おしゃべり写真館    

■おしゃべり写真館 ■ −第13話−

スポーツ写真の面白さ 

 写真・文  しげお

 この数年、秋から冬、春にかけての週末は秩父宮ラグビー場通いである。秩父宮は撮影位置とグランドが近いので、低いアングルからの撮影が出来る。国立競技場では、高い位置からの撮影となってしまい、座席も狭くて、撮影も窮屈だ。観客席からの撮影だと、600ミリにしても遠くなってしまう。秩父宮のゴールポスト裏のグラウンドに向かって右側が私の定位置である。グランドレベルでの撮影が出来、社会人だと空いているので十分なスペースを確保できる。入場券も千円で安上がりだ。

 2試合あると13時から、1試合だと14時から競技が開始されるので、ゆっくりと出かけられる。駅までの途中でコンビニに寄り、ペットボトルのお茶とおにぎりを用意。今年の春から都営12号線(大江戸線)が国立競技場まで延伸したので、練馬から乗り換えなしで行けるようになった。

 EOS−3に300ミリF2.8レンズをエクステンダーで倍の600ミリにしてセットする。スポーツ写真だと一脚というイメージを持つ人も多いと思うが、私は三脚にしている。もう1台、EOS−5に100〜400ミリズームをセットして、脇に置く。三脚だと選手が近づいて来た時にそのまま手放せるので、カメラを持ち替えるのが楽である。


 BPCに入るまでは、ISO400のネガフィルムを常用にしていたが、例会がスライドプロジェクター中心なので、最近はポジフィルムを使っている。それも100を使うことが多くなった。シャッタースピードを125分の1程度にセットして、選手の動きを出すためである。おかげでまともな写真の写る確率が極めて低くなってしまった。フレームからはみ出したり、ぶれ過ぎてしまったり、トリミングなしで見せるのは厳しい。

 スポーツ写真の面白さは、狙っても撮れない、狙わなければ撮れない所だろう。狙い通り写った時の喜びは、射撃の面白さに通じるのかと思う。 最近新聞社のスポーツ写真は、ほとんどデジタル一眼レフに変わってしまった。写真部が使っているようなキャノンのD−2000(標準価格198万円)はとても手が出ないが、この秋にD−30が35万8千円で発売される。これだと実売価格が30万円を切るので買えない価格ではない。今使っているEFレンズが全て使える点も魅力的だ。CCDがAPSフィルムサイズなので焦点距離が1.5倍程度になり、300ミリレンズが450ミリ相当になる。これなら1.4倍のエクステンダーを付ければ、630ミリのF4.0となる。でも、そうなるとその場ですぐに写りが分かってしまい、現像があがってくるまでのワクワク、ドキドキが無くなってしまう。悩ましいところではある。


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