、最近ブラックと仲いいらしいじゃない!」

レイブンクローの友達の言葉に、ん?とわたしはパンを食べていた手を止めた。ブラック・・シリウス?いや、スリザリンのレギュラス・ブラックとは全くかかわりがないからシリウスだよね。うん、まぁ、シリウスとはちょっと前から友達になったわけで、なんだかんだしゃべったりするのも多いし、最近仲良くなったっていうのはたしかにそうだよね。そう思って「うん、友達だよー」って言ったら聞いた子がなんとも微妙な顔をした(って自分で聞いたんじゃんよ!)。そうしたら、が「そういうのを期待したんじゃないと思うよ」って言った。(いや、なにその笑い?)





What made in winter
09. "You are close to him ?"






「そういえば次の次くらいに魔法史で小テストあるらしいよー」
「え、ホント?」
「うん、グリフィンドールで先にやったんだって」

ちょっと復習しとかなきゃなーとか思いながらその情報をに言ったら、そっかー とか言ってたが、「誰に聞いたの?」ってわたしに聞いた。え、シリウスだよ?そう言ったら、今度は、ふーん ってなんかちょっと違う感じでが言う。いや、そりゃシリウスたちは悪戯仕掛人とかって結構いろいろやってたけど最近は落ち着いてるみたいだし、嘘とかはつかないと思うし、信じていいと思うけどなぁ。まぁわたしもね、最初は若干ビクビクしてたとこもあったけど。(だって実際いたずらの被害にあったしさー)(や、もう水に流したけど!)そんなことを考えながら寮へ戻る廊下を歩いていたら、外で雪が降っているのが見えた。さっきは止んでたのに、また振り出したらしい。(今年は雪が多いなぁ)(嫌いじゃないからいいけど)なんとなくぼーっと窓の外を見てたら、が「さっきの意味わかった?」って聞いてきた。・・・さっき?

「どの話?」
「ブラックと仲いいっていう話」

あぁ、さっきってあれかぁ。の言葉に大広間での会話を思い出しながら思う。というか、意味わかった?ってなんか酷くない?(わたしそんなにバカじゃないよ!)(・・・・・たぶん)そういう意味をこめてをじとっと目をやれば、は「わかってなさそうだけど」って笑った。(・・・いや、だからなにが?)

「さっきのって友達とかじゃなくて、そーゆー意味でしょ」
「・・・・・え、なに、わたしとシリウスで?」

なんていうか、考えてもいなかったことにびっくりすれば、がそうそうって頷いた。そんなに、いやいやいや、とわたしは手を振る。だってわたしはレイブンクローでシリウスはグリフィンドールで・・まぁ寮が違うカップルなんて結構あるけど、なんだかんだやっぱり寮内のカップルのほうがダントツで多いし。(そもそも性格的なもので組分けしてるんだもんなぁ)(しかも寮生活なわけだし・・・)だって多分そんなのわかってるのに、「的にシリウスはないの?」って聞いてきた。いや、ないのっていうか・・。

「シリウス的にわたしがないでしょー」
「えー、そんなことないっしょ」
「あのシリウスだよー?ないない」

だってシリウスはあれだけかっこよくて、身長もあって、頭もよくって、運動神経もよくって、声も素敵で字もうまいんだから(なんか挙げだしたらキリがないんだけど・・・)(すごっ!)わたしをそういう対象で見るってことは普通にないと思う。(・・・あれ、なんか自分で言ってて悲しいぞ)たしかにちょっと怒りっぽいし、口も悪かったりするし、悪戯もするし、スネイプに対して容赦ないけど、人にも気を使えるし、クールそうに見えて熱いし、優しいし、笑った顔とか素敵だし、一緒にいて楽しい。だから、モテるのだって当たり前だ。誰かと付き合ってるっていう噂は聞かないし、本人もそんな気配は全くないけど、でもきっと最終的にはすごく美人でいい人とかと付き合うんだろうなぁ。(・・・・あれ、やっぱり、なんか、悲しい)なんとなく下に向いた視線のままに息を吐いたら、息が少し白くなって消えた。(うわーやっぱり寒いなぁ)(早く談話室で暖炉にあたろうっと)そんなうちに、隣のから、あれ と気づいたような声がした。つられて顔を上げたら、レイブンクローの寮のすぐ傍にあたるそこに、シリウスがいる。あれー?って思ってたらシリウスがわたしたちに気づいたみたいで、よ って笑った。

「どうしたの?」
「これ、昨日言ってたやつ」

シリウスがわたしに見せたのは、例の魔法史の小テストの範囲が載っている本だった。レイブンクローは先生の都合で休みがあったから授業が遅れてて、だからシリウスはもうテストを終えてる。それで、シリウスが図書室に返すって言ってたから、そのまま貸してもらおうって話になってた本。(ジャストでテストの部分が出てるから、他の生徒も狙ってるとかって話で・・)(まさにシリウスさまさま!)それを受け取ってお礼を言えば、「どういたしまして」ってシリウスが綺麗に笑った。(ほら、モテないはずがないよ)(こんなふうに笑うんだもん)





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