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S11 さすらいの日時計  (2003. 4. 20)

 のんびりゆっくりを標榜している「あとりえ えむとえむ」。
日時計ただいま2時
 外での工作はお天気まかせで、時間を気にせずマイペースでのんびりやっているわけですが、どうも文明病にかなり冒されているようで、時々ふっと時間が気になることがあります。

 普段から腕時計は外しており、もちろん日曜大工の時もしていません。(持っていない訳ではないのです。念のため。)
 ...で、工作が佳境なのに、鋸屑で埃まみれのジーンズを気にしながら、居間の時計をそーっと覗いたりするわけです。

 時間と言っても、分単位の精度はもちろん必要なく、「何時かなー?」程度の大雑把さで充分なのですが、こんな向きには、「日時計が、ぴったりだなー」と、ある時ふと思い付きました。
 ウッドデッキの隅に日時計があるのを想像してみると、外観的に、雰囲気的に、機能的に、気分的に最高です。....うーむ、これは我ながら良いアイデアじゃないか....

 もう頭の中は日時計です。

 日時計は設置場所(経緯度)によって、影を作る三角形の形状、そして時刻目盛角度が違うだろう位は想像できますが、その計算法となるとさっぱり分かりません。 
 早速、インターネットで日時計の作り方を検索してみました。計算法について、いろいろなサイトで丁寧に説明されているのを見つけましたが、結構面倒そうです。しかし、そんな中で、場所を入力すると正確な日時計図面を出力してくれるフリーソフトがありました。これはすごい!
 
 この図面があれば工作はトントン拍子で、...と思っていたら、まだ問題がありました。
 既に書いたように、最初はウッドデッキの隅にでも設置するつもりだったのですが、なっ、なんと、一日中、陽が当たっている場所が家の庭には無い!
 陽の差さない日時計、これは致命的です。 
(あーぁっ、あの時、お金をケチらずに、もっと大きな庭がある屋敷にしておくんだった。  \(-_-。;; 何処にケチるお金なんか...


 こーなったら、場所を移動できる日時計にするしかありません。...と、簡単に書きましたが、移動式を思いつくまで、実は2,3ヶ月ありました。硬くなってしまった頭のなかでは、日時計はあくまでもしっかり地面に固定されていたのです。

 さて、今度こそ、本当にトントン拍子です。日時計組立て前
 文字盤には植木鉢の下敷に使っていた輪切りの丸太を使うことにします。良く洗って乾燥させ、ノーモン(影を作るために三角形の板)用の溝、そして移動式には絶対必要なコンパスを組み込むため円柱の窪みを作りました。
 ところで、日時計は季節によって均時差と呼ぶ誤差があり、これを補正しなければなりません。この均時差をレーダーチャートにした板もコンパスと同様に文字盤に組み込むことにしました。

 できあがって早速使ってみました。この日時計、結構正確です。
 陽の当たるところに移動しては、時々、居間を覗いて日時計時刻が正確かどうか確認している始末です。
 ....うーむ、居間を覗かなくても済むようにと、日時計を作ったのに、以前より居間を覗く回数が随分増えちゃった.....


 日時計ソフトに関するPS;

 今回大変お世話になったソフトは、SeaGateさんの「Sundial Maker」というフリーソフトです。自分の住んでいる場所の経緯度を調べる必要もなく、全国の都市名リストから選択するだけで済み、そのうえ日時計をデスクトップ上にも表示できる優れものです。ノーモンという言葉や、均時差については、このソフトで初めて知りました。
 どうもありがとうございました。 m(_ _)m
 尚、ソフトの詳細はこちらからご覧になれます。




●制作メモ
 
 丸太は見たとおり乾燥して放射状の割れが入ってしまいます。割れ防止日時計の精度は、言うまでもなく時刻目盛りの角度が命です。
 最初に良く乾燥して、デザインも考えて敢えて割れも発生させましたが、後は、これ以上の変形を防ぐために、横から長いコーススレッドをねじ込んでおきました。
 土台は杉丸太で、表面はサンドペーパー掛けはせず、木目の凸凹をそのまま残しています。
 ノーモンには3mm厚のアガチス材を使い、また時刻の数字は、修正ペン極細で書きました。
 

●概略予算
 
 コンパス=100円(100円ショップで)



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