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N72 キュボロミニ  (2025.5.5)  

 玩具シリーズ第7段

 ”キュボロ(CUBORO)”とは、一辺5cmの積み木を組み合わせてビー玉の道を作るおもちゃです。
 スイスの玩具メーカーが販売していますが、将棋の藤井聡太さんが熱中していたことから人気に火が付きました。

      

 「へー、あの藤井君が遊んだおもちゃか? うちの子もこれで遊んだら、将棋の名人になるかも?」
 考えるまでもなくこんなことはありえませんが、世の中には少しは藤井君に近づけるだろうと考える親バカがごろごろいるわけです。
 ・・・・とその中のひとり(爺バカですが)、キュボロを自作してみました。


 自作に当たり、手持ちの材料をあたっても5p角の立方体(サイコロ)が取れる材がなく、ネットで探したら結構高価です。
 そこで手持ちの4p厚みの無垢の集成材棚板を使うことにしました。 ビー玉の直径は12mmと17mmなのでギリギリ何とかなりそうです。
    
タイトルに”ミニ”が入っているのは、そういうわけなのです!


 丸溝と貫通孔の直径は18o、丸溝の切削深さは9oとしました。
 使用した工具はボール盤+18o径フォスナービット、トリマーテーブル+18o径丸溝ビットです。

              


 作成手順です。

1.厚さ40mm、幅250oの集成材棚板から40mm角の角棒を切りだし。
 この棚板には裏面に深さ6o、幅13oの溝が2本平行に走っています。 上記右側イラストのタイプ2,3,4,9,10,11,12及びMKには中央に辺と平行な丸溝がありますのでので、既存の溝を生かすべく、この溝は中央になるようにカット。 結果的に歩留まりは5/6になりました。
 
              

2.平行な丸溝をトリマービットで切削した後、サイコロにカット。 

3.タイプ3,4,11,12、及びMKに追加の丸溝をトリマービットで切削(3は裏面に、他は直交溝)

4.タイプ5,6,7,8の円形丸溝加工。 4個をクランプでまとめ、J34-6の方法で円形溝を切削。

    

5.タイプ2、3,4,5,6,の貫通孔加工
  真直ぐに中央を貫通する穴をボール盤で開ける

             

6.タイプ7,8,9,10、11,12のサイコロ内部で折れ曲がった貫通孔の加工
  
       

 入口と出口の位置を決め作図から傾斜角度を算出(上図の青線)。
 実際の加工角度はそれより若干小さい角度(上図の赤線、今回の場合11度)で、初めに下流側の穴を所定の深さより若干長めに開け、次いで上流側の穴を開けることで、内部でビー玉が止まらないように工夫。
 
7.MKとビー玉ホルダー
 MKは通常品と3連を作成。穴は径30oのフォスナービット使用。
 ビー玉ホルダーはこちらの商品を参考に3連サイズの物を作成。 二つ割サイズの直方体を用意して内部の細工をした後に接着して仕上げ。 円形栓の底と対応するホルダー内部にネオジウム磁石を埋め込みピタッと止まるように工夫。

       

8.面取りと塗装
 サンドペーパーで面取りして塗装。 最終仕上げは艶なしウレタン塗装ですがその前に一部は木工塗料で以下の通り着色。
   MKはスプルース、
   タイプ1はマホガニー、
   タイプ1の連結タイプとビー玉ホルダーはウォールナット、
   その他は無着色。

9.収納ケースの作成
 立方体換算で60個容のケース作成(5×6×2段)
     
              

 最終的に出来上がった数量はサイコロ換算で59個で内訳は、
   タイプ1=26ケ(単=12、2連=4、3連=2)
   タイプ2〜12=26ケ(タイプ11のみ5ケで他はイラストに記載の数量)
   タイプMK=4ケ(単=1、3連=1)
   ビー玉ホルダー=3(3連=1)
 
         


 作成のポイントは、1も2もなく加工精度につきます。
 実際にサイコロを組み合わせてビー玉を転がした結果では、ビー玉が途中で止まることがあり、その原因は、@同じ高さの道が長すぎる、A隣接するサイコロがわずかにずれている等で、これらを注意すればかなり長い道も可能で、さらにビー玉のサイズは17より12oの方がトラブルが少ないようです。
 後で判ったのですが、直径11oのパチンコ玉も試したところ、重さがあるので”転がり度”は抜群でした!


 孫のAちゃんにお披露目した感じでは、踏切カンカンと同様たいへん興味を持ったようで、「ピタゴラスイッチ」と叫んで遊んでくれました。
 次は将棋だーー(笑)????


 
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