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1590 CANDY / LEE MORGAN

LEE MORGAN-tp SONNY CLARK-p DOUG WTKINS-b ART TAYLOR-ds
1957.11.18
1.CANDY 2.SINCE I FEEL FOR YOU 3.C.T.A 4.ALL THE WAY 
5.WHO DO YOU LOVE I HOPE 6.PERSONALITY

なんてたってMorganを始めリズム・セクションのこのメンバーだから、折り紙付き。弱冠20歳でClifford Brownの跡目を自認していた彼の自信作。
 意気揚々としたCandyはカルテット全体のバランスが抜群に良くて聴いていて心地よいというのが第一印象。Doug Watkinsのベースが躍動感を駆り立てて、Art Taylorがタイミング良くブラシでドラムを叩き、Morganが煌びやかにトランペットを奏で、Sonny Clarkが粋なピアノを聴かせるという構図はホントに良い感じ。Watkinsのウォーキングも聴かせてくれるし、Taylorとの掛け合いもお決まりとは言えこれでまた小粋な雰囲気。朗々と吹くSince I fell for youなんてまるでBrown。お見事というしかない。Morganが抜けてClarkのリズム・セクションの演奏だけでも愉しめちゃう。ハードバップらしいリフのC.T.A。これはあまりにありがちであまり面白くない。次が極上のバラードのAll the way。音色やフレーズの雰囲気がまさにBrown。更にClarkのピアノには聴き惚れる。少し悪ぶったというか不良っぽい感じのトランペットを聴かせるWho do you love I hope?。スタンダード曲のPersonality。ここら辺聴くとDonald Byrdみたいな感じもする吹き方。ClarkのピアノとTaylorのドラムがいい具合に溶け込んでこれも聴き所。

1591 LOU TAKES OFF / LOU DONALDSON
DONALD BYRD-tp LOU DONALDSON-as CURTIS FULLER-tb SONNY CLARK-p GEORGE JOYNER-b ART TAYLOR-ds
1957.12.15
1.SPUTNIK 2.DEWEY SQUARE 3.STROLLIN' IN 4.GROOVIN' HIGH
C.パカーがアンソロポロジーなど演奏のなんら関係のない曲名をつけたように、L.ドナルドソンもやってみたかったのであろうか。”スプートニック”とはいかにも洒落ているが、パカーの演奏にも迫るドナルドソンのアルトを筆頭に繰り広げられる超ど級のバップは圧巻。50年代後期にして、ビバップをテーマにアルバムをつくるなぞ飛んでるドナルドソンならではという感じだ。長尺なSTROLLIN' IN を含む4曲のみというのもかなり聴き応えある感じ。
1593 BLUES WALK / LOU DONALDSON

LOU DONALDSON-as HERMAN FOSTER-p PECK MORRISON-b DAVE BAILEY-ds RAT BARRETTO-cong
1958.7.28
1.BLUES WALK 2.MOVE 3.THE MAQUARADE IS OVER 4.PLAY RAY 5.AUTUMN NOCTURN 6.CALLIN' ALL CATS

テーマ曲Blues WalkはDonaldsonのブルージーなファンキー節を楽しむトラック。Harman Fosterのピアノがいいな。味わい深くって丁度Cannonball Adderlay/Somethin’ elseの「枯葉」のHank Jonesみたいな塩梅です。Donaldosonがアクセントに入れるタンギングが印象的。
Moveのすっ飛び方は有頂天になる。早いパッセージで猛烈に吹いていくDonalodonのアルトは凄い。この曲でこんなすっ飛び方をするのをStan Getzで聴いたことがある。Storyvilleのライブ盤だったかな。続く Fosterの軽快でオルガン弾きがやるような弾き方。コンガが良いアクセントになっている感じ。
 次も軽快なThe Masquarade is over。気持ちよさそうに吹くDonaldson。聴いてるこっちも心地よさに酔う感じだな。Fosterのピアノは今度はちょっと違った弾き方で躍動感がある。でもやっぱりお得意のフレーズが出てくるところが微笑ましい。ここでのDonaldsonのソロはParkerを思わせる吹きっぷりのところもあって実に快調。
 Ray Barrettoのコンガが面白くて思わずDonaldsonがテーマを吹いているのを忘れるPaly Ray。アドリブ・ソロに入ってのDonaldsonはやっぱりParkerぽい。ドラムやコンガが良いアクセントになっている。
 次はしっとりとDolaldsonが吹くAutumn Nocturn。素敵なバラードで目を閉じて聴いてるとうっとりくる。やっぱバラードはイイ。Fosterのピアノも良いアクセントになっているけれど、これはDonaldsonを堪能するトラック。
 軽快なDonalosonのオリジナルCallin' all cats。ファンキーなFosterのピアノも良いけどDonaldsonのアドリブが絶好調です。ベースとコンガに掛け合いもあって楽しい。今度はアルトとドラムの掛け合いになってもっと調子づく感じ。
1594 SMITHVILLE/ LOUIS SMITH
LOUIS SIMITH -tp CHARLIE ROUSE-ts SONNY CLAKE-p PAUL CHAMBERS-b ART TAYLOR-ds
1958.3.30
SIDE 1
1.SMITHVILLE 2.WETU
SIDE 2
3.EMBLACEABLE YOU 4.THERE WILL NEVERE BE ANOTHER YOU 5.LATER
チェンバースのベースがブン、ブンと呻り始めるところから終始無骨で、気怠いブルースを聴かせるSMITHVILLEがいい。
 続くハードバップがちゃらちゃらして聞こえる。
 ラウズ入りというところも気に入っているのだが、初めて聴いたルイ・スミスのリーダー盤は好印象だ。
 吹きまくっている頃のマイスルを思わせるスミスのトランペットはリリカルでもあり、ハードでもあり、ふくよかでもある。
 トランペッター兼教師でトランジッションに吹き込んでいた音源をライオンが買い取って初お目見えと相成ったそうだ。
 音楽教師などという”汚名”?をよそにバリバリ吹きまくる。
1595 SOMETHIN' ELSE / CANNONBALL ADDERLEY

MILES DAVIS-tp CANNONBALL ADDERLEY-as HANK JONES-p SAM JONES-b ART BLAKEY-ds
1958.3.9
1.AUTUMN LEAVES 2.LOVE FOR SALE 3.SOMETHIN' ELSE 4.ONE FOR DADDY-O 5.DANCING IN THE DARK

名義はCannonball Adderlayになっているが、MilesのAutumn Leavesの名演他で知られるBlue Noteの名盤中の名盤。さてAutumn Leaves。お馴染みのイントロ少し暗めのイメージから一転して花火の上がったようなフロントの合奏からMilesのミュート・トランペットに入っていくあたりが実にスリリング。そしてAdderlayのアルトに入るが、実に良い味を持っているアルト。再びMilesがミュートを効かせてリリカルに吹くとゾクゾクとする。その後がこれまた最高のHank Jonesのピアノ。シングル・トーンで格好良い旋律をやっちゃう。最後はMilesが再びテーマを奏でる。ラストの方のHankのピアノとMilesのトランペットが印象的。余韻もかんじる間もなくLove for saleに入ってMilesが吹くミュート・トランペット。Cole Poterの名曲。Adderlayのうねるアルトはまさにファンキー。これこそAdderlayの持ち味・・・なのかも知れない。ギトギトのAdderlay節。裏でブイブイとビートを刻むSam Jonesが渋い。ともするとMilesがペットを吹いているのを忘れる。コール・アンド・レスポンスでテーマをやるSomethin' Else。ここではMilesはミュートを外して吹いている。次にAddelayが俺はファンキーだけじゃないぞと実に渋いアルトを聴かせてくれる。ここでのHankのブロック・コードも格好良い。Hankのイントロから入るOne for Daddy-O。最初にソロを取るAddelay。酔っぱらったようにうねるアルト。後を追ってMilesがミュートを効かせてスリリングなソロを取る。Hankがシングル・トーンでその後のソロをとりAdderlayのソロに入る。この盤の影の立て役者はHankとSam Jonesだと言った人がいるが、そう思う。さて最後のDancing in the DarkでAddrlayの独壇場の渋いバラードが聴ける。ファンキーにうねったりもして実に味わい深いアルト。極上、極上。
1596 BLUE LIGHTS VOL.1 / KENNY BURRELL
LOUIS SMITH-tp JUNIOR COOK,TINA BROOKS-ts KENNY BURRELL-g DUKE JORDAN,BOBBY TIMMONS*-p SAM JONES-b ART BLAKEY-ds
1958.5.14
SIDE 1
1.YES BABY 2.SCOTCH BLUES
SIDE 2
1.AUTUMN IN NEW YORK* 2.CARAVAN*
人気盤故にどんなもんかと思っていたが、なるほどという充実盤だ。「シナリオのあるジャムセッション」を実現するメンバーはBNオールスターズというところ。しかしテキトーさは微塵もなく各人のソロはスタジオ・レコーディングならではの緊張感に包まれて刺激的である。1500番台の集大成?と言っても過言ではない。それだけの重みを自覚してかどうかは判らないが、そういう重みをひしひしと感じる素晴らしい出来で何度でもかけたくなる魅力を備えている。
1598 THE TIME WAITS / THE AMAZING BUD POWELL VOL.4
BUD POWELL-p SAM JONES-b PHILLY JOE JONES-ds
1958.5.28
SIDE 1
1.BUSTER RIDES AGAIN 2.SUB CITY 3.TIME WAITS 4.MARMALADE
SIDE 2
5.MONOPOLY 6.JOHN'S ABBY 7.DRY SOUL 8.SUB CITY(Alt)
前作のBUD!と次作THE SCENE CHANGESに挟まれたVOL.4は、全てパウエルのオリジナルという点では、次作同様であり雰囲気もサイドマンとパウエルとの緊密感と躍動が全編を貫いているというあたり似ている気がするが、サイドマンがこのアルバムの前後と違うというところがミソ・・・かな?サイドマンが良く働いている!?B面のJOHN'S ABBYは二人のJONESが猛烈に働いているところから付けられたタイトルであろうか?
冒頭のBUSTER RIDES AGAINを聴くと、次作でも聴けるラテン・タッチのもので、垂直ノリのパウエルのピアノとP.J.ジョーンスの典雅なドラムが特徴で、S.ジョーンズのベースランニングの躍動感が良い次のSUB CITYも同様次作に通じるものがある。
タイトル曲TIME WAITSの叙情が曲の良さという意味ではA面の華だろうか。
1599 SOUL STIRRIN'/BENNIE GREEN
BENNIE GREEN-tb JUG(GENE AMMONS,BILLY ROOT-ts SONNY CLARK-p IKE ISAACS-b ELVIN JONES-ds
1958.4.28
SIDE 1
1.SOUL STIRRIN' 2.WE WANNA COOK 3.THAT'S ALL
SIDE 2
4.LULLABY OF THE DOODMED 5.B.G.MAMBO 6.BLACK PEARL
こういうのを好きな自分が好きになる。
 一滴の水も飲まず、我慢してやっと喉に通す冷えたビールのように、耳を空っぽにしておいてこのアルバムに針を落とすと、全身に覆い被さるようななんともバタ臭く粘り着くようなソウルが滲みてくる。
 ビ・バップの名付け親バプス・ゴンザレスのスキャットが耳に飛び込んでくるや、1500番最期にこう来たか・・・という感慨に浸る。
 更にJUGとしかクレジットされていない、誰あろうジーン・アモンズが主役ベニー・グリーンと共にソウルをかき回す。
 1500番台にして全く異色だが、素晴らしく度肝を抜かれる完結である。
 A面ラストのバラードまでで既に適度に腹が満ちるという感じになる。
 ゴンザレスの曲SOUL STRRIN'とLULLABY OF THE DOOMEDがこのアルバムが放つ独特な香りを象徴しているが、グリーンのB.G.MAMBOまで来るとそのバラエティさにやられた!と膝を叩きたくなる。
 曲のバリエーションばかりではないだろう。やはりこの異色のホーンの布陣が根こそぎ1500番台のイメージを覆すのだ。
 やってくれましたね・・・とね。

 ホーンのバックを務めるリズムセクションがこれまた芯のある布陣。エルヴィン・ジョーンズが1500番台で登場するのは、ポール・チェンバースの1564 PAUL CHAMBERS QUINTETからである。彼の起用によって微にいり細に穿つリズムへと変化していった。

1600 INTRODUCING THE THREE SOUNDS

GENE HARRIS-pANDREW SIMPKINS-b BILL DOWDY-ds
1958.9.16 ,9.28
1.TENDERLY 2.WILLOW WEEP FOR ME 3.BOTH SIDES 4.BLUE BELLS 5.IT'S NICE 6.GOIN' HOME 7.WOLDN' YOU 8.OSLE MIO 89.BOBBY 10.MO-GE 11.IT MIGHT AS WELL BE SPRING 12.SOFT TOUCH 13.DON'T GET AROUND MUCH ANYONE

BLUE NOTE1500番台最後のアルバム。
オリジナル盤は8曲目まででボーナス・トラックで6曲付け加わった。
とにかくグルービーでファンキーで何も難しいこと考えずに楽しさを味わう盤だね。
ボーナス・トラックも大体そんな感じだね。Gene Harrisのファンキーなピアノ、Andrew Simpkinsのウォーキング・ベース、そしてBill Dowdyの小気味よいブラシ。
これが堪らなくいいね。彼らの持つエンターテイメント性を堪能するって盤だと思う。
どこかRed GarlandのGroovyに似た雰囲気を持っているね。
@TenderlyでGene Harrisがリズミカルでファンキーなピアノを聴かせAndrew Simpkinsのウオーキングベースが小気味よく鳴り、Bill Dowdyのシンバル音に嬉しくなる。
A気怠い感じのピアノでテーマを聴かせるWillow weep for me。Dowdyのブラシが絶妙なタイミングでリズムを刻む。徐々にファンキーさを増してきてベースが呻る感じがいいな。
BファンキーなブルースのBoth side。ゴスペルタッチの調子の良い演奏だ。楽しげにやってる感じがいいね。タイミング良く入るシンバル音のカチンってのが堪らない。
Cチェレスタを弾くHarris。ウオーキング・ベースからソロに入るSimpinkinsのベースがいいぞ。もうこの楽しさ溢れるエンターテイメント性が彼らの味だね。ちょっとポップな感じが軽さを出している。
D連続打ちシンバルがイイIt's Nice。バウンスするベースにも惹かれるね。グルービーって感じ。楽しけりゃイイじゃん、文句あるかてとこだな。高尚な音楽性なんて糞食らえの開き直った感じに敬服するな。
Eまたまたチェレスタだけど途中からピアノに変えてるんだ。重いベース音がグッとくるね。
Fお馴染みのWould(n youだ。軽快にスウィングする。もうそれだけ。Dowdyのドラム・ソロがスゲーわ。やるね。結構ハードさもあるんだ。その後のSimpkinsのウォーキングに舌を巻くな。
Gオーそれ見たことかってかい。O sole Mioだよ。ファンキーなピアノにシンバルが調子よくなって、いやぁ、楽しいね。

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