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夕日が沈む美しい海岸
その陰には恐怖があるかも
2013年 8月18日(日)No.98号
『 運 命 を 感 じ た 時 』
2013年8月18日(日)今年の夏は暑く、今日も快晴である。四ツ谷遊泳塾仲間の母校である、都立新宿高校・館山寮で海合宿が行なわれ参加して来ました。午前9時頃浜辺に集まり気合を入れてから、館山寮から沖ノ島まで往復3.5kmの泳ぎが始まった。沖ノ島とは言うものの陸がつながっており、沿岸と並行に泳ぐ形になります。泳ぎ始めて右側の方へ進むので、右手に陸地が見える、スタートしてすぐは海草類が足のそばにあったが、それを乗り超えると急に深さが増す感じで、底が見えなくなった。
昨夜遅くまで騒いだせいだろうか、もしかしたら熱中症になっていたか分らないが、急に手足が思う様に動かなくなった。しばらく泳いではひっくり返り上を向き大の字になり、真青の空に薄い筋雲が浮いているのを見ながら休んでは又泳ぎ始めた。このまま泳ぎながら沈むのではないかと思い始め、70年間の人生が走馬灯のように駆け巡り、嫌な絶望感と恐怖に襲われ、だんだんと迫り来る緊張感。まだやらなければならない事が、いっぱいあるのに、どうすれば助かるのだろうかと思い始めた。最近水の事故が新聞で取り沙汰されているが、その人達はこの様な感じだったのかと思いながら、もしかすると自分も仲間入りするかもしれないと一瞬考えた。何回目か大の字で休んでいたら、頭にぶつかる物があった、見るとブイが浮いている、その瞬間に「幸運の、助けブイ」だと思った。

向日葵・蘆花公園にて
早速そのブイにしがみ付き、辺りを見渡した。目的地は遠くに見えるが泳ぐ自信がない。右側には陸地があり、こちらの方が近そうに思えた、良く見ると陸地までには途中2個のブイが浮いているではないか、ブイとブイの間なら泳げると思い休憩を取ってから次のブイまで泳ぎ始めた。何とか次のブイまで泳げ、そこでも少し休み、その次は丸いブイが浮いている。そこにはカモメが休んでいたが、近付くとカモメは何処かに飛んでいったが、何とか泳ぎ着いた。丸いボールには十文字にロープが掛けられていたので、つかまる事が出来た。この先にはブイがないので、陸まで泳ぐしかない。途中小形漁船が通過したが気付くのが遅く陸の方へ行ってしまった。
十分に休んでから泳ぎ始めた、しばらくすると底の砂が見えて来た、もしかしたら立てるかもしれないと思い、足を着いたら水面が胸の辺りであり、助かったと思った。小さな漁港に辿り着いた、そこは階段になっており、誰もいない。そこで暫く休み、早く皆さんに連絡を取りたかったが、身体が思う様に動かない。携帯もお金も無いのと、素足なので大きな道路では足が痛いので、海岸を歩いて、やっとの思いでスタート地点に戻った。
そこでは、我々を取りまとめているキャップが皆を待っていた。どうしたの?と聞かれたので、事情を話したら、皆さんに連絡を取ってくれ、事後処理をしてくれた。
プールで泳ぐのとは異なり海の場合、途中棄権は簡単に出来ない、事故にでもなると今後開催が危ぶまれる可能性もあり、多くの方に迷惑がかかる。今回参加した人達は、折り返し地点に一人が到着しないとの事で、皆さんで探してくれました、心配をかけ大変申し訳なく思っております。結果として今回は運良く帰ってこられたが、反省として、自分の体力・その時の調子・他の方の意見を鑑み、余裕を持って参加すべきであると思った。
今回の経験は、自分の運命を感じた出来事であった。もしそこにブイが無かったらと考えると、今が無かったかもしれない。これは天国から投げられたブイかもしれない、まだ次のステージに行くのは早く、この地球上でやらなければならない事があるのだと、教えてくれた出来事のように思えた。この与えられた残りの人生を有効に利用していきたいと考えたい。
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