(847)小倉尚継 論述集 その18 |
2010年11月 6日(土) |
心に響く演奏会を
〜発表会を楽しく演出しよう〜(平成8年6月)
◆その2・思い通りの演奏◆
前述(前回)の文は、平成8年3月19日、青森市文化会館で実施された「小倉尚継合唱作品フェスティバル」の終曲部分を描写したものです。
自分のことを書くのははなはだ面映ゆいことですが、今回のテーマが「演奏会の演出」ということなので、いくらかでもご参考になれば幸いと思い、まず演奏会の最後の部分をご紹介いたしました。
私は平成8年3月末で青森高校を定年退職いたしました。その半年前から周りの合唱関係者から、私の思い通りの演奏会を持たせてやりたいという声があがり、実行委員会をつくり、前記フェスティバルを企画することになったものです。
自分の作品だけを並べ、関係合唱団を指揮し、演出も任せてもらうというのですから、これ以上のことはありません。
内容については、曲数やステージ数が多く、2時間半を越えるかもしれないので、まず、お客さんを飽きさせないことに重点を置く。
次に合唱団の皆さんが誇りを持って力いっぱい演奏し、この企画に加わってよかったという充実感のある演奏会にしたい、これが基本的な考えです。
それでは、ステージ順にご紹介しましょう。
(つづく)
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(848)小倉尚継 論述集 その19 |
2010年11月13日(土) |
心に響く演奏会を
〜発表会を楽しく演出しよう〜(平成8年6月)
◆その3・第1ステージ◆
青森高校音楽部30人による「津軽の糸」25分
北彰介 作詞 ・ 小倉尚継 作曲
盲目の津軽三味線奏者・高橋竹山さんの子供時代から、青年になり、演奏家としての気構えを確立していく過程を歌った人間味あふれる曲。
合唱団・三味線奏者・語る人、この三者で曲を歌い進めていく。
お客さんにとっては、合唱の演奏会で津軽三味線も聴けるという、楽しみの多い曲である。
合唱団としては、体を動かすことはないが、お客さんの目が三方に移動することで、常に新鮮な気分でいられるはず。
〔演出〕
舞台前方中央に指揮者、山台に合唱団、その前にピアノ、上手前方に三味線奏者、マイク弱めに使用。
下手前方に語る人、マイク使用。
合唱時は舞台明るく、三味線演奏と語る時にはスポットをあて、合唱団は暗くなる。
演奏終了時には作詞者を客席でご紹介する。
(つづく)
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(849)小倉尚継 論述集 その20 |
2010年11月20日(土) |
心に響く演奏会を
〜発表会を楽しく演出しよう〜(平成8年6月)
◆その4・第2ステージ◆
ドクターズ・レディースコーラス20人による「3つの小品」 12分
(1)四季の中の弘前
(2)SKI青春めぐり逢い
以上 小倉尚継 作詞・作曲
(3)たんぽぽのワルツ
成田久男 作詞 ・ 小倉尚継 作曲
青森市のお医者さんの女性家族による合唱団で、地方色に富んだ3曲を歌ってもらう。
(1)は、古都弘前市の情緒に失恋を重ねた甘い曲。
(2)は、雪の多い青森市を紹介し、スキーを讃えた生き生きとした曲。もともとは大鰐国体のための作。
(3)は、たんぽぽの花に希望を託した優しい曲。
〔演出〕
前のステージとの関連で、ここでは整然と並んで歌うだけ。
ホリゾントには軽く色づけ。歌い終わって作詞者・成田さんを客席でご紹介する。
(つづく)
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(850)小倉尚継 論述集 その21 |
2010年11月27日(土) |
心に響く演奏会を
〜発表会を楽しく演出しよう〜(平成8年6月)
◆その5・第3ステージ◆
青森コール・マミ50人による「楽しい昔話その1」 16分
(1)しがまの嫁こ
北 彰介 作詞 ・ 小倉尚継 作曲
(2)地獄から帰って来た男達の話
北 彰介 作絵本より 小倉尚継 作詞・作曲
母親が子供に昔話を語って聴かせるということを、青森市内の代表的おかあさんコーラスに歌ってもらう。
(1)は、つららの精が娘になって現れ、風呂に入って消えていくという、雪国ならではの切ない話。
(2)は、笑いに満ちた喜劇。津軽の悪人亡者どもが地獄へ行っても大暴れし、えんま様からこの世へ帰されるという長い話。お母さんたちの熱演が光る。
〔演出〕
(1)ホリゾントに幻想的な青、雪降り。セリフの2人はワイヤレスマイク。
(2)舞台明るく。セリフは7人、3本のマイクをまわして使う。
お客さんの笑いあり、団員もリラックスしてとてもやりやすい。
(つづく)
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