青森県音楽資料保存協会

青森県伝統文化団体実態調査

「青森県伝統文化団体実態調査」(平成13年11月の調査資料より)
<資料提供:青森県教育庁文化財保護課(平成13年度)>

<レポート3>

○保存会の過去3年程度の年間活動費

活動資金は10〜50万円が4割以上を占め、
10万円以下、50万円から100万円、100万円以上の順であり、
年間50万円以下が6割以上を占めている。
※複数回答あり

  下北 東青 中弘南黒 西北五 上十三 三八 県全体
10万円未満 19.4% 18.8% 43.8% 27.8% 13.3% 13.7% 19.8%
10〜50万円 22.2% 50.0% 31.3% 61.1% 73.3% 49.0% 47.3%
50〜100万円 27.8% 6.3% 18.8% 5.6% 10.0% 19.6% 16.8%
100万円以上 25.0% 18.8% 0.0% 0.0% 0.0% 7.8% 9.6%
無回答 5.6% 6.3% 12.5% 6.0% 3.3% 9.8% 7.2%



○保存会の財源

財源は各団体で事情がかなり異なる。
財源として一番多いものは、全体では事業収入(発表会出演・お花代など)が
3分の1である。ついで補助金が2割程度となっている。

財源1位のもの

  1位 2位 3位 4位 5位
下北 事業収入 個人会費 補助金・助成金/
寄付金・カンパ・個人負担/その他
東青 事業収入 その他 寄付金・カンパ
・個人負担
補助金・助成金 個人会費
中弘南黒 補助金・助成金 事業収入 個人会費 寄付金・カンパ
・個人負担
-
西北五 補助金・助成金 個人会費 事業収入/
寄付金・カンパ・個人負担
その他
上十三 事業収入 補助金・助成金 寄付金・カンパ
・個人負担
その他 -
三八 寄付金・カンパ
・個人負担
事業収入 その他 個人会費 補助金・助成金
県全体 事業収入 補助金・助成金 寄付金・カンパ
・個人負担
その他 個人会費



○保存会が続いてきた要因

これまで保存会が続いてきた要因に関して13の選択項目に
それぞれ順位を記載するという形をとった。それぞれ総合得点化し
その結果を次にまとめた。
「会員の熱意」「地域住民の理解と協力」「会長、師匠のリーダーシップ」が
三大要因であり、ついで「担い手の確保・育成」「行政からの支援」
「公民館などの練習場所の確保ができること」があげられている。

【以下の選択肢の略名一覧表】

略名 調査票記載の項目
会員の熱意 歴史、伝統、信仰を守る会員の熱意、足並み
地域住民 地域住民(市町村・集落)の理解・支援
会長・師匠 歴代の会長、師匠などのリーダーシップ
担い手 担い手の確保・育成
施設利用 公民館や集落の集会施設の利用ができること
行政 行政の協力・支援
記録 伝書、歌本など文書があり、記録が残されていること
財源 活動の財源の確保
発表 民俗芸能発表会などで県内外に発表の機会に恵まれたこと
価値 学術的、文化的に価値あるもの(文化財指定等)と認められていること
企業・法人 企業、財団法人などの協力・支援
専門家 専門家の協力・支援
マスコミ 新聞・テレビなどマスコミで取り上げられること
  下北 東青 中弘南黒 西北五 上十三 三八 県全体
1位 会員の熱意 会長・師匠 地域住民 会員の熱意 会長・師匠 会員の熱意 会員の熱意
2位 地域住民 担い手 会員の熱意 地域住民 会員の熱意 会長・師匠 地域住民
3位 会長・師匠 会員の熱意
地域住民
会長・師匠 担い手
行政
地域住民 地域住民 会長・師匠
4位 担い手 行政 担い手 担い手 担い手
5位 施設利用 財源 施設利用 会長・師匠 施設利用 行政 行政
6位 行政 施設利用 担い手 財源 行政 施設利用 施設利用
7位 記録 行政 価値 発表 発表 財源 財源
8位 財源 発表 財源 施設利用 財源 価値 発表
9位 発表 マスコミ 発表 価値 価値 発表 価値
10位 価値 専門家 記録 専門家 記録 記録 記録
11位 企業・法人 記録 専門家 記録 専門家 専門家 専門家
12位 専門家 価値 企業・法人 マスコミ マスコミ マスコミ マスコミ
13位 マスコミ 企業・法人 マスコミ 企業・法人 企業・法人 企業・法人 企業・法人



○今後の活動を続けていく上での課題

「担い手の確保・育成」がきわめて高く、ついで「会員の熱意」「地域住民の理解」
「会長、師匠のリーダーシップ」「行政からの支援」「財源の確保」となっている。

「マスコミでの取り扱いの評価」「企業・財団からの支援」「専門家の協力」は
きわめて低い。
「企業・財団からの支援」が低い要因は、一部の団体を除いて
支援された経験がないことが考えられる。

略名 調査票記載の項目
会員の熱意 歴史、伝統、信仰を守る会員の熱意、足並み
地域住民 地域住民(市町村・集落)の理解・支援
会長・師匠 歴代の会長、師匠などのリーダーシップ
担い手 担い手の確保・育成
施設利用 公民館や集落の集会施設の利用ができること
行政 行政の協力・支援
記録 伝書、歌本など文書があり、記録が残されていること
財源 活動の財源の確保
発表 民俗芸能発表会などで県内外に発表の機会に恵まれたこと
価値 学術的、文化的に価値あるもの(文化財指定等)と認められていること
企業・法人 企業、財団法人などの協力・支援
専門家 専門家の協力・支援
マスコミ 新聞・テレビなどマスコミで取り上げられること
  下北 東青 中弘南黒 西北五 上十三 三八 県全体
1位 担い手 担い手 担い手 会員の熱意 担い手 担い手 担い手
2位 会員の熱意 会員の熱意 行政 担い手 会長・師匠 会員の熱意 会員の熱意
3位 地域住民 会長・師匠 地域住民 地域住民 会員の熱意 会長・師匠
地域住民
地域住民
4位 会長・師匠 地域住民 会員の熱意 財源 地域住民 会長・師匠
5位 行政 財源 財源 会長・師匠 行政 行政 行政
6位 財源 行政 会長・師匠 行政 財源 財源 財源
7位 記録 施設利用 価値 専門家 記録 記録
企業・法人
記録
8位 企業・法人 発表 発表 発表 施設利用 公民館
9位 施設利用 専門家 記録 施設利用 発表 価値 発表
10位 発表 マスコミ 専門家 価値 価値 公民館 価値
11位 専門家 企業・法人 施設利用 記録 マスコミ 発表 企業・法人
12位 価値 価値 マスコミ 企業・法人 専門家 専門家 専門家
13位 マスコミ 記録 企業・法人 マスコミ 企業・法人 マスコミ マスコミ



○これまでの行政や助成財団からの支援

これまでに行政・財団からは、3分の2の保存会が支援を受けた経験がある。
そのうち、市町村が約4割、町会などを加えて半分強が地域からの支援である。
毎年、活動助成を続けている市町村は多くない。
支援を受けたことのある主な助成財団としては
(財)むつ小川原地域・産業振興財団
(財)自治総合センター
(財)安田生命クオリティオブライフ文化財団
(財)東日本ハウス文化振興財団
上記のもの等があげられており、助成を受けた経験のある保存会は
えんぶり、能舞など国指定重要無形民俗文化財がほとんどである。
また、文化財指定を受けていない保存会は、一度ももらったことがないところが多い。
※数字・・・団体数 (  )内の数字・・・割合

  下北 東青 中弘南黒 西北五 上十三 三八 県全体
回答団体数 36 16 16 18 30 51 167
助成経験あり 20
(55.6%)
8
(50.0%)
15
(93.8%)
11
(61.1%)
22
(73.3%)
37
(72.5%)
113
(67.7%)
助成経験なし 16
(44.4%)
8
(50.0%)
1
(6.3%)
7
(38.9%)
8
(26.7%)
14
(27.5%)
54
(32.3%)

助成経験がある場合、これまで受けてきた助成先(複数回答あり)

  下北 東青 中弘南黒 西北五 上十三 三八 県全体
国や県 8 0 2 0 2 7 19
市町村 6 4 13 9 20 18 70
町会 4 3 1 1 1 12 22
財団や協会など 6 1 2 0 3 10 22
無回答 - - - 1 - - 1



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