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1517 PATTERNS IN JAZZ /GIL MELLE
EDDIE BERT-tb GIL MELLE-ts,brs JOE CINDERELLA-g OSCAR PETTIFORD-b ED THIGPEN
1956.4.1
1.THE SET BREAK 2.WEIRD VALLEY 3.THE BARBABERS BLUES 4.NICE QUESTION 5.MOONLIGHT IN VERMONT 6.LONG AGO AND FAR AWAY
BLUE NOTE では異色のウエスト・コースト・サウンド。ギル・メレのバリトンはジェリー・マリガンを思わせる。サウンド的には充実していて結構愉しめる。

1518 HORACE SILVER AND THE JAZZ MESSENGERS
KENNY DORHAM-tp HANK MOBLEY-ts HORACE SILVER-p DOUG WATKINS-b ART BLAKEY-ds
Nov 13 1954,Feb 6 1955
1.ROOM 608 2.CERRPIN' IN 3.STOP TIME 4.TO WATCH IT MAY CONCERN 5.HIPPY 6.THE PREACHER 7.HANKERIN' 8.DOODLIN'
ホレス・シルバー色の強いジャズ・メッセンジャーズというところか。1曲を除き総てシルバーのオリジナル。前半は後のメッセンジャーズのような怒濤感がなく、シルバー独特のリズムが印象的。ところどころ、ブレーキーのドラムが炸裂する。
 後半は、有名曲THE PREACHERが聴き所だろう。ゴスペルタッチの調子の良い曲で、メンバーが陽気にのっている。
後半の方が録音のせいだろう、音の密度が高く心地よい。DOODLIN'も充実した演奏となっている。
1519 HERBIE NICHOLS TRIO
HERBIE NICHOLS-p AL McKIBBON-b MAX ROACH-ds
1955.8.1
1.THE GIG 2.HOUSE PARTY STARTING 3.CHIT-CHATTING4.LADY SINGS THE BLUES5.TERPSICHORE 6.SPINNING SONG 7.QUERY 8.WILDFLOWER 9.HANGOVER TRIANGLE 10.MINE
 異彩を放つ孤高のピアニスト、ハービー・ニコルス。確かにオーソドックスとは言い難いゴツゴツとした雰囲気の打楽器的奏法。これにマックス・ローチのドラムとアル・マッキボンのベースが重なってゴロゴロと岩が落ちてくるような感じだ。「売れる」なんてことは更々頭にないという風の朴念仁?ところが最後に今までのは何だったのという程のスウィングする奴をやっている。どういう人・・・?
1520 HORACE SILVER AND ART BLAKEY-SABU
HORACE SILVER -p GENE RAMEY-b ART BLAKEY-ds
Oct 9 1952
SILVER-p CURLEY RUSSELL-b BLAKEY-ds
OCT 20 1952
SILVER-p PERCY HEATH-b BLAKEY-ds
Nov 23 1953
BLAKEY-ds SABU-cong
Nov 23 1953
1.HORODCOPE 2.SAFARI 3.THOU SWELL 4.QUICKSILVER 5.ECAROH 6.YEAH 7.KNOWLEDGE BOX 8.PRELUDE TO A KISS 9.I REMEMBER YOU 10.OPUS DE FUNK 11.DAY IN,DAY OUT 12.SILVERWARE 13.HOW ABOUT YOU 14.BUHAINA 15.MASSAGE FROM KENYA 16.NOTHING BUT THE SOUL

5018,5034の2枚の10インチ盤から編集。1952.10.9がSilver 初レコーディング。当初Lou Donaldsonのセッションの予定が都合がつかず、リズム・セクションのみの演奏となって残った曰く付き。Horoscope ,Safari ,The swellではSafariが圧巻。Blakeyのドラムがいい。他はSilverのピアノが躍動的The swellもなかなか。1521でもやることになるQuicksilver。これはそのトリオ版。Blakyのドラミングがタイミング良く入る。Ecaroh, Yeah ,Knowledge Box ,Prelude to a kissでは前3曲のSilverの躍動感あるピアノを聴かせる。EllingtonのバラードPrelude to a kissではCurly Russellのアルコが聴ける。トリオになってからのしっとり感がいい。I remember youもバラードの演奏がハートに染みる。B.Powellの演奏にもあったOpus de Funk。Silver味のPowell風が面白い。Percy Heathのベースもなかなか。Day in,day out ,Silverware ,.How about you ,.Buhainaはどれも躍動感のある演奏。Mesage from KenyaはBlakyとSabuによるアフリカンな演奏。BlakyのドラミングとSabuのコンガとのコラボレーションが圧巻。このアルバム最大の聴きどころと言っても良い。Nothing but the soulもBlakyのソロが迫力満点。

1521 1522 A NIGHT AT BIRDLAND WITH ART BLAKEY QUINTET VOL.1,2
CLIFFORD BROWN-tp LOU DONALDSON-as HORACE SILVER-p CURLY RUSSELL-b ART BLAKEY-ds
1954.2.21
1.SPRIT KICK 2.ONCE IN A WHILE 3.QUICKSLVER 4.A NIGHT IN TUNISISAMAYREH

トランペット・センセーションと紹介されるClifford Brownが参加していることでも一躍人気盤となっているこのアルバム。しかし勿論Lou Donaldson等の存在は揺るがない。まだJazz Messengersと銘打つ以前のものということでも貴重な記録である。ハードバップがこれを期に一世を風靡したとも言われている。冒頭を飾るSplit KickでのDonaldsonのアルトはビーバップ・フレーズではあるが、Paker直系と言われた彼ならではの勢いがある。続くBrownの輝かしいトランペットには息を呑む。長いフレーズに淀みはない。躍動感のあるSilverのピアノは相変わらずである。Blakeyのドラムが炸裂し絶妙なアンサブルのテーマに戻る。これぞハード・バップなり。続くOnce in a while。これを聴かずにこの盤は語れない。Brownのバラード演奏の独壇場に身も心もとろける。コンポーザーとしての実力を示すSilverのオリジナルQuicksilver。急速調の演奏中DonaldsonのアルトはBrownの超絶トランペットには及ばないが、なかなかの味を持っている。Dizzy GillespieのA Night in Tunisia。ここでも圧巻なのはBrownのソロである。DizzyはDizzyでまた違った味を持っているが、それに近い実力を発揮していると思われる。これまたBrownのトランペットが炸裂するMayreh。Donaldsonも勢いに乗って快演をする。Blakeyのドラムが見事に締めくくる。

1.WEE-DOT 2.IF I HAD YOU 3.QUICKSILVER 4.NOW'S THE TIME 5.CONFIRMATION

 ハードバップの原点とはこれぞという万感の思いを抱く。フロントのアタックの強さが圧倒的なWEE-DOT。ルー・ドナルドソンの素晴らしいバラードが聴けるIF I HAD YOU。これでもかというQUICKSILVERはやっぱり凄い。
 パーカーナンバーが2曲続く。NOW'S THE TIMEとCONFIRMATION。NOW 'STHE TIME少し緊張感の緩んだバンドの演奏だが洒脱な感じもする。リラックスタイムというところか。後に続くCONFIRMATIONで一気にテンションがあがる。猛ダッシュの演奏に息がつけない・・・。
1523 INTRODUCING KENNY BURRELL
KENNY BURRELL-g TOMMY FLANAGAN-p PAUL CHAMBERS-b KENNY CLARKE-ds CANDID-cong
May 29 1956
1.THIS TIME THE DREAM'S ON ME 2.FUGUE 'N BLUES 3.TAKEELA 4.WEAVER OF DREAMS 5.DELILAH 6.RHYTHMORAMA 7.BLUES FOR SKEETER
KENNY CLARK-CANDID
・RHYTHMORAMA
 1543 KENNY BURRELL VOL.2を先に聴いていたから、なるほど雰囲気があのMOTEN SWINGだなとわかった。つまりここでの録音の残り2曲があっちにいっているのだ。何故直ぐ気付くかと言えば、CANDIDのコンガである。これが躍動感をもたらしている。MOTEN SWINGに匹敵するTAKELLAの軽快さが素晴らしい。
 モダンな雰囲気が良いFUGU 'N BLUESやWEAVER OF SWING等々、これは一押しだ。 
1524 'ROUND MIDNIGHT AT CAFE BOHEMIA/KENNY DORHAM
KENNY DORHAM-tp J.R.MONTEROSE-ts KENNY BURRELL-g BOBBY TIMMONS-p SAM JONES-b ARTHUR EDGEHILL-ds
1956.5.3
1.MONACO 2.'ROUND ABOUT MIDNIGHT 3.MEXICO CITY 4.NIGHT IN TUNISIA 5.AUTUMN IN NEW YORK 6.HILLS EDGE
 ブレイキーのコンボほどの派手さはないのだが、ニューヨークに棲息する土着的ジャズ・マンの体臭が感じられ愛着の持てるイブ盤だ。紫煙に燻されたジャズの現場が再現されている。
 NIGHT IN TUNISIAの時にバレルのギターが入っていることでグッとモダンな雰囲気となる。彼の存在が引き立つ時だ。
 AUTUMN IN NEW YORKのドーハムは都会の孤独を滔々と奏でる。
1525 THE INCREDIBLE JIMMY SMITH AT THE ORGAN VOL.3
JIMMY SMITH-org THORNEL SCHWARTZ-g DONALD BAILEY-ds
Jun 12 1956
1.JUDO MANBO 2.WILLOW WEEP FOR ME 3.LOVER COME BACK TOME 4.WELL YOU NEED'NT 5.FIDDLIN' THE MINORS 6.AUTUMN LEAVES 7.I COVER THE WATERFRONT
 猛突進するオルガン・ジャズ・・・なんだけれど、それ以上のコメントをつけられない。僕にはこのアルバムの良さがいまいちわからない。ギターもドラムもそこそこだし。
 オルガン版UN POCO LOCOみたいな最初のJUDO MANBOなんてのは面白い・・・かも知れないが。
 スウィングする最後のI COVER THE WATERFRONTが比較的良い。
1526 CLIFFORD BROWN MEMORIAL ALBUM
CLIFFORD BROWN-tp GIGI GRYCE-as CHARLIE ROUSE-ts JOHN LEWIS-p PERCY HEATH-b ART BLAKEY-ds
Aug 28 1953
1.HYMN OF ORIENT 2.EASY LIVING 3.MINOR MOOD 4.CHEROKEE 5.WAIL BAIT
BROWN-tp LOU DONALDSON-as ELMO HIPE-p HEATH-b PHILLY JOE JONES-ds
Jun 9 1953
6.BROWNIE SPEAKS 7.DE-DAH 8. DOOKIN' 9.YOU GOTO MY HEAD 10.CARVING THE ROCK

冒頭を飾るHymn of Orient。更にEasy LivingでのBrownieのトランペットは極上で艶やか。天にも昇るとはこのこと。アドリブの旋律はこの上なく歌っている。"Minor Mood"でのJohn Lewisのイントロに痺れる。Brownieのホーンは天からの授けもの。Gigi Gryceのアルト、Charlie Rouseのテナーに更に痺れる。Lewisのピアノは極上。アンサンブルで更に雰囲気は盛り上がる。急速調のCherokee。Brownieのホーンは縦横無尽。Philly との掛け合いは丁々発止。ハードバップらしいテーマのWail Bait。ここでもLewisのピアノは愛らしい。バウンスするBrownie。Rouseのテナーもイケテル。訥々と吹くBrownieのホーンを聴かせるBrownie Speaks"。Lou Donaldsonのアルトがさえ渡る。Elmo Hopeのリフから入る"De-Dah"。、Philly のシンバルが響き渡る。これはHopeをフィーチャーしたのではと思わせるトラックだが、Louのアルトが後を追いPaker張りに吹き鳴らし、Brownieがホーン全開でソロを取る。こう音が良いと気持ちよい。CookinではLouのアルトがバリバリ吹き鳴らし、Bownieがテンションの高いソロをとる。極上のバラード"You go to my head"。Louのアルトは最高。艶やかである。Brownieも勿論最高、極上。これを聴けただけで後はもうどうでも良いという感じだ。Phillyのドラムから入るCrving the Rock。Louのアルトは相変わらず冴えわたる。タンギングを効かしたBrownieのホーン。Hopeのピアノはリズミックに跳ねる。

1527 THE MAGNIFICENT THAD JONES
THAD JONES-tp BILLIE MITCHLE-ts BARRY HARRIS-p PERCY HEATH-b MAX ROACH-ds
1956. 7.14
1.APRIL IN PARIS 2.BILLIE-DOO 3.IF I LOVE AGAIN 4.IF SOMEONE HAD TOLD ME 5.THEDIA

驚いたのはこの音色。実に奥深い味わいを持った音色なんだ。
4曲目のIf someone had told meなんてホントウットリ来る音色。瑞々しさに深みがある。
Billy Mitchell、これまた深い音色。
スローでもミディアムでもこの深い音色で吹いてくれるから嬉しい。
最後のThediaでは力強く吹いているのが、また素敵。
で、これまた嬉しいのがMax Roachのドラムだ、やっぱり。これ聴く為にあるようなもんだ。
彼のシンバルはいつもチャンチキおけさ?いやチャンチキ、チャンチキが実に良い。
これBilie-DooやIf I Love again他で聴ける。ちょっと気怠いテンポだとゆっくりチャンチキになる。当たり前だけど。
でも、テンポアップしたチャンチキもまたいいな。
彼の場合、チャンチキだけじゃない。ブラシでシュッシュやったり、ストンとやったりするのもええわいな。
Barry Harrisこれまた味わい深いピアノを弾くヒトだ。
Thediaで聴かせるミディアムでもこの深いシングル・トーンが心地よい。
 

1530 JUTTA HIPP WITH ZOOT SIMS
Jerry Lloyd (tp) Zoot Sims (ts) Jutta Hipp (p) Almed Abdul-Malik (b)  Ed Thigpen (ds) 
Hackensack,NJ.1956.7.28
Just Blues,Violets for your Furs,Down Home,Alomost like being in love,Wee-Dot,Too close for Comfort

ドイツの女性ピアニストJutta HippとZoot Simsの組み合わせが注目されるもの。短期間の渡米滞在の機会に録音されたものらしい。Violets for your FursやDown Homeが目当てだが、冒頭のJust BluesでのZootのテナーはどうだ。実に豪快である。余裕綽々とした吹きっぷりながらスゥイングしているところがいかにもZootらしい。Jerry Lloydのホーンもかなりいい線だ。女性らしいピアノのHipp。Malikのウーォーキングも悪くない。Zootはやはり男らしい。更に優しい。ご機嫌にスゥイングするトラックだ。やはりこれに尽きるのか。Violets for your Fars。マウスから漏れる息までも叙情的だ。バラードはこうでなければ。Hippのシングル・トーンは愛らしい。まろみを帯びた女性的な音である。適度に抑制の効いた情感を上手く音にしているZoot。これはイチコロものだ。素晴らしくスゥイングするDown Home。Zootのテナーはこれが本領かも知れない。Ed Thigpenのシンバルが軽快だ。Jerry Lloydなんて初めてだが、結構イケテル。ミディアム・テンポでスウィングするAlmost like being in love。Zootのテナーはやはり男性的。男Zootの吹くテナーに堪能しよう。Lloydも訥々ながら味がある。しかしThigpenのシンバルはいい。こういう音を取るVan Gelderも偉い。バップ・ナンバーのWee-Dot。Zootはバップ・フレーズなんて吹かない。あくまで自分のフレーズを持っている男だ。Hippは軽快に弾きこなす。見事だ。Lloydはデキシーっぽく吹いているのは面白い。ブローするZootに拍手。哀愁感があって尚かつスゥイングするToo close for Comfort。実に良く歌うフレーズを吹くZoot。Hippのピアノに身を焦がす思い。いとしい。

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