(35)連載再開します (36)青森県での取り組み その5 (37)青森県での取り組み その6 (38)青森県での取り組み その7 (39)青森県での取り組み その8 (40)青森県での取り組み その9 (41)青森県での取り組み その10 (42)青森県での取り組み その11 (43)青森県での取り組み その12 |
(35)連載再開します | 2003年11月 9日(日) |
平成15年8月31日に秋田県「たざわこ芸術村」のわらび劇場を会場に「こども伝統芸能北東北大祭典」が開催されました。青森・岩手・秋田のこどもたちが満員の観客を前に素晴らしい演技を見せてくれたそうです。 主催は三県の教育委員会で、青森から始まり、去年が岩手で、今年の秋田が最後でしたが、今回で終わるのが惜しいくらいとの意見が少なくなかったそうです。 実は、こういった素晴らしい祭典が行われていること自体、私は知りませんでした。周りの音楽関係者に聞いてもそれは同様で、イベントに関係した人以外への周知が徹底されていなかったような印象を持ちました。 いろいろ調べてみますと、青森県はこれまで、全国的に見ても実に質の高い、価値ある様々な文化事業を展開してきています。 しかし、多くの人が指摘しているように、やりっぱなしで継続性がありません。 青森県民の血税を投入した、せっかくの過去の事業成果物も活用されず、保管庫に眠っている状態のようだと聞きます。 一番の問題は、担当者が変わるたびに、過去の事業成果物についての所在情報が次第にあやふやになり、どこに何があるのか誰もわからない状態になりつつあるという点です。 これは青森県だけの問題ではなく、全国的に見てもそのようです。 例えば文化庁の呼びかけで1986〜87年に各県の教育委員会が主体となって「緊急民謡調査」がおこなわれました。 各県ごとに失われつつある地元の民謡を録音保存し、それについて文書も作成されました。しかし、現在、その貴重な録音テープが紛失している県が、いくつもあるそうです。 秋田県の民族芸術研究所の茶谷十六氏はこの件に関し、たいへん怒っておられました。 私もこの話を聞いてあっけにとられました。 気になったので、青森県は?と調べたところ、青森県は大丈夫でした。のみならず、笹森建英氏らのご尽力により、録音劣化が進み、最終的には音が消滅するカセットテープから、永久保存に供するためMDに編集し直され、1627曲がしっかりと弘前市立図書館に保管されています。しかし、こういった事実も青森県民の多くが知らないようです。 現在、青森県でも市町村合併が進行中です。ここで危惧されるのは、合併の資料整理に伴い、保管庫に眠っている過去の事業成果物がなんらかの手違いにより、破棄されてしまうことです。担当者がしっかりと、その資料価値を理解していれば、絶対にそんなことはありえないことですが、他県の例もあります。青森県も油断なりません。 県関係者に話を聞くと、まだ青森県では大丈夫だが、どこに何があるのか、その所在情報を明確に認識している職員の数がだんだん少なくなってきているとのこと。 青森県の音楽資料を散逸亡失から守るために、当協会では、資料の所在情報の調査を進めております。 どこに何があるのか、その情報を青森県の音楽資料に関心をお持ちの方々とまず共有していくことで、いつのまにか資料が無くなっていたという事態を当面回避できるのではと考えております。 そのため、県内の行政機関の方々のお力添えをいただきながら、過去の青森県の音楽文化関係の事業成果物の情報も集めております。 その第一弾として、県文化財保護課からいただいたデータを掲載し、青森県の「こども伝統芸能」の取り組み、その基礎資料として県が集めた県内学校での伝統芸能への取り組みの連載をしてきました。 「青森オペラ研究会」連載のため一時中断しておりましたが、明日から、また様々なトピックを織り交ぜ、連載を再開していきます。 何らかの参考になることを祈っております。 青森県はかつてこんなことをやって、こんなデータを持っているのか。それを知ってもらうこと。 それが、音楽資料保存への第一歩だと考えております。 | |
(36)青森県での取り組み その5 | 2003年11月10日(月) |
青森県内学校の郷土芸能への取り組みです。 すでに、10月17日に「岩手県の取り組み」を、10月22日より、連載で「秋田県の取り組み」についてご報告済みです。 ここにご紹介する青森県のデータをもとに、北東北三県の学校教育現場での郷土芸能への取り組みという、貴重なデータを一挙参照できます。古いものは保管庫に格納されております。一番下の「次のページ」をクリックされ、いろいろなデータをご覧いただければと存じます。 ・・「三八学区その1」・・・ 本日は八戸市を取り上げますが、その充実ぶりには驚きます。 どうぞご覧下さい。〔 〕内は参加人数です。 〔明治小学校〕 ◎えんぶり〔12〕・・・・学芸会・敬老会・クラブ発表の年3回発表 ◎八幡馬 〔272〕 ・・・運動会の全校演技として年1回発表 〔下長小学校〕 ◎駒踊り〔35〕・・運動会、120周年記念式典、学習発表会、千田町内神社例祭 〔田面木小学校〕 ◎大黒舞〔17〕・・地区婦人会演芸会、敬老会(地区)、えんぶり鑑賞会 〔江南小学校〕 ◎法霊神楽〔11〕 ・神楽祭、三社大祭、学習発表会、南部藩ゆかりの都市との交流 〔白鴎小学校〕 ◎えんぶり〔30〕 ・水道中央行事、東北市立高校バレーボール選手権大会、 白銀地区敬老大会、校内学習発表会、八戸えんぶり「一斉摺り他」 ◎白銀盆おどり〔675〕 ・・・・・校内大運動会 ◎白銀沖揚太鼓〔122〕 ・・・・・校内学習発表会 ◎八戸小唄(歌・踊り)〔99〕・・校内学習発表会 〔根岸小学校〕 ◎虎舞〔67〕・・・根岸地区敬老会、音楽会(学校行事) 〔湊小学校〕 ◎浜っ子勇み太鼓〔32〕 ◎湊まき網音頭 〔12〕 ・学習発表会、定期演奏会、湊フェスタ、敬老会の慰問など年4回程度 〔日計ヶ丘小学校〕 ◎根岸音頭〔253〕・・・運動会当日(1回) ◎えんぶり〔253〕 〔中居林小学校〕 ◎えんぶり〔23〕 ・学習発表会、えんぶり「一斉摺り」と公会堂での発表、校内えんぶりに親しむ会 〔吹上小学校〕 ◎吹上っ子まつり(八戸三社大祭)〔139〕 ・授業時間に他学年や保護者を招待、「吹上っ子まつり」をする予定 〔城北小学校〕 ◎えんぶり〔31〕・・・校内のクラブ発表会(年2回)、 2月のえんぶり行列希望者参加 〔是川小学校〕 ◎えんぶり〔4〕・・・えんぶり期間中 〔市川中学校〕 ◎市川神楽〔2〕・・・文化祭、3年に1回発表の機会を設けている 〔湊中学校〕 ◎虎舞〔12〕 ・文化祭、地区のお祭り(ミナトフェスタ、湊七夕)、年3回程度 〔白銀中学校〕 ◎白中太鼓〔10〕・・・魚まつり、港まつり、文化祭、 各種研修会のアトラクションなど(年4〜5回) 〔第一中学校〕 ◎えんぶり〔15〕・・・文化祭におけるステージ発表(年1回) 〔北稜中学校〕 ◎えんぶり〔45〕 ・文化祭、えんぶり舞いの日(2月17日)、老人ホーム訪問(二ヶ所)、 幼稚園訪問(三ヶ所)、アメリカンスクール交流会 〔明治中学校〕 ◎えんぶり〔5〕 ・文化祭、えんぶりの期間中、平成10年度は小樽市でえんぶりを披露 〔南浜中学校〕 ◎みなと祭音頭〔151〕・・・体育祭の午前の種目が始まる前 〔鮫中学校〕 ◎鮫神楽〔7〕・・・・・・・・・鮫神楽発表会(1回) ◎鮫まつりのおはやし〔33〕・・・鮫まつり(1回) 〔八戸水産高等学校〕 ◎八水大漁太鼓〔15〕 ・新入生歓迎会、県高P連大会、湊フェスティバル、青森丸出航式、 産業教育フェアー、水産デー、同窓会新年祝賀会、卒業祝賀会 〔八戸第二養護学校〕 ◎えんぶり発表会(中学部)〔15〕・・・学芸会、全校集会 ◎えんぶり鑑賞会 〔214〕 ◎八戸三社大祭(おまつり体験)〔214〕 ・グラウンドで運行、お囃子体験(年1回) 〔向陵高等学校〕 ◎毘沙門太鼓〔5〕 ・校内文化祭、入学式新入生紹介時、姉妹校文化部合同発表会など年4回 ◎八戸三社大祭「御打毬」〔15〕・・・三社大祭の実施日2日間 〔八戸工大第一高〕 ◎八戸えんぶり〔?〕・・・文化祭、県高校総文等 いかがですか。これは平成11年11月現在の青森県文化課の調査資料によりますので、現在はもっと充実している可能性があります。 上記学校の現在の状況がおわかりになる方がいらっしゃいましたら、お知らせいただければ幸いです。 ところで、八戸のえんぶりで行われる「えんこえんこ」や「えびす舞」などの子どもの郷土芸能は、非常に質が高いことで知られています。 これは、上組町、大久保など、昔の町内単位での保存会(だいたい事務局本陣は消防「屯所」)で、いかに子ども達に楽しく、また達成感があるような引継方をしているか。このような「継承のテクニック」があるといわれています。 その上組町、大久保などの映像は、以下のホームページで見ることができます。えんぶり全般について知りたい方も、こちらを訪問されるとよくわかるかと存じます。 http://www.hachinohe.jp/enburi/ | |
(37)青森県での取り組み その6 | 2003年11月11日(火) |
「メンバーの声」を更新いたしました。 来週は混声合唱団グリーン・コール指揮者、大嶋氏の第3回連載エッセイの予定です。 さて、ここに連載しているデータは、青森県文化課のまとめによる平成11年11月現在のものを基礎資料として使っております。 少し古いのですが、それ以降の一斉調査が青森県内でおこなわれていないため、これが現時点での最新情報です。 ただ岩手県や秋田県を見ると、最近五年間での変化(両県とも取り組みを見せる学校は増加)には著しいものがあります。 そこで、当協会では、掲載の終わった全市町村役場の担当部署、または直接学校に問い合わせ、現在の様子があまりに異なっている場合は訂正したいので、現状を教えてもらえないか、お願いしています。 10月30日の事務局日記に東通村を取り上げましたが、早速、東通村の教育委員会「文化学習課」より、非常に丁寧なご回答をいただきました。 いただいた近況と過去のデータをつき合わせまして、修正すべき箇所は直し、しかるべき場所に今後、掲示していく予定でおります。 が、いつものように皆様との情報共有は早いほうがよいのではと考え、各市町村から近況が届き次第、「事務局日記」に随時速報してまいります。毎日チェックしていただけますと、思わぬレア情報に出会われるかもしれません。私もどんな情報が寄せられるか、毎回楽しみにしております。 それでは「東通村内学校における伝統芸能の取り組み」の補足です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 平成17年度開校に向けた大規模な学校統合が、東通村で現在予定されているそうです。 これに伴い「学校における伝統芸能への取り組み」についても、その方法などが、検討されているところだそうです。 では現在までは、どのような方法で取り組みがおこなわれてきたのでしょうか。 東通村での芸能の伝承活動は、ほとんどが、地区の子ども会と学校との「共同事業」でなされてきたとのことです。そこで、東通村の子ども会育成連合会主催、東通村教育委員会の後援による、郷土芸能発表会(毎年2月開催)を見れば、現在の東通村での伝承活動のおおよその様子がわかるそうです。これについての一番新しい資料をいただきました。 早速見てみることにいたしましょう。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 第25回 東通村子ども会「郷土芸能発表会」 平成15年2月9日 於・東通村体育館 1:二人平獅子・・・小田野沢子ども会〔11〕 2:番楽・・・・・・岩屋子ども会 〔1〕 3:餅つき踊り・・・大利子ども会 〔7〕 4:つきあげ・・・・老部子ども会 〔5〕 5:かご舞・・・・・蒲野沢子ども会 〔1〕 6:追分・・・・・・小田野沢子ども会〔5〕 7:餅つき踊り・・・砂子又子ども会 〔5〕 8:越中小原・・・・石持子ども会 〔6〕 9:三波申吾舞・・・大利子ども会 〔4〕 10:餅つき踊り・・・野牛子ども会 〔5〕 11:平獅子・・・・・老部子ども会 〔3〕 12:南部甚句・・・・白糠子ども会 〔4〕 13:つきあげ・・・・小田野沢子ども会〔8〕 14:三婆・・・・・・岩屋子ども会 〔2〕 15:餅つき踊り・・・蒲野沢子ども会 〔4〕 16:番楽・・・・・・石持子ども会 〔1〕 17:つきあげ・・・・大利子ども会 〔6〕 18:餅つき踊り・・・老部子ども会 〔8〕 19:屋島・・・・・・大利子ども会 〔2〕 20:餅つき踊り・・・小田野沢子ども会〔5〕 21:鞍馬・・・・・・白糠子ども会 〔2〕 以上出演順、 〔 〕は出演人数連合会に参加していない子ども会もあるとのことでした。 「先人たちが築いてきた偉大な財産、伝統の息吹を絶やすことなく伝えたい」 東通村ホームページに書かれているメッセージです。 下記URLをクリックされ、この機会にぜひ一度、東通村のホームページをご訪問されてはいかがでしょう。伝統芸能保存に熱意を見せる村です。 http://www.net.pref.aomori.jp/higashidoori/ | |
(38)青森県での取り組み その7 | 2003年11月12日(水) |
事務局には、毎日一つは何らかの情報をいただきます。本日も素敵な情報をいただきました。早速発信いたします! 現在、事務局日記に「青森県内学校での郷土芸能の取り組み」についてご報告させていただいております。伝統芸能には興味がなかったのですが、こうして取り上げていると、実際に生で子どもたちの熱演に触れてみたいと思うようになりました。同じようなお気持ちを持たれた方も、少なくはないのではないでしょうか。 そういった方に耳寄りな情報です。青森県では年に1回、県内各地の子どもたちを集めての芸能発表会がおこなわれているそうです。ほとんどの方が、こんな素敵な祭典がおこなわれていることすら、知らないのではないでしょうか。もちろん私もそうでした。 いつもこの種の情報は、後手で、気がついたら終わっていた・・・というケースが多いのですが、今週末です。ギリギリ間に合いました。足を運べる方はどうぞ、年に1回の青森の子どもたちの伝統芸能の発表を堪能してください。県内あちこちに足を運ぶのはたいへんですが、素敵な演技者が一箇所に集まるそうです。青森県下の「子どもの郷土芸能」の実態を生で堪能できる数少ない機会。多少遠方でも、年に一回のこと、お出かけになってみるのはいかがでしょう。伝承芸能は絶滅危惧種の指定を受けていると言ってもよいそうです。あと何年かしたら本当に見られなくなってしまうかもしれません。そういった意味でもこれは貴重な催しです。詳細情報も取り寄せてみました。以下のとおりです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「こども郷土芸能フェスタ21」 【日時】11月16日(日)10時30分開演、15時30分終了 【場所】むつ市・下北文化会館 入場無料 【出演】 ■子ども歌舞伎「白浪五人男」(奥内歌舞伎保存会・むつ市) ■東通の神楽「二人平獅子」(小田野沢子供会・東通村) ■風太鼓(蟹中風太鼓・蟹田町) ■出野里獅子踊り(出野里小学校・木造町) ■鹿獅子踊り(上十川小学校・黒石市) ■鶏舞(鶴喰鶏舞保存会・六戸町) ■南部駒踊り(石沢小学校・倉石村) 【特別出演】 ■祭囃子とおしまこ(新盛組・むつ市) ■能舞「鐘巻」(蒲野沢青年会・東通村) 【お問い合わせ】 青森県教育庁 文化財保護課 (総務・文化財グループ)まで TEL 017ー734ー9920 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ さて、連載を続けます。 本日は「三八学区その2」です。三戸町と五戸町を取り上げます。 どんな取り組みをみせているのでしょう。〔 〕内は参加人数です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【三戸町】 〔三戸小学校〕 ◎三戸祭り囃子〔105〕 ・校内での学習発表会、県統計教育研究発表会(平成11年度は2回) 〔目時小学校〕 ◎南部俵づみ唄(手踊)〔20〕 ・校内運動会、学習発表会、三戸町民俗芸能保存会発表会、老人ホームの慰問 〔斗川小学校〕 ◎斗内獅子舞〔63〕 ・校内学習発表会、三戸町民俗芸能保存会発表会、 獅子舞門付け、歳末たすけあい 〔蛇沼小学校〕 ◎大黒舞〔18〕 ・校内文化祭、運動会、老健慰問、門付け、歳末たすけあい 〔三戸中学校〕 ◎南部俵づみ唄(手踊)〔5〕・・校内文化祭 ◎斗内獅子舞〔15〕・・・校内文化祭 ◎大黒舞〔6〕・・・・・校内文化祭 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【五戸町】 〔五戸小学校〕 ◎少年神楽〔19〕 ・五戸祭、学習発表会、五戸町産業と文化祭り芸能発表会 ◎五戸太鼓(和太鼓)〔24〕 ・韓国中学生との交流会、学習発表会、 五戸町産業と文化祭り芸能発表会、交通安全チャリティー大会など 〔蛯川小学校〕 ◎五戸小唄〔69〕・・・学区運動会(年1回) 〔豊間内小学校〕 ◎豊間内駒踊り〔29〕 ・ふるさといも祭り、集金銭教育研究発表会、 青少年体験活動研究大会、平内町東和コミュニティ交流会 〔五戸中学校〕 ◎五戸町山車囃子〔10〕・・・学校文化祭 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 三戸町と五戸町にも、最新情報、近況を問い合わせてみます。 情報が入りましたら、すぐにこちらの事務局日記でご報告いたします。 | |
(39)青森県での取り組み その8 | 2003年11月13日(木) |
木村前青森県知事は「子どもの文化」を政策の中心に掲げていました。青森県だけに限らず、現在では多くの自治体が、子どもにかかわりある施政を重要項目の一つとして取り上げているようです。が、かつては事情がいささか違っていたようです。 例えば、東京芸術大学の作曲科を卒業したような人が、子どものための音楽創作活動に 深くかかわったりすると、「ジャリ(子どもの蔑称)の音楽を書いている」と揶揄されたそうです。作曲家として一段低い評価を、仲間内から受けることも少なくはなかったといいます。したがって、芸大作曲科卒の人が音楽教育にかかわることは、多くなかったようで、音楽教科書の質が現在のように充実していなかったといいます。 現在はその逆で、「子ども」という項目への脚光が大きくなっているため、多くの作曲家が「子どものための音楽」を書く時代となっています。 このような幸福な時代ではなく、かつての逆境の時代、青森県出身の作曲家(1955年芸大作曲科卒)で、文部省検定・音楽教科書(教育芸術社版)の著者として、日本の音楽教育の発展と充実に尽力した方がおられます。川崎祥悦(1932年青森市生まれ)氏です。 川崎氏は劇団「雪の会」の作曲者としても有名ですが、川崎氏の合唱曲「山のいぶき」を学生時代に歌われた方は多いのではないでしょうか。その川崎氏の音楽資料は今、どうなっているのでしょう。 現在、川崎氏ご自宅の押入れの二つの茶箱(湿気を防ぐのには良いとのこと)の中に、未整理の状態でたくさんの音楽資料が眠っています。この茶箱の中の詳細情報は、川崎氏本人しか知りません。 これはたいへんまずい状況です。そこで、どの資料がどんな内容のものなのか、川崎氏の資料の整理、及びその管理に当協会があたることになりました。 ただ、無事、音楽資料の管理がなされたとしても、その音楽資料をつなぐ背景情報が欠如していては物足りないものがあります。 ある楽曲がどのような社会的背景で生まれていったのか。特に、川崎氏の場合は重要です。当時、誰もが躊躇した子どものための学校教科書の作品の数々です。多くは現場の学校の先生からの要請で書かれたようですが、そういった周辺情報は重要です。 後に、日本における「子どもの文化」への芸術家のかかわりを総括するような機会があったとき、音楽分野における川崎氏の果たした役割はたいへん大きいものがあります。 このような人物を輩出した青森県にとっても、川崎氏の業績は重要なものと考えられます。平成12年度、川崎氏は青森県褒章を受賞していますが、このような方の業績をご自宅の茶箱二つの中にぞんざいな扱いで閉じ込めておくのではなく、県民の財産として、もっと大切にしていきたいものです。また、茶箱の中にある資料だけではなく、川崎氏の頭の中にある情報も重要です。先に述べたような、各楽曲をつなぐ当時の状況が、後にたいへんな価値を持ってくることが予想されます。 これは将来、学校音楽教科書の研究をする人にとっての貴重な一次資料となりうるものです。 そういったわけで、川崎氏に当時の状況を書いて下さいとお願いしたのですが、70歳を越えた自分には、長い時間、字を書く作業は目に負担がかかり非常に困難。しゃべることならなんとか・・・というわけで現在、川崎氏の話を録音保存しています。すでに2時間分をデジタル収録。最終的には10時間分ぐらいになるかもしれません。 事務局日記で、そのダイジェスト版をお知らせできるかもしれません。これは川崎氏個人の記録としてだけではなく、氏のかかわった学校音楽教科書発展の歴史が綴られていくことになりそうです。こういった作業も事務局では進めております。連載中の学校教育に関係したテーマとしてここにお知らせいたしました。 さて、連載ですが、書き込み容量が少なくなってきましたので、本日は、田子町のみ取り上げることにします。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「三八学区その3」 〔 〕内は参加人数 【田子町】 〔田子小学校〕 ◎田子神楽〔23〕・・体力つくり研究発表会、学芸発表会など年2回程度 〔上郷小学校〕 ◎ナニャドラ(盆踊り)〔84〕・・・学芸会(年1回) 〔田子中学校〕 ◎田子神楽〔23〕 ・各種行事(芸能大会、慰問など年3〜4回)、文化祭(ステージ発表) 〔上郷中学校〕 ◎ナニャドラ(盆踊り)〔60〕・・校内体育祭、地域のお祭り ◎石亀神楽〔6〕・・・・・・・校内文化祭、地域の行事1回 〔田子高等学校〕 ◎ナニャドラ・サイノ節〔168〕 ・田子町商店街祭り、文化祭パレード(町内)、社会福祉協議会行事手伝い ギルロイ海外研修(ギルロイ市障害者施設の慰問) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 田子町も多彩な内容でした。田子町の近況も現在問い合わせております。 | |
(40)青森県での取り組み その9 | 2003年11月14日(金) |
来週の話になりますが、おもしろい集まりに顔を出してきます。 東京の上野公園に、東京文化財研究所という独立行政法人があります。 当協会の準備時期より、こちらの芸能部・民俗芸能研究室長さんとは情報交換させてもらっておりました。なんでも「第6回民俗芸能研究協議会」が、ここで開催されるとのこと。ご案内をいただきました。 「インターネット上での民俗芸能情報ホームページの運営・・・」 「・・・・民俗芸能調査・記録事業への取り組み」 「文化遺産オンライン構想について」 など 興味深そうな内容が並んでいます。都合で、最後まで参加できないのですが、時間の許す限り、内容に耳を傾け、もし承諾を得ることができましたら、こちらの事務局日記で、どんな内容が話されたか、ご紹介してみたいと存じます。 さて、「三八学区その4」です。 今回取り上げる名川町、南部町、階上町も、多彩な活動を展開されています。 〔 〕内は参加人数です。平成11年度の青森県文化課の調査資料によります。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【名川町】 〔鳥谷小学校〕 ◎南部俵積み流し踊り〔25〕・・・名川秋祭り 〔鳥舌内小学校〕 ◎子ども駒踊り〔38〕 ・名川秋祭り、校内運動会、学芸会、各種式典などに依頼された時 〔名久井農業高校〕 ◎南部あいや節〔3〕 ◎南部荷方節〔?〕 ◎八幡馬・八戸小唄〔15〕 ・農業クラブ県大会レクリエーション発表(年1回) 県産業教育フェアー(年2回) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【南部町】 〔向小学校〕 ◎なにゃどやら〔229〕 ・なにゃどやらグランプリ(ふるさと学習発表会)に全員参加、 農業体験修学旅行生との交流 〔南部中学校〕 ◎駒踊り〔30〕・・・体育祭、農業体験修学旅行の歓迎会、南部祭り 〔南部工業高等学校〕 ◎なんぶ祭大名行列・奴踊り〔73〕・・・南部まつり最終日(年1回) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【階上町】 〔登切小学校〕 ◎平内鶏舞〔21〕・・・・運動会、学芸会、健康まつり(年3回程度) ◎ナニャドラ〔21〕・・・運動会 〔道仏小学校〕 ◎道仏神楽(権現舞・剣舞)・三番〔37〕 ・校内学習発表会、町文化祭、町芸能発表会、老人ホームの訪問 〔階上小学校〕 ◎鳥屋部どうさい・えんぶり〔33〕 ・学校学区民大運動会、八戸えんぶり(隔年参加) その他特別依頼もよくある 〔赤保内小学校〕 ◎赤保内駒踊り〔309〕 ・運動会、新年親子会、特別養護老人ホーム(瑞光苑)夏祭り訪問 〔金山沢小学校〕 ◎龍神こだま太鼓〔19〕・・・学芸会、地域の催しなど年2回程度 〔大蛇小学校〕 ◎たる太鼓・大黒舞と大黒舞唄・八木節〔7〜40〕 ・新入生を迎える会、運動会、町サマーフェスティバル、 特別養護老人ホーム(見心園)訪問、学習発表会 〔石鉢小学校〕 ◎臥牛太鼓〔39〕 ・運動会、学芸会、いちご煮祭り、福祉施設慰問、 市水道フェスタ、国際交流、東北子ども太鼓フェスティバル 〔小舟渡小学校〕 ◎漁労唄・沖揚げ音頭〔86〕 ・学芸会、いちご煮祭り、特別養護老人ホーム訪問、 一年生を迎える会、六年生を送る会 〔階上中学校〕 ◎赤保内駒踊り〔40〕・・・・文化祭(年1回) ◎平内鶏舞〔30〕・・・・・・文化祭(年1回) ◎鳥谷部えんぶり〔30〕・・・文化祭(年1回) 〔道仏中学校〕 ◎道仏神楽(権現舞)〔16〕・・・文化祭(年1回) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (参考) 東京文化財研究所・芸能部のホームページURLは下記。 http://www.tobunken.go.jp/~geino/index.html | |
(41)青森県での取り組み その10 | 2003年11月15日(土) |
年に一度の青森県の子ども伝統芸能の祭典「こども郷土芸能フェスタ21」が、いよいよ明日、11月16日(日)に「むつ市の下北文化会館」で開かれます。 詳細は11月12日の事務局日記にあります。 ところで、昨年は黒石市でこのフェスタが開催されたのですが、あまりお客さんが集まらなかったとの事。 せっかくの素晴らしい祭典なのに「なぜ?」と思ってしまいますが、大きな要因の一つに「充分な周知がおこなわれなかった」という点があげられるのかもしれません。 今年で三回目となる祭典なのですが、多くの県民がその存在すら知らないようだ・・・ということからもわかります。 県関係者が一生懸命、周知活動の努力をおこなっているのですが、その方法が、もしかしたら効果的ではないのかもしれません。 実は、ここが重大なポイントであり、一般の人に、ときとして啓蒙活動もおこないながら、いかに周知を徹底させるか。 これが、文化財としての民俗芸能の保護活動の成否を、大きく左右するところだといわれています。 昨日の日記でご紹介した東京文化財研究所の主催「民俗芸能研究協議会」の今年のテーマは「民俗芸能に関する情報の発信と共有」であり、この点について、様々な角度から話し合われます。 情報メディアの高度化などにより、民俗芸能に対する関心を喚起する場は多様化しており、こういった状況の中で「民俗芸能の意義を広く浸透させるため」の効果的な情報発信共有の在り方が、協議されていくそうです。 各地の保護行政担当者、及び研究者主体の会なのですが、興味を持った一般の参加も大歓迎とのことで私も参加してきます。 担当の民俗芸能研究室長さんより、当日の模様を、当協会の事務局日記で紹介することの承諾をいただきました。 機会を見つけ、11月20日に行われる協議会の内容をご報告していく予定でおります。 伝統芸能に限らず、様々な音楽資料の保存に関する大きなヒントが得られるかもしれません。ご期待ください。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ さて、三八学区も残り少なくなってきました。本日は福地村と南郷村を取り上げます。 〔 〕内は参加人数です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 〔三八学区その5〕 【福地村】 〔杉沢小学校〕 ◎子どもえんぶり〔61〕・・・校内発表会、村芸能祭参加 〔麦沢小学校〕 ◎たらはら〔18〕 ・運動会、神社例大祭奉納、学芸会、世代交流演芸会、施設訪問 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【南郷村】 〔市野沢小学校〕 ◎市野沢小学校えんぶり・大黒舞〔10〕 ・運動会、学習発表会、特別活動県大会 〔中野小学校〕 ◎中野神楽〔8〕 ・学芸会、村内芸能大会、老人ホームへの慰問など年4〜5回 〔島守小学校〕 ◎島守小学校神楽クラブ〔15〕 ・島守春まつり(6月)、ふるさと活き活きまつり(8月)、 村の芸能発表会(2月) ◎荒谷のえんぶり〔10〕 ・ふるさと活き活きまつり、村の芸能発表会、八戸のえんぶり ◎駒踊り〔12〕・・・ふるさと活き活きまつり、村の芸能発表会 ◎虫送り〔6〕・・・ふるさと活き活きまつり ◎えんぶり〔35〕文化祭 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「こども郷土芸能フェスタ21」の過去の資料はいただいております。 最新資料も、県文化財保護課からいただけるとのこと。 過去の資料とあわせて今年度の状況などもご報告したいと思っております。郷土芸能関係の青森県の音楽基礎資料として、ご覧の皆様方と情報共有していきたいと考えております。 | |
(42)青森県での取り組み その11 | 2003年11月16日(日) |
仙台在住の作曲家、本間雅夫氏(深浦町出身)の音楽資料の第一期提出分の保存管理を終了しました。 古文書が保管されている県公共施設の一角に当協会の管理用スペースを確保しており、そこに保存が急務の音楽資料を入れ、将来の青森県の音楽文化遺産に供する準備を整えております。 保存管理が急務な貴重な音楽資料については、散逸亡失を防ぐべく、このように次々と手を打っておりますが、目に見える物品だけではなく、青森県の音楽に関する歴史も同時に管理したいものだと考えております。 青森県の音楽に係わる教育史・演奏会史・創作活動史についての、まとまった著書はまだないそうです。青森の音楽史に関する論文も書かれているそうですが、研究者の主たる関心は明治期であり、大正・昭和から現代に関する情報があまり出て来ないのが現状だそうです。特に創作活動史に至っては皆無、惨憺たる状況だそうです。 こういった歴史資料の多くは断片的な形であちこちに散っています。先般、青森オペラ研究会の歩みを連載(11月1日より)しましたが、これにしても、北彰介氏がお亡くなりになったことを受け、うかうかしていると、オペ研の歴史を記した貴重な生資料が破棄されてしまう可能性がありました。 当協会の存在意義が身近なところから問いかけられた瞬間であり、全力を傾け、集められる情報を手に入れ、断片的なそれらの資料を、ジグソーパズルのように再構成し、青森オペラ研究会の歴史を連載で綴っていくことが出来ました。 こういった作業を通して実感したのは、断片的な資料をつないで行く際に重要なのが、その歴史にかかわった人たちの証言。 ところが、その貴重な証言のほとんどが活字になっておらず、関係者の頭の中に入っているだけの状態のようです。オペ研の場合は萩野昭三氏から詳しく話を聞くことができましたので、なんとか資料をつないでいくことができました。その萩野氏も70代。萩野氏に限らず、活字になっていない青森県の音楽史の証言は、こういった年代の方々の頭の中に入っています。 事務局としてはなんとか活字にしてもらえないか、お願いしているところなのですが、11月13日の日記で書いた川崎祥悦氏のように、肉体的に、なかなかそれが困難な年代になってきているとのこと。 そこで事務局では文章を書くことは困難でも話すだけならなんとかという意見を受け、録音作業も開始するところとなりました。 音質劣化の心配の少ないデジタル録音をしていますので、その録音から文書にするのは後でゆっくり行うこともできます。しかし、録音は急いでやらないと、貴重な青森の音楽史についての多くの情報が消えてしまうようです。 そのお年寄りしか知らない民謡を録音すべく出かけようと思っていたら、約束していた録音前日にお亡くなりになった。これで、その民謡は永遠に闇の中に消えた・・・。 実話です。 活字になっていない青森県の音楽史をなんとか残せないかと、当協会では現在、形になった音楽資料の保管と同時に、その作業も進行させています。明治以降の青森県の音楽史に大きな空白ができることだけは、なんとか避けたいところです。 さて、連載の方は、三八学区最終回です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 〔三八学区その6〕 【倉石村】 〔石沢小学校〕 ◎石沢少年駒踊り〔35〕 ・村さくら祭、老人ホームへの慰問など(合計年8回程度) 〔中市小学校〕 ◎中市獅子舞〔43〕・・・運動会、学芸会(学校行事) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【新郷村】 〔戸来小学校〕 ◎金ヶ沢鶏舞〔88〕・・・運動会(年1回) 〔小坂小学校〕 ◎ナニャドラ〔30〕・・・祖父母交流会(PTA行事)年2回 〔川代小学校〕 ◎大黒舞〔22〕 ・校内学芸発表会、村ふるさとまつり、施設慰問(合計年4〜5回) 〔野沢小学校〕 ◎さんさ踊り〔24〕・・・5地区訪問発表会(年1回) ◎七ツ道具〔17〕・・・・5地区訪問発表会(年1回) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【階上町 南郷 田代 小・中学校組合】 〔田代小学校〕 ◎えんぶり〔24〕 ・運動会、文化祭、おじいさん・おばあさんとの集い、 八戸一斉摺りの参加(合計年4回) 〔田代中学校〕 ◎駒踊り〔41〕・・・運動会、文化祭、虚空蔵まつり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 明日から気になる中弘南黒学区、 弘前市・黒石市・岩木町・相馬村・西目屋村・藤崎町・浪岡町・ 平賀町・田舎館村・碇ヶ関村を取り上げていきます。これまで見てきた地域とはまったく異なる演目が多数登場していきます。どうぞお楽しみに | |
(43)青森県での取り組み その12 | 2003年11月17日(月) |
こんな情報を頂きました。 学校での総合学習的なもので、五所川原の松島小学校では「獅子舞」をクラブ活動として取り組んでいるそうです。先生は指導するのではなく、あくまでも児童の集合・解散を指示する顧問の位置づけ。指導は獅子舞保存会の方がいらして2時間程度やっています。 五所川原市については後日ご報告いたしますが、手元にある五所川原市についてのデータを確認したところ、なぜか松島小学校の名前がありません。 実は事務局で参照しているのは、青森県文化課のまとめた平成11年11月現在の資料データであり、少々古いのです。が、これ以降の調査は青森県内でおこなわれていないため、これが最新情報となっております。 すでに、10月17日に「岩手県の取り組み」を、10月22日より、連載で「秋田県の取り組み」について、学校での郷土芸能の取り組みをご紹介しておりますが、岩手県や秋田県の例では、最近五年間で、郷土芸能への取り組みを見せる学校が増加しています。未見の方は一番下の「次のページ」から関連記事をご参照下さい。 岩手県・秋田県の掲載でも触れましたが、学校側が門戸を開き、地域の人たちが学校に入って郷土芸能の指導にあたる事例が増えてきているようです。 冒頭の例で述べたように、青森県でも、そういった傾向が見えはじめているのでしょうか。青森県の取り組みの実態、その後の追跡調査が望まれます。 昨日の日記で触れましたが、青森県の音楽史は空白の部分が多いといいます。 音楽教育史もその一つです。郷土芸能という点からとらえた、音楽教育史のデータを当協会が窓口になることで、少しでも補完していければと願っております。 当協会では、これまで掲載の終わった市町村役場の担当部署や学校に尋ね、現在の様子があまりに異なっている場合は訂正したいので、現状を教えてもらえないかをお願いしてあります。 最新情報が入りましたら随時、古いデータを補足・修正し、県内の現在の実態が把握できるよう整えていきたいと考えております。 さて連載は、中弘南黒学区に入ります。本日は弘前市の特集です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 〔中弘南黒学区 その1〕 【弘前市】 〔 〕内は参加人数 〔裾野中学校〕 ◎裾野音頭〔105〕・・・校内文化祭(年1回) 〔致遠小学校〕 ◎ねぷた集会〔757〕 ・全校授業参観日に実施(1回)、活動(ねぷた運行) 〔小沢小学校〕 ◎どだればち(盆踊り)〔134〕 ・11年度は3・4年生で体育集会等で習熟し、 次年度以降、他学年から全校に広げていく予定 〔豊田小学校〕 ◎ドダレバチ(踊り)〔470〕・・・運動会(年1回) 〔時敏小学校〕 ◎ねぷた笛作り〔93〕 ◎ねぷた囃子 〔20〕・・・学習発表会のアトラクション(年1回) 〔松原小学校〕 ◎ねぷた囃子の横笛指導〔70〕・学習発表会で発表、8月のねぷたまつりに参加 ◎太鼓指導〔70〕・・・学習発表会で発表、8月のねぷたまつりに参加 〔自得小学校〕 ◎ねぷた囃子〔56〕 ・弘前ねぷたまつりの合同運行(まつり期間中3回程度) 〔文京小学校〕 ◎ねぷた囃子〔273〕 ・温済園の方々を迎えての「敬老の集い」のため、2時間 〔第二中学校〕 ◎二中太鼓〔7〕 ・校内の文化祭、吹奏楽部定期演奏会、青森県子ども夢未来フォーラム、 弘前西地区交流フェスティバル、津軽子どもの祭典 ◎津軽三味線〔12〕 ・校内の文化祭、青森県子ども夢未来フォーラム、 世代間交流活動、カルチャーロード、津軽子どもの祭典 〔堀越小学校〕 ◎ねぷた囃子〔6〕・・・学習発表会(年1回) 〔船沢小学校〕 ◎船沢小唄〔203〕・・・春季運動会(年1回) 〔北小学校〕 ◎ねぷた囃子〔140〕 ・ねぷた集会(7月下旬・全校生)で 6年生がねぷた囃子担当として練り歩く。PTAが参観。審査。 ◎ねぷた絵〔140〕 ・指導を受けた6年生をリーダーに全校でねぷた絵を仕上げ、 ねぷた集会で披露。 〔弥生小学校〕 ◎ねぷた運行〔28〕 ・8月4日 16:30〜19:30 児童・生徒による学区内運行 〔第三大成小学校〕 ◎獅子舞〔7〕・・・・敬老会アトラクション、学習発表会 〔弘前高等学校〕 ◎ねぷた〔956〕 ・弘高祭初日の夜に各クラス一台(計24台)で市内運行(年1回) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ これまでの連載とは、がらり内容がかわりました。 青森県の多彩な郷土芸能、その幅の広さを感じるところです。 |