S8 キウイ棚 -山猿の記憶を求めて- (2003. 1. 11) | |||||||||||
日本に出回り始めたがいつ頃だったでしょうか? キウイフルーツを初めて口にしたときの驚きは今でもはっきり覚えています。 「っん? あれっ、こ、これは、コクアでねぇがぁ?」と、思わず訛ってしまったのですから...。 あれは、おらが故郷の鳥海山の北山麓で山猿をやってだ頃の話だども、春はゼンマイ、ワラビ、ウド、タケノコ、タラの芽の山菜穫り、秋は、やまぶどう、やまなし、あけびを探してと、年中、山に入ってたもんだ。 ながでも、おらがすんごぐ好きだったのが、秋の味覚の代表のコクアだったなーぁ。コクアは蔓性で、秋になるとサクランボぐれの小っさな緑色の実をつけで、熟してくると実の表面がしわしわになるんだけんど、それが、まづどしぃくってなぁー。 そうなったら、はぁ、まんず蔓が巻き付いた木によじ登って、一個一個だいっじにたべだもんだ。 こん時は、ほんに山猿そのまんまだべや。えがったーなやぁ。 こんな記憶がしっかり脳内の深いところに刻み込まれているわけですから、山猿からシティボーイに落ちぶれてしまった今でも、キウイを初めて口にした時は、一瞬で数十年の時空を越えて、冒頭の「っん? あれっ...」になってしまったわけです。 ....で、キウイを調べてみたら、原種はサルナシとあり、サルナシを調べてみたら、地方での呼び名がずらずらーと書いてあって、そのひとつにコクワとありましたから、私が食べていたのはまさしくキウイの原種だったのです。 サルナシとは、”サル”が好んだナシに似た形の果物というのが名前の由来とのことですから、これはもう絶対間違いありません。 ....と、言うことで今回はキウイの話でした。おしまい。 いやいや、これは屋外木工作品のコーナーでした。 そんな訳で、犬小屋の日よけを兼ねた棚にキウイを這わせるてみました。ホントはサルナシにしたかったのですが手に入らなくて... 棚は50mmφの丸太を使い、木ねじでフレームを組み立てて、後は青竹を格子状にシュロ縄で固定しておしまいです。実に簡単です! 4本の柱の3本は、生け垣の支柱に結びつけて固定しましたが1本は、コンクリートの面にストンと置いたままです。 キウイフルーツは病害虫もなくて非常に作りやすくいのですが、ちゃんと剪定しないと、蔓がぐちゃぐちゃに伸びてしまいます。 果実はまだまだそんなに穫れませんが、半分をジャムに、1/4を生食に、残りを小鳥用にしています。でも、ジャムは酒の肴にはならないので、私はほとんど食べませんが...。 比較言語学的PS: 本文中緑字の東北方言の部分は、フランス語のニュアンスで、ちょっと鼻に抜ける感じの発音と、「せっどぅわぁ えれぐぅぁあんす」的アクセントで読んでもらえると、本場もんの雰囲気がでます。 だいぶ前に聞いた歌で、タイトルも歌手の名前も覚えてはいませんが、シャンソン風でところどころにせりふが入っている曲がありました。このせりふが、フランス語と東北弁を解さない人にはどう転んでもフランス語にしか聞こえないのですが、実は正調秋田弁で、まさしくそれを狙った歌だったのですが。 この曲について、詳しい情報を知っている人がおりましたら、是非ご一報を...。 |
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PSのPS: (2003/02/09追記) 秋田弁の曲について、情報提供をお願いしていました。ところが、この曲とは違いますが、すばらしい方言ソングがありました。 秋田県出身の伊藤秀志さん唄うところの、「大きな古時計」です。 ラジオで耳にして、早速購入しようと思ったら、中京地方の限定販売で、しかも発売される先から無くなっちゃっうとか。インターネットで何とか発注できましたが、ここでもCDを追加作成中でちょっと待たなくてはなりません。待ち遠しーー。 全国で大ブレークの予感が...... 伊藤秀志さんのホームページでちょっと聴くことができます。こちらです。 まんず、癒されっから聴いでみれってば....。 |
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●制作メモ 丸太の接続部は、やっぱり多少は加工しないと見栄えが悪いし、強度的にもちょっと心配です。 加工と言っても、写真で分かるように、組み立て角度に合わせて切断した端に、120度くらいのの三角溝を鋸で入れるだけです。 接続は充分に長い木ねじで、しっかり繋ぎましょう。 ・ サイズ 2.9L×2.3W×1.9H(m) ●概略予算 8,000円
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(2009/6/27 追記) キウイフルーツ棚に余裕があるので道路側につるバラを這わせてみました。 品種は「カクテル」で赤い一重のシンプルなバラですが、成長が早くたちまち棚を覆ってしまいました。 ところで今年(2009年)は、ミツバチが消えたとのニュースが流れており、「へー、どうしたのかなー?」くらいの軽い気持ちで聞き流していたのですが、5月にキウイを見上げてビックリ! 花があんなに咲いていたのに実が付いているのは、なんとたったの4個。 しばらくポカーンとしていたのですが、はたとミツバチ消失に思い至りました。昨年まではミツバチが一生懸命働いていてくれたことを改めて実感したのですが、本当にどうしちゃったのでしょう? 来年は綿棒かなんかで一生懸命受粉しなくちゃならないのかなー |
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