっつーことだけで、こんなにも嬉しくなっている自分がいる(うわ、やべぇ・・・)(マジ嬉しい)。

「あ、よかったら今度教えてね」
「・・おう、いいぜ」

あぁ、俺、何かすごい恋してんのかもしれない。(ジェームズをバカにできねぇな、これ・・)





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