元陽棚田と花腰タイ族撮影紀行
 昨年の元陽の棚田撮影は思うような写真が撮れず今年も出かけることにした。友人を誘って個人旅行を計画したが断念、一人では心細いので昨年と同様、旅行社は違うがパッケージツアーに参加した。今度は棚田では第一人者のカメラマンA先生が同行、現地でも地元のカメラマンの案内があり、棚田と少数民族の新年の祭り「花街節」の撮影。昨年の訪問で少数民族にも興味を持ったが更に祭りの撮影で大変楽しみだった。
 参加者は11名、棚田のホームページで知り合った”メルトモ”の方は自分が誘ったような結果だったが、総勢11名。女性は2名。一人はご夫婦での参加だった。昨年より平均年齢も高そうだ。ひょっとして70歳
 今回は北は秋田、南は佐賀、東京からは二人だけと全国からの参加、これもA先生の賜物か。自分の参加もA先生が同行、これが選択肢に大きなウエートを占めてはいるのだが。
日程(2005.2.6発)
日次 コ  ー  ス 宿泊地
関西空港→(日本航空)→昆明 昆明・金龍飯店
昆明→元陽 元陽・雲梯大酒店
元陽 元陽・雲梯大酒店
元陽 元陽・雲梯大酒店
元陽→新平 新平・金源酒店
新平 新平・金源酒店
新平→昆明 昆明・金龍飯店
昆明→(日本航空)→関西空港  
@ 2005.2.6(日) 関西空港→(日本航空)→昆明
 関空で東京からの本隊に合流するのでが、ここでは自分を含め3名。旅行社の荷札でお互いを確認できたが搭乗手続きは自分でやるようだ。東京からの添乗員とはどこで合流するのかは誰も認識していず、3人で相談しながら結局最後の搭乗ゲートまで行きやっと合流した。
 航空機は日本航空と中国東方航空の共同運航便。上海経由だがこれがまた複雑な仕組みだった。上海で一旦降りここで入国手続きをしてまた同じ機体の同じ席に乗り込む。カメラが入った思いバックを担いで迷子にならないようについて行く。便名は同じだが上海から昆明は中国国内線扱いだそうだ。
 日程表を見たとき関空から昆明がやけに時間がかかると思ったが、ここで2時間近い時間を費やしていた。昆明のホテルには12時ころ到着。関空発16時で時差マイナス1時間でも7時間前後かかったことになる。
A 2005.2.7(月) 昆明→元陽
 今日は一気に元陽まで360キロのバスの旅。昨年は3月だったのでもう散っていたんだろうが昆明近辺は一面の菜の花畑。有名な羅平も昆明からの観光ルートだ。
 広い中国でも一般的なルートは同じで、トイレ休憩の場所も2ヶ所同じ所だったし、建水で昼食のレストランも昨年は宿泊したホテルのレストランだった。
 午後元陽に着き、新街鎮のマーケットで撮影。旧正月の元旦を明後日に控え大変な混雑だ。マーケットの撮影後はお決まりの夕刻の棚田撮影。チン(竹かんむりに青)口棚田の夕方の撮影で棚田とチン口民族村の組み合わせ。(チン口民族村では昨年ハニ族のお嬢さんをモデルにして撮影し、昼食を彼女の家で取ったりしたので写真を持ってきた。しかし、訪れる機会が無かったので残念だった。また、次の機会があれば・・・)
 明後日は旧正月。中国人は気が早いのか夜になると爆竹の音がうるさい。(爆竹は新年へのカクントダウン時をピークに元陽、新平と毎晩悩まされた)
BC 2005.2.8(火)〜9(水) 元陽
 2日間は棚田と少数民族村の撮影。元陽の少数民族はすっかりモデル業が定着し相変わらず金、金、金でうんざりするがこれも仕方ない。自分だって勝手に撮影されれば気分のいいものではないんだから。
 棚田は朝は両日共「多依樹」の棚田、夕方は「猛品(老虎嘴)」と「バーダ」の棚田。天候は快晴、気温も高く残念ながらまたまた霧、雲海の幻想の棚田とは程遠い。去年のリベンジと再訪したのだが、逆に今年の方が色付きも少なく、黄金色、ピンク色も昨年の方が勝っていた。
 どこも満足出来る写真は撮れていないが、他のポイントへ行こうと思えばもう個人旅行しかない。撮影ツアーでは定番の場所を避けるわけにはいかないんだから。また、この時期以外も個人旅行しかない。中国語は勿論英語も満足に話せないし、個人でガイドを雇えば費用の問題も・・・。頭が痛い。が、まだまだ満足出来る写真は1枚も無い。また、いつか! 
 ホテルも昨年宿泊したホテルと同じで、ここでもレストランのイ族の従業員を撮影したので写真を持ってきたのだがもういなかった。やめてしまったようだ。
 
元陽の雲梯大酒店はやはりエアコンはなく、代わりに電気毛布が用意されていた。しかし、暖かくて使う必要はなかった。逆に夏は暑そうだ。窓には網戸がはめられているので窓を開けて涼を取るんだろう。
 このホテルは割高のようでシングルは1泊300元。後日泊まった新平のホテルより1割近く高い。今が元陽のかきいれ時だからかも知れない。ここは棚田しかなく今がベストシーズンだし。
 国際電話は電話局まで出向かないとかけれないそうだ。でも、携帯電話は使えそう。
D 2005.2.10(木) 元陽→新平
 今日は元陽を後に石屏を経由し新平に向かう。朝の撮影はないので起床はゆっくりだ。前回もそうだったが撮影ポイントは何ヶ所もあるので本当は近くの棚田を撮影後出発しても良さそうなんだが。
 途中、南紗から数キロの所で旱タイ族の部落をスナップ撮影。ここは観光客もほとんど立ち寄らないのだろう、異国からのカメラマンを結構歓迎してくれて皆満足の撮影だった。しかし、民族衣装の着用は年寄りばかりで若い人も子供も殆どの人が都会と変らない服装だ。同行した一行は民族衣装の着用はあまりこだわっていないようだが、今はコンテストの応募もせずひたすらライフワーク主義の自分は中国の田舎の子供といっても普通の衣服では興味も少ない。棚田地帯は民族衣装の着用が金になる故に着用率が高いのだろう。生きる知恵なんだ。
 日本でも今は着物や浴衣は特別の時しか着ない。近い将来、中国の少数民族衣装も特別の時期、特別な場所でしか見られなくなるだろう。
E 2005.2.11(金) 新平
 花腰タイ族の「花街節」会場は70キロ、バスで2時間もかかる所にあった。ホテルから歩いて行けるか、バスでも短時間でと勝手に思い込んでいたんだが。
 事前に大変混雑するとアナウンスされていたが、まあ広い中国、確かに大勢の人、車だが、日本と比べればこんなのは混雑の部類にも入らない。祭りそのものは中国でもメジャーな祭りなんだろう。日本で言えば阿波踊りかそれとももう少しは素朴な郡上踊りか。少数民族の音楽に合わせ着飾った人々の踊り、新年の祭りなのだが本来の意味が良くわからない。
 午後はホテルに引き返す途中にある規模の小さな祭りに行く。確かに午前とは違い素朴な風情。ここも花腰タイ族の娘が踊るのだが、すぐ近くで何やら儀式が行われた。鶏の雌雄1羽の生血を絞り龍神に捧げているらしい。祭場では老婆が祈りの歌謡を唱えている。その間には鶏がゆでられている。最後には鶏料理での饗宴があるのだろう。
 思いもしない物が撮影できたので満足ではあるが、本当の意味も分からない。これから調べようと思っているが果たして龍神なのか、タイ族なので仏教ではと興味は尽きない。
 帰路は途中にある菜の花畑を撮影。ここにも中国人のカメラマン一行がいた。
F 2005.2.12(土) 新平→昆明
 撮影は今日が最終日。午前中は昨日出かけた方向に行き菜の花畑と少数民族村へ。少数民族は旱タイ族だがここは車で昆明に3〜4時間の所。民族衣装もやはり老人だけの着用だが興味があったのがトイレ。ここのトイレは質素な造りだが皆ドアがある。(右の写真)衣装だけでなくトイレにも都会化の波が訪れているようだ。
 撮影は午前中で終了、新平の町に戻り昼食後一路昆明へ。高速道路も開通し3時間程度で昆明着。ツアー客のリクエストで市内の土産物店に行ったがここもまた昨年来た店。
 ホテルにチックイン後まだ明るいので1人で町を散歩。駅まで歩いて10数分、駅も賑わっていたが昆明駅の構内は切符がないと入れないようだ。入場券は有るのか無いのか、買い方も分からないし、構内に入るにも飛行機のように荷物のX線検査しているほど物々しいので諦めることにした。
 鉄道駅のすぐ近くは長距離バスのバスターミナル。ここも大変な賑わいだ。正月なので賑わっているのだろう。そう言えば元陽のバスターミナルは閉鎖されていた。町の中心部で混雑する場所だったのでどこかに移転したのだろうが確認する暇はなかった。
G 2005.2.13(日) 昆明→(日本航空)→関西空港
 昆明を午前8時のフライトなので早朝にチェックアウト。帰りも上海経由は往きと同じ。国際線カウンターで搭乗手続きをするのだが、その後は国内線のゲートに回り搭乗。(手荷物の検査は1回で済む)フィルムについては、関空はX線検査を受けたが昆明では念の為目視検査とした。出発時間が迫っていて添乗員が{早く}と要求したが黙々と! 早くならX線検査を受けたらと言われたらしい。まあ、そりゃあそうだ。でも、ネットの情報では手荷物検査もオートパワーアップの検査機があるらしい。関空ではISO1600i以下は大丈夫と案内もあるが、ここには無い。あっても多分わからないと思うが。
 上海では迷路のような空港内を係員について行き、税関検査等を受けるのだが、やはり1人はぐれてしまった。後のバスでやって来たが搭乗ゲートがわからず違う方向を探していたらしい。
 しかし、何はともあれ全員無事に関空に到着。ここで解散。
 今回は2度目で状況は昨年と大差なく、元陽滞在も1日少ないのでフィルム消費量も少なかった。デジは今年はRAWにしたがメモリーは1ギガ2枚なのでデータセーブも忙しかった。ストレージも持ち歩き、移動中にもセーブしたこともあった。
 参考までに持参した機材は、カメラはペンタ645にレンズ3本。Kiss VとKiss Dijital各1台にレンズ3本、コンデジ1台、外部ストレージの飛鳥トリッパーとモバイルパソコンのSONY U1。SONY U1にもデータをセーブしホテルで絵柄を確認して楽しんだが、沢山の機器の充電もあり蛸足の用意をして行くべきだった。
 以上が今回の旅の概要です。昨年分のレポートと併せ参考にして下さい。(平成17年2月)
世界の棚田と少数民族メニューへ