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1571 BUD ! / THE AMAZING BUD POWELL VOL.3
CURTIS FULLER-tb* BUD POWELL -p PAUL CHAMBERS-b ART TAYLOR-ds
1957.8.3
1.SOME SOLU 2.BLUE PEARL 3.FRANTIC FANCIES 4.BUD ON BACH 5.KEEPIN' IN THE GROOVE 6.IDAHO* 7.DONT'T BLAME ME* 8.MOOSE THE MOOCHE*
JAZZ徒然
1572 BONE & BARI・CURTIS FULLER
CURTIS FULLER-tb TATE HOUSTON-bs SONNY CLARK-p PAUL CHAMBER-b ART TAYLOR-ds
1957.8.4
1.ALGONQUIN 2.NITA'S WALTZ 3.BORN & BARI 4.HEART AND SOUL 5.AGAIN 6.PICKUP
C.フラーのトローンボーンとT.ヒューストンのバリトンという低音楽器の組み合わせに、S.クラークのシングル・トーンのがうまく配合された味わい深いカクテルのようで、落ち着いた雰囲気にほろ酔いとなる。
 ヒューストンのワン・ホーン・バリトンを堪能できるバラードのAGAINがイイ。クラークののピアノがあわせ味となって最高!
1573 JOHN JENKINS WITH KENNY BURRELL
JOHN JENKINS-as KENNY BURRELL-g SONNY CLARK-p OALU CHAMBERS-b DANNIE RICHMOND-ds
1957.8.11
1.FROM THIS MOMENT ON 2.MOTIF 3.EVERTHING I HAVE IS YOURS 4.SHARON 5.CHARON 5.CHALLMEAU 6.BLUES FOR TWO
ALT MADNESSで共演したJ.マクリーンとそっくりなJ.ジェンキンス。節回し、アルトの音色・・・これほど似たアルト奏者はいないだろう。当のマクリーンより先にBLUE NOTE 1500番台に登場したが、これが唯一のリーダー盤。
共演したK.バレルとS.クラークのソロが冴えているから、一聴の甲斐あり。特にクラークの充実振りが特筆すべき。毎週レコーディングの為出勤していただけある。継続は力なんだろうな。これがこの後彼のリーダー盤が続出することになるのも頷ける。
1574 PECKIN' TIME / HANK MOBLEY
LEE MORGAN-tp HANK MOBLEY-ts WYNTON KELLY-p PAUL CHAMBERS-b CHARLIE PERSIP-ds
1958.2.9
1.HIGH AND FLIGHTY 2.SPEAK LOW 3.PECKIN' TIME 4.STRETCHIN' OUT 5.GIT-GO BLUES
High and Flightyは早いテンポの演奏だが、Mobleyのテナーもスムーズに心地よく耳に入ってくるが、煌びやかなMorganのトランペットは目映い。トランペットが金製なんじゃないかと思う程キラキラしている。Speak Lowは嬉しい選曲。Morganのペットが実にしっとりと歌っている。バラードの時のMorganはこのしっとり感が堪らない。Mobleyも味のあるテナーを聴かせてくれる。流麗かつ大胆に吹く。Speak LowというとWalter Bishop Jr.を思い出すが、ここでのKellyが実に素敵。アドリブ・ソロを取るときのMorganは再びキラキラと輝く。Peckin' Timeはタイトル曲でミディアム・テンポの良くスゥイングする演奏。スウィングと言えばKelly。やはり戦陣をきってはソロを取る。Mobleyも長いフレーズを一気に吹いたり流れよく吹いたりで聴かせる。Morganもバリバリと吹きまくる。Stretch' outでのMorganはやはり豪快。Mobleyも溢れんばかりのフレーズを一気呵成に吹きまくる。ここではPersipが短いながらドラム・ソロを聴かせる。Morganのリップ・コントロールというのは実に巧み。Git-Go bluesはブルース。トラックが余るとブルースでお茶を濁すという手法があるそうだが、まあいいじゃないか。Mobleyはよたよたとブルージーに吹いたりうねってみたり、Morganも幾分レイジーな感じで吹いている。ブルースはこういう気怠さが味と言えば味。しかしMorganは煌びやかに吹いたりもしている。Kellyはファンキーに弾いている。しかしブルースというのはコード進行が単純なだけにミュージシャンの度量というが試されるのだろう。
1575 LEE MORGAN / CITY LIGHTS

LEE MORGAN:tp CURTIS FULLER:tb GEORGE COLMAN:ts RAY BRYANT:p PAUL CHAMBERS:b ART TAYLOR:ds BENNY GOLSON:arr
1957.8.25

1.CITY LIGHTS 2.TEMPO DE WALTZ 3.YOU'RE MINE YOU 4.JUST BY MYSELF 5.KIN FOLKS

JAZZ徒然
1576 SONNY'S CRIB / SONNY CLARK
DONALD BYRD-tp JOHN COLTRANE-ts CURTIS FULLER-tb SONNY CLARK-p PAUL CHAMBERS-b ART TAYLOR-ds
1957.9.1
1.WITH A SONG IN MY HEART 2.SPEAK LOW 3.COME RAIN OR COME SHINE 4.SONNY'S CRIB 5.NEWS FOR LULU
ブルーノート初のステレオ録音。管とリズム・セクションが左右に分かれている。ただ、S.クラークだけは中心に聞こえる。こういう立体性が新鮮であったのだろうが、事情は編集のやむなき選択だったようだ。より完璧を目指したライオンの選択である。漫然と聴くも良し、真剣に対峙して聴くも良い。円熟したS.クラークとホーン陣の充実した「音」がいつでも待ちかまえていてくれる。コクのあるCOME RAIN OR COME SHINEが滲みる。タイトル曲SONNY'S CLIBでのJ.コルトレーンのソロは次盤BLUE TRAINの前哨戦とも言える。それは、クラークにとっても同様で、1579のクラーク・トリオ、そして1588の名盤COOL STRUTTIN'への予兆とさえ言える。いや、もう一枚のCOOL STRUTTIN'かも知れない。
1577 BLUE TRAIN / JOHN COLTRANE
LEE MORGAN-tp CURTIS FULLER-tb JOHN CLTRANE-ts KENNY DERW-p PAUL CHAMBERS-b PHILLY JOE JONES-ds
1957.9.15
1.BLUE TRAIN 2.MOMENT'S NOTICE 3.LOCOMOTION 4.I'M OLD FASHIONES 5.LAZY BIRD
JAZZ 徒然
1578 THE COOKER / LEE MORGAN
LEE MORGAN-tp PEPPER ADAMS-bs BOBBY TIMMONS-p PAUL CHAMBERS-b PHILLY JOE JONES-ds
1957.9.29
1.A NIGHT IN TUNISIA 2.HEAVY DIPPER 3.JUST ONE OF THOSE THINGS 4.LOVER MAN 5.NEW-MA
L.モーガンが初めて曲を書き、これまでパートナーだったB.ゴルソン抜きにアルバムが制作されたという意味では独立記念的?アルバム。
 ゆったりとしたテンポのA NIGHT IN TUNISIAで余裕を感じさせながらも溢れ出すソロは見事。P.アダムスが更に押しの強さを強調する。大河の氾濫という勢いだ。メンバークレジットを見ずに聴いたら、えっ?B.パウエル?と錯覚するB.ティモンズのソロ。だから、何となくUN POCO LOCO的でもある。(錯覚!錯覚!?)
さて、モーガンのオリジナル(HEAVY DIPPER)の出来だが、まあ無難なハードバップ・リフというところだろうか。あまり印象にのこるようなソロへと繋がって行きづらくて悪戦苦闘?しているとも思える。
P.チェンバースとのデュオから始まるLOVER MANは印象に残る。今回の1500シリーズで24bit盤となって強調された(のだろう、多分)ベース音の締まりも良い。
1579 SONNY CLARK TRIO
SONNY CLARK-p PAUL CHAMBERS-b PHILLY JOE JONES-ds
1957.9.13
1.BE-BOP 2.I DON'T KNOW WAHT TIME IT WAS 3.TWO BASS HIT 4.TADD'S DELIGHT 5.SOFTLY AS IN A MORNIG SUNRISE6.I'LL REMEMBER APRIL
JAZZ徒然
1580 THE CONGREGATION / JOHNNY GRIFFIN
JOHNNY GRIFFIN-ts SONNY CLARK-p PAUL CHAMBERS-b KENNY DENNIS-ds
1957.10.23
1.THE CONGREGATION 2.LATIN QUARTER 3.I'M GLAD THEREIS YOU 4.MAIN SPRING 5.IT'S YOU OR NO OME
Griffinは「シカゴの早撃ち男」と呼ばれていて、機関銃さながらのフレーズが飛び出してくることで有名なテナー・マン。そんな彼としてはどちらかと言えば余裕綽々としたテナーを聴かせる盤。
小さな巨人と呼ばれただけあって音がデカイ。これにまず圧倒される。そしてSonny Clarkのソロはいつ聴いても味わいがある。The Congregationは陽気なテーマで気持ちよくGriffinがテナーを吹いている。John JenkinsのLatin Quarter。Griffinの全く余裕あるフレーズが聴ける。これまたシングル・トーンが心地よいClarkのソロ。歌い上げるテナーがしゃくるような吹きっぷりのI'm glad there is you。Latin Quarter同様心地よいソロを取るClark。上下する旋律が印象的なGriffinのソロ。少しRollinsかかっている吹き方のMain SpringはGriffinのオリジナル。同じ音を連発する吹き方はRollinsそのもの。Clarkがブルージーなフレーズを弾いている。Chambersのアルコはちょっとなんかヘン。最後It's you or no oneがびっくりしたが、全く同じ節回しでDexter Gordonがこれを吹いている。録音年的にはDexterの方が後だから、彼が真似したのだと思うが、ここまで似ているとちょっとびっくり。どちらも豪放なテナーを満喫させてくれる。
1581 A NIGHT THE VILLAGE VANGUARD / SONNY ROLLINS
SONNY ROLLINS-ts DONALD BAILEY-b PETE LAROCA-ds
WILBUR WARE-b ELVIN JONES-ds
1957.11.3
1.OLD DEVIL MOON 2.SOFTLY AS INA MORNING SUNRISE 3.STRIVER'S ROW 4.SONNYMOON FOR TWO 5.A NIGHT IN TUNISIA 6.I CA'T GET STARTED
ヴィレッジ・ヴァンガードで初めてライブを録音したという記念すべき記録でもある。午後の部と夜の部というのも異例。全16曲演奏された中からこのアルバムでは6曲が選ばれた。午後1曲他5曲は夜の部で、ベースW.ウエアとドラムE.ジョーンズだった。後にこれは完全版として発表されることになった。
その完全版の方からオリジナルの曲順に聴いてみている。
 まずは、音から感じるのは三人の集中力だ。それぞれの楽器に武者振りついているような迫力。観客はあってないような凄みを感じる。
 1500番台を通してこんな破天荒な演奏があっただろうか。A.ライオンにしてこれは、賭けのようなものではなかったではないだろうか。流石に完全版で演奏順に聴くのをと、セレクトされたものを順にきくのとでは違う。「完全」なものとしてアルバム化するライオンの苦肉を感じる。
 全くロリンズとは色んな意味で噸でもない奴である。
1582 CLIFF CRAFT / CLIFF JORDAN
ART FARMER-tp CLIFF JORDAN-ts SONNY CLARK-p GEORGE TUCKER-b LOUIS HAYES-ds
1957.11.10
SIDE1
1.LACONIA 2.SOUL-LO BLUES 3.CLIFF CRAFT
SIDE2
4.CONFIRMATION 5.SOPHISTICATED LADY 6.ANTHOROPOROGY

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 1589 FURTHER EXPLORATIONSのところでも書いたが、メンバーを入れ替えたホレス・シルバー・クインテットのシルバーのところにソニー・クラークが座り、テディー・コティックのところにジョージ・タッカーが立てば、メンバリングは同じということになるのが本作である。
 これがBN流儀のアルバム製作の一手法と書いたが、本当のところアルフレッド・ライオンがそういう意図を持って組み替えをしたかどうかは定かではない。
 只1週間ごとに異なったメンバーを集めてリハーサルし、ルディ・ヴァン・ゲルダースタジオで録音するというBNの製作現場の事情から察して、そういうやり方でスケジュールを組んで人を集め、今回は誰をリーダーとして(リーダーであるからには新曲を持ってくるという必要条件がある)吹き込むかを決定していったという状況からは考え得ることではあった。

 果たしてA面は全てジョーダンのオリジナル、B面はチャリー・パカー、エリントンの曲というラインアップできている。
 ホレス・シルバーの影響を強く受けた彼のオリジナル曲で、シルバーでも書くようなモダンでファンクなテーマと円熟したソロを聴かせる。聴けば似て非なるだが、「似て」の方に重点がかかる「非」であって、相似した部分の方が多いと思われる。
 いやともかくジョーダンの才能の充満したアルバムであるに違いはなく、聴く者を満足させる。
1583 CUTIS FULLER VOL.3
1584 HERE COMES LOUIS SMITH
1585 GROONIN' AT THE SAMALL'S PARADISE VOL.1
1586 GROONIN' AT THE SAMALL'S PARADISE VOL.2 / JIMMY SMITH
1587 BACK ONTHE SCENE / BENNIE GREEN
1588 COOL STRUTTIN' / SONNY CLARK
ART FARMER-tp JACKIE McLEAN-as SONNY CLARK PAUL CHAMBERS-b PHILLY JOE JONES-ds
1958.1.5
1.COOL STRUTTIN' 2.BLUE MINOR 3.SIPPIN'AT BELLS 4.DEEP NIGHT
大袈裟すぎず淡泊にしかし充実したサウンドを結実させたS.クラークの代表作。二管を携えて、演奏者としてはあくまでリズムセクションの要ではあるのだが、ブルージーな彼のピアノの玉が零れるようなシングル・トーンに聴き惚れる。
もし、アルトがJ.マクリーンでなかったらこんな味があり得なかったのかも知れないというほど、マクリーンのブルーな雰囲気を持つアルトの存在は大きい。同じ事は、A.ファーマーにも言えるかも知れない。何故、L.モーガンではなく、或いはD.バードではなかったのか。BLUE NOTEの歴史には偶然が付きまとうが、偶然が必然的だったと納得させられるのは、1枚1枚がオンリー・ワンな「違い」を持っているからだろう。似たような雰囲気を持つ1576 SONNY'S CLIBとの違いは、・・・と聴き比べてみるのも愉しい。
1589 FURTHER EXPLORATIONS/HORACE SILVER
ART FARMER-tp CLIFF JORDAN-ts HORACE SILVER-p TEDDY KOTICK-b LOUIS HAYES-ds
1958.1.13
SIDE1
1.THE OUTLAW 2.MELANCHOLY MOOD 3.PYRAMID
SIDE2
4.MOON RAYS 5.SAFARI 6.ILL WIND
1562 THE STYLING OF SILVERから見ると、メンバーが一人変わり、その前の1539 SIX PIECES OF SILVERから見ればフロントからベースまで入れ替わっている。
 シルバー・クインテットとして、アート・.ファーマー、クリフ・.ジョーダンのフロント・ラインという、これが唯一なのだが、1582 CLIFF CRATというクリフ・ジョーダンのアルバムのメンバーをみると、シルバーのところにソニー・クラークが座り、テディー・コティックのところにジョージ・タッカーが立てば、メンバリングはほぼ同じということになる。
 これがBN流儀のアルバム製作の一手法だが、あくまでこれがホレス・シルバー・クインテットのものであるのは、シルバーのアイデアと曲という点であって、CRIFF CRATと非常に似た「音」ではあるが、作風は異なったものになったというのは当然の帰結だろう。

 クリフ・ジョーダンをBNに引っ張ってきたのは、ホレス・シルバーで、ジョーダンは1549 BLOWING IN FROM CHICAGOでもう一人のシカゴ出身のジョン・ギルモアとのアルバムをシルバーのバックアップでBNデビューしている。
 一方、アート・ファーマーのBNデビューは1550 HANK MOBLEY QUINTETでその後シルバーのTHE STYLING OF SILVER、更にソニー・クラークの1570 DIAL S FOR SONNYと続き、クリフ・ジョーダンのCRIFF CRATである。つまりずっとフロントの相手にしてたのは、ハンク・モブレーであったが、ジョーダンのアルバムと本作でクリフ・ジョーダンと組むことになる。
 彼の範としてたのは、第一にファッツ・ナバロ、、二番目にマイルス・ディビス、最後にディジー・ガレスピーだったそうである。


 
そういったBN1500番台の連関を辿って聴くとひと味違って聞こえるかも。

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