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N6 積木式万年カレンダー  (2002. 12. 7)

 すいませーん! m(_ _)m カレンダー全体
 最初から謝っちゃいますが、これってもう十年以上も前の作品です。多少の色やけはご勘弁を。修理にも耐え、未だ現役で働いております。
 飽きのこない非常にシンプルな作品と言うことでしょうか。

 他の作品と比べて、その加工精密度は群を抜いています。(最近のモノの加工精度が、がくっと落ちてるだけじゃぁー...)
 今、同じものを作れと言われても、最初に度付き保護眼鏡の購入に始まり、レタリング作業に伴い発生するであろう肩こりに対処するため、ア○メルツヨコヨコ48mL品を購入し、その後でないと、実作業に取りかかれないのが、うら寂しい限りです。と言うか、もう駒に一個一個数字を描く気力がないなー(泣)
カレンダー組み換え中

 ホルダーの構造構造は下手な文章で説明するよりは、マンガの方がよっぽど判りやすいので、描いてみました。絵にあるように、4枚のベニヤを張り合わせたホルダー部と月数、日数を書き込んだ駒から構成されています。月表示駒は上から入れ込み、一方、日数駒は縦に5枚つないだものを7組、障子を入れる要領で浅い溝に入れ込みます。

 ホルダー部の加工は、それほどたいした手間ではありませんが、驚愕すべきは数字を書き込んだ駒です。駒同士の上下間の接続はダボを使っており、横はつないでいません。従って、精密に加工しないとぐらぐらしてしまい、へたをすると壁にはかけられない、一生寝たきりの床置き専用カレンダーになってしまいます。

 ところで、作成しなければならない駒ですが、月数用の駒は裏表に書き込めますから合計6枚作ればいいことは、一目瞭然です。問題は、日数を書き込んだ駒です。一枚ずつ作れば表に黒字、裏に赤字を書き込み1〜31までと、重複日の「23/30」「24/31」を作るだけで問題はありません。しかし、例えば7,14,21,28の駒は、必ず上下につながったままで絶対離れることはありませんから、最初から切り離す必要はなく、その分、接続部の面倒な加工も省けるわけです。
 そこで問題です。加工の手間を最小にするためには、駒の構成をどのようにしたらいいのでしょうか?
 当時、未だ頭の柔軟だった私が、微分方程式と集合理論、そして足し算引き算を駆使して計算した結果、以下の答えを導き出しました。
   上下につながった連駒が計7枚(日数にして26日分);
     [1,8,15,22]、[2,9,16]、[3,10,17]、[4,11,18,25]、[5,12,19,26]、
     [6,13,20,27]、[7,14,21,28] (全て表は黒字、裏は赤字)
   単日駒が計7枚;
     [23][24][29][24/31](以上表が黒字、裏が赤字)
     [表は黒字で30,裏は赤字で23/30]
     [31](黒字のみで赤字は不要)
   空駒(何も書きもまない駒)が7枚
...以上、大小の駒を合わせて合計20枚の駒(39日分相当)を作れば良いと言うのが私の答えです。高等数学理論を駆使して導かれた答えです。間違いはないはずです。

 これらの駒の上日駒のダボによる接続下端の中心には接続用のダボ穴を開け、数字を描き込みます。(これがたいへん。但し、今ならパソコンで適当なフォントでプリントアウトして、それを駒に写すことができますから、当時と比べると、だいぶ楽ですけど...)
月数駒は上につまみとしてのダボを固定しましょう。

 使用しない駒はホルダー内に収容できるようにしておきます。月駒用には5駒分、日駒用には6日分の収容用窪みを作りました。日駒の必要枚数は、先に計算したように39日分ですから、毎回表に出る分の35枚を引くと収容枚数は4枚で良いのですが、ここはそつなく予備日駒を2枚入れたので6枚になっています。

 ところで、へたに数学が得意だったせいで、手を抜いて連駒にしてしまった結果、ウイークデーの祝祭日を一枚だけひっくり返して赤字表示にすることができなくなってしまいました。これは、赤いピンを用意しておいて、祭日駒に刺すことで対応しました。これはこれでアクセントになって、まぁまぁかなー? 
 ついでに緑のピンも用意しました。カレンダーホルダー内部の空いたスペースには祝祭日以外に、家族の誕生日、記念日などをメモしておき、月初めに駒を再構成する際に、この緑のピンでマークしておくと、大事な記念日も忘れることもありません。
 これで、家庭円満、夫唱婦随、交通安全、無事故無災害、七転八起...

 恥を忍びつつPS:
 加工の手間を最小にするための、日駒の構成について、「...高等数学理論を駆使して導かれた答えです。間違いはないはずです。」と、豪語してしまいましたが、枯れた頭でもう一度見直してみたら、これは最適解ではないことが判明しました。もし、同じようなものを作ってみようと思う奇特な人がいましたら、もうちょっとだけ手間が省けますので、考えてみてください。




●制作メモ
 
 日駒は6cm角ですが、他の寸法は説明画をクリックすると表示されます。
 ベニヤは木目のきれいなシナ合板を使いました。
 ホルダーの加工にはジグソーが必須です。また、駒の穴あけには電動ドリルが必須ですが、さらにドリルスタンドがあれば正確な加工ができます。ドリルは、先端に誘導ネジが切ってないダボ用を使うと、深さを調整できて間違いがありません。


●概略予算

 1000円位でベニヤは全て賄えます。


  
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