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肝炎[hepatitis]


劇症肝炎
急性ウイルス性肝炎や薬物による肝炎の重症型。
急激かつ広範な肝細胞の壊死が起こり、肝臓は強く萎縮する。
肝障害が大きく、短期間のうちに黄疸を伴う急性肝不全症状・意識障害に陥り、
多くは数日〜数週のうちに死亡する。
口臭にアンモニアの臭いがしたり、腹水が溜まりカエルのようになったりする。



慢性肝炎
急性肝炎の多くは2〜3ヵ月のうちに治るが、10〜20%は炎症が持続し慢性肝炎となる。
肝機能異常が6ヵ月続くもの。
肝細胞の変性・壊死の病変がおこり、さらに間質(小葉間結合組織)に炎症細胞の浸潤・線維の増生(線維化)がみられる。



肝硬変
肝臓が萎縮して硬くなった状態のこと。
肝炎が慢性化し、肝細胞の壊死(実質の萎縮)が進むと共に、実質の萎縮した部分の代わりに
線維性結合組織が間質に増殖する。
つまり、間質にコラーゲンが増え、細胞の周りの間質が硬くなる。(実質が硬くなる訳ではない)
また、間質が増殖したことにより、実質が押されてさらに萎縮してしまう。


肝硬変が進むと・・・→
門脈系の血管が流れにくくなり、門脈圧が亢進する。
肝前:門脈圧亢進→食道静脈瘤・腹水


食道静脈瘤:硬くなった肝臓には血液が流れ込みにくく、肝へ入れなくなった血液は他の道を通り心臓へ戻る。
そのルートとして、食道の静脈を利用したものがあり、その為、静脈瘤となってしまう。
破裂すると、大出血となり、肺へ入り込み窒息により死亡する。


腹水:腹腔内臓器の毛細血管がうっ滞し、血漿成分が血管外へ漏れ出て生じる。
原因として、アルブミンの減少などが考えられる。


脾腫:脾静脈圧亢進と血液うっ滞により、脾臓が腫大したもの。(正常:50〜100g→異常:500g以上に)
脾機能亢進により、血小板などの血球が減少する。



肝細胞:ビリルビン代謝障害・アンモニア代謝障害・アルブミン生成障害


肝後:黄疸・浮腫・肝性脳症

肝性脳症:門脈圧亢進により、大静脈シャントが生じ、
アンモニアが代謝されずに蓄積し、肝性脳症を起こす。
また、肝機能不全にもよる。

★門脈大静脈シャント・・・消化器から門脈を経て肝臓へ至る血管が、大静脈に抜け道(シャント)を作ることで、
本来、肝で代謝を受けるはずの物質がシャントを通って大静脈へ直接流入することで、体循環に直接入り込んでしまう。
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