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沿革
明治39年11月30日建設免許取得
明治41年9月15日大館〜小坂間(22.6km)を開設
明治42年5月7日小坂鉄道として一般営業開始
大正5年1月26日大館〜花岡間(4.8km)が開業
昭和26年4月5日茂内〜二ツ屋間が廃止
昭和33年2月1日同和鉱業と合併
昭和60年4月1日大館〜花岡間が廃止
平成元年10月1日小坂製錬が同和鉱業から独立
平成6年10月1日小坂線の旅客営業廃止
平成20年3月4日濃硫酸の輸送が終了
平成20年3月12日小坂線の運行が終了
平成20年3月17日小坂線の休止届を提出
平成20年9月18日小坂線の廃止届を提出
平成21年4月1日小坂線廃止

藤田組(のちの同和鉱業)が、小坂鉱山から産出される鉱石の輸送を目的に専用鉄道として開設したのが始まりです。当初は蒸気鉄道でしたが、昭和2年12月28日に小坂鉱山の余剰電力を利用して小坂〜茂内が電化されました。しかし昭和37年10月1日の1,067mmへの改軌時に再び非電化となっています。 全盛期には花岡線と小坂線に貨物列車や旅客列車が行き交い、両線の起点であった大館駅構内には多くの車両がひしめいていました。 しかし、鉱山の閉鎖により花岡線は廃止となり、小坂線の鉱石輸送も廃止となりました。また、細々と続けられていた旅客輸送も、鉱山の閉鎖に伴う乗客の減少に耐えきれなくなり、平成6年で廃止となってしまいました。 その後は、小坂製錬所で精製される硫酸輸送一日2往復のみが残り、DD130形機関車3重連が牽引する貨物列車が山間部を走る異様な光景が見られましたが、製錬所への新型炉導入により濃硫酸の製造が終了し、平成20年3月12日をもって小坂線の運行も終了となり、同月17日には国土交通省東北運輸局に鉄道事業休止の申請が提出され、受理されました。 また、同年9月18日には廃止届も提出され、100年の歴史に終止符が打たれました。

路線概要

種別:鉄道(旅客・貨物)
営業キロ:22.3km(大館〜小坂)
線路規格:非電化単線 1,067mm
動力:内燃(ディーゼル)
駅名: 大館岱野東岱野小雪沢雪沢温泉新沢深沢茂内篭谷古館小坂

廃止時の時刻表

2008/3/15現在
時刻表(下り)
列車番号 451 51 453 53
km 大館 -- 1115 -- 1525
2.9 (岱野) -- 1118 -- 1528
4.2 (東岱野) -- 1121 -- 1531
8.5 (雪沢温泉) -- 1125 -- 1533
10.4 (新沢) -- 1128 -- 1538
12.7 (深沢) -- 1130 -- 1540
13.9 茂内 -- 1132 -- 1543
1009 1200 1414 1605
15.7 (篭谷) 1014 1206 1420 1616
21.5 (古館) 1019 1212 1425 1622
22.3 小坂 1025 1220 1430 1630
※( )の駅は廃止となった駅であり、掲載時刻は通過の目安
列車番号451と453は単機重連による回送


時刻表(上り)
列車番号 52 54
km 小坂 0945 1350
0.8 (古館) 0950 1355
6.6 (篭谷) 0959 1404
8.4 茂内 1005 1410
1010 1415
9.6 (深沢) 1016 1423
11.9 (新沢) 1025 1430
13.8 (雪沢温泉) 1033 1436
18.1 (東岱野) 1040 1445
19.4 (岱野) 1048 1453
22.3 大館 1055 1500
※( )の駅は廃止となった駅であり、掲載時刻は通過の目安
※茂内駅まで3重連茂内駅で機関車1両切り離し

各駅詳細

大館 おおだて
開業日:明治42年5月7日
廃止日:平成21年4月1日(旅客営業は平成6年10月1日)

鉱山全盛期には小坂線と花岡線の貨物ターミナルとして機能しており、広大な貨物ヤードが広がっていましたが、旅客営業廃止後は駅前道路整備に伴い駅舎が取り壊され、ほとんどの敷地も消滅してしまいました。
岱野 たいの
開業日:明治42年5月7日
廃止日:平成6年10月1日

ホームは相対式2面2線で、昭和25年から昭和32年までは構外側線も有していましたが、昭和47年4月に駅業務が委託化され、同年11月に交換設備が撤去されました。そして昭和62年2月には無人化されてしまいました。
旅客営業廃止後は、ホームが撤去されただけで、駅舎は残されていました。
東岱野 ひがしたいの
開業日:昭和45年11月1日
廃止日:平成6年10月1日

大館鉄工所の裏手にあった駅で、ホームは単式1面1線の無人駅でした。
もともと簡易な造りのホームであったため、撤去後はその面影はありません。
小雪沢 こゆきざわ
開業日:大正4年10月13日
廃止日:昭和36年10月1日

軽便時代、ここで蒸気機関車と電気機関車の付け替えが行われていました。
廃止後かなりの年月が経っているのですが、いまだにホームと側線跡は健在です。
雪沢温泉 ゆきさわおんせん
開業日:昭和29年8月1日
改称履歴:雪沢鉱泉→雪沢温泉(昭和46年10月1日)
廃止日:平成6年10月1日

ホームは1面1線の無人駅でした。
現在でもホーム跡がはっきりと残っています。
新沢 しんさわ
開業日:昭和2年12月21日
廃止日:平成6年10月1日

開業時は交換可能駅で、ホームは島式1面2線の有人駅でしたが、昭和49年10月に交換設備が撤去されると同時に委託化され、昭和57年10月には無人化されています。
旅客営業廃止後は、ホームはきれいに撤去されましたが、駅舎と小屋はそのまま残され、鉄道備品の倉庫として活用されていました。
深沢 ふかさわ
開業日:昭和46年11月10日
廃止日:平成6年10月1日

ホームは単式1面1線で、乗降客数は線内でもっとも少ない駅でした。
廃止後、駅舎・ホームともに壊されてしまいましたが、駅への出入口だった小道とコンクリートの跡が駅の位置を教えてくれます。
茂内 しげない
開業日:明治42年5月7日
廃止日:平成21年4月1日(旅客営業は平成6年10月1日)

ホームは2面2線の交換可能駅で、旅客営業が廃止になった後も残り、機関車の切り離しが行われていました。
なお、昭和26年までは長木沢支線が分岐していました。
篭谷 かごや
開業日:昭和31年2月1日
廃止日:平成6年10月1日

ホームは単式1面1線でした。
廃止後、駅舎・ホームともに壊されてしまい、無惨にもコンクリートの破片が草むらに散乱しています。
古館 ふるだて
開業日:昭和60年10月1日
廃止日:平成6年10月1日

ホームは単式1面1線で、旅客営業時は大館駅の次に乗降客数が多い駅でした。
しかし、簡易な構造の駅であったがゆえに、廃止後は完全にその痕跡を消しており、今では草木が生い茂っています。
小坂 こさか
開業日:明治42年5月7日
廃止日:平成21年4月1日(旅客営業は平成6年10月1日)

単式1面1線のホームがありましたが、旅客営業廃止に伴い、駅舎は閉鎖されました。しかし駅舎はそのまま残り、その後も貨物営業は継続されたため、広大な貨物側線が広がる構内では貨車の入れ替え作業などが行われていました。なお、昭和60年12月までは小坂鉱山までの構外側線が延びていました。

ミニ情報

最後まで腕木式信号機によるタブレット閉塞方式が採用されていました。
平成19年までは鉄道の日に合わせてDD150型ディーゼル機関車4重連による牽引が見られました。

▲TOP2005/4/24〜9/9撮影
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