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S6 屋根、物干し掛け、照明、ステレオ放送設備付きウッドデッキ (2002. 2. 9)

全景1全景2
 
 2階ベランダからの雨水の雫が発端でした。
 ベランダに、乾かずに貯まっている雨水が、時々風のせいで下にポタポタ落ちて、洗濯物にかかったり、頭に落ちて「うっ、鳥の糞かっ」と、びっくりさせたり、庭先に穴を穿たりと、まぁ、たいした問題じゃありませんが、「何とかしてーー」と、うちのかみさんから小さな圧力がかかっていました。

 ベランダの床がすのこ状であることが原因なのですが、この際、ベランダの下に張り出す屋根を懸けることにしました。
 そうなんです。タイトルはウッドデッキとなっているのですが、実は、屋根が最初だったのです。屋根を作っている途中でウッドデッキもあった方がいいなーとなったわけで、そういう意味では、「ウッドデッキ付き屋根」と言った方が正解でしょうか?


 DIY店でもアルミ製のフレームにポリカーボの屋根を張った、曲線の優雅な商品が出回ってます。   ...が、もちろん手作りで挑戦です。

 このエクステリアコーナーでは、ウッドデッキはごらんの通り6番目の作品としてエントリーされていますが、エントリー番号は、作成順には一切関係がなくて、極秘(ホワット?)なのですが、ウッドデッキはほとんど初期の頃の作品になります。
 最初から、無謀にもかなりの大物に挑戦したわけで、やっぱり素質があったのかなー?
 v(^0^) \(-_-。;;こらこら


 それでは、早速制作にかかりましょう。(説明の助けにすべく、部材名を下に示しておきます)

 これはさすがに多少図面を引かないと、うまくいきそうもありません。特に屋根の部分が傾斜しているわけですから、切り欠き部の角度、柱の高さ等はしっかり計算しておかないと、全体がガタガタになってしまいます。
 「ありゃりゃー、屋根が台風で吹っ飛んじゃたー、えへへ」では、家長としての権威は地に落ち、また、これからの人生、重い十字架を背負って生きてゆかなければなりません。
 心してかかりましょう!


 初めは、地面です。これが結構大変で地道な作業ですが、おろそかにすると、束石重い十字架が待ちかまえていますので丁寧に行いましょう。

 4本の柱が置かれる場所を20cm四方、深さ5cm程度に掘り返し、そこに砕石、更に砂を敷いて各々良く突き固めます。そこにコンクリート製束石(写真の奥)を置いて、4ヶ所の直角と水平をしっかり確認します。

 私は、直角はピタゴラスの定理で(直角三角形のa2+b2=c2って、例のやつ。辺の長さが3:4:5で、直角ができます。...うーむ、当ホームページもだいぶアカデミックになってきたなーー)、また水平は透明ビニールホースに水を入れた安直水平器で、1mmの狂いもなく完璧に仕上げました。(...と、本人は思っているらしい)


垂木の壁への固定物干し掛け

 次ぎに角材を使って、柱と母屋(もや)をΠの字形(コの字を左に90度回転した形)にし、角を筋違いで補強したものを、前方、及び後方の2組分、地面の上で組みあげました。
 予め、垂木に母屋(もや)に組み込むための角形の切り欠きを奥と手前の2カ所いれて、同様に、先端に雨樋を載せるための半円形の切り欠きを加工します。セーノのかけ声(ここポイント)と共にΠの字フレームを立ち上げて束石に差し込みます。

 立ち上がった前後のフレームを手で支えておいて、取り敢えず両端の垂木を組み込みます。垂木は、家の外壁に密着させて、一部は金折れ金具で壁にしっかり接続しました(写真左上。最終的に両端を含め合計4本の垂木を壁に固定しました。)。
 また、両端の垂木には、物干し掛け(写真右上)を取り付けました。
   

 基礎フレームが出来上がりました。
ここからは、一作業毎に完成品に一歩一歩近づくのが目に見えて、楽しくてしょうがありません。耳にはちびた鉛筆を挟み、タオルなんかを腰にぶら下げて、都はるみのあんこ椿を鼻歌に作業を進めましょう。(あぁー、また年代がばればれだー)

 垂木を中側にも全て渡し、更にその上に波板を止めるための桟を渡します。さぁー、ここまできたら一気に波板まで取り付けてしまいましょう。屋根に載せる波板には塩ビ製とポリカーボネート製があり、後者の方が耐久性も良い分、コストもかかりますが、後々のことを考えてポリカーボネート製にしました。

雨樋1 雨樋2
 
 次ぎに雨樋を取り付け配水管を接続しました(写真上)。配水管は既製品では太すぎて不釣り合いなため、塩ビ管にチョコレート色塗装して使いました。最後に周囲三方の屋根の縁に破風と鼻かくしを打ち付け外観をすっきりさせて、めでたく屋根の完成です。 

 取り敢えず、ここで完成祝いで一杯、プハーうまいっ、もう一杯、....。
          ... ... ウィッ。


 酒酔い、酒気帯びは減点されるので、しっかり酔いを醒ましたうえで、ウッドデッキの制作に取りかかりましょう。デッキは屋根の大きさに合わせものと、更に隣の日本間の外に付いている縁台とつながりを持たせるために一段レベルを下げた三角形のデッキも作ることにしました。

床束 基礎は屋根と同様ですが点数が多いので大変です。屋根の柱では専用のコンクリート束石を使いましたが、ここでは横方向のずれを許容できるようにブロックを置いて代用しました。(本当のことを言うと、床束をきっちりと所定の位置に設置する自信がなかったので...)

 制作は、床束に根太を取り付け所定の位置に置いて、それらを根搦で繋ぎます。後は床板を奥から順に打ち付けて、最後は幕板で縁をすっきりさせて完成です。床板同士は、雨による膨張を考慮して1−2mm程度の隙間を開けておきました。


踏み台 庭との段差は、狭い庭なので階段ではなく、場所をとらない踏み台方式としました。
 

 以上で、全て完成です。
 
 塗装については、組み立てる前に、塗っておきましょう。
 私は、クレオソートの2回塗りをしました。クレオソートは、安くて、色合いとその涸れ具合の味が何とも言えませんが、ちょっとにおいが難点ですね。


スピーカーと照明
その他、インテリアのコーナーで紹介したステレオスピーカーと、照明をつけました。電球が黄色いのは、ここは蚊が多いので、バーベキュウの時などのために、虫除け電球を使っているためです。(効果のほどは不明ですが...)
 ライトカバーは、例によって既製のものが雰囲気に合わないので、ひっぺがして人工杉皮に替えました。
 

●制作メモ
 材木は全て防腐処理材、接続には木ねじ(コーススレッド)を使用しました。

・サイズ
  屋根=3,005W×1,760D(mm)
  屋根柱間隔=2,910W×1,310D(mm)
  屋根傾斜=130/1000(7.5度)←特に根拠無し
  床部=3,070W×2,050D×400H(mm)

・材料
  柱、床束、母屋(もや)、筋違い=75mm□(床束は6列×3段)
  垂木=33T×70W(mm)×7本
  桟=19T×38W(mm)×5本
  床板=38T×89W(mm)
  根太=38T×65W(mm)
  根搦=15T×38W(mm)
  鼻かくし、破風、幕板=19T×89W(mm)


●概略予算
  101,100円

・屋根部
基礎(束石、砕石、砂) 4,500円
木材 17,000円
屋根(ポリカーボ波板、釘) 9,000円
雨とい(雨樋、PVCパイプ、接着剤、塗料) 2,200円
金物(金具、木ねじ、コンクリートプラ) 3,500円
電気(プラグ、スイッチ、ライト) 2,800円
小計 39,000円
 
・床部
基礎 4,600円
木材 50,000円
金物(金具、木ねじ、コンクリートプラグ) 6,000円
塗料(クレオソート) 1,500円
小計 62,100円

  
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