中高年のための二輪車統計  (99.5.17 資料UPDATE: 2001.4.1)


最新のデータとは言いにくいが、日本自動車工業会のホームページに、自動車と並んで二輪に関する統計資料が掲載されている。それによると、97年3月現在で二輪の保有台数が約1500万台、うち50cc以上が約430万台。年間販売台数は約120万台、うち50cc以上はグラフからは約30万台と読みとれる。

なかでも興味深いのは、二輪車ユーザーの平均年齢で、それが91年の33.6歳から97年は40.2歳にまで上昇している。つまり、数学的な計算式を無視して大ざっぱに言うと、半数が40歳以上の、いわゆる中高年ということになる。

250cc以上の中大型バイクに限るとどうなのか知りたいところだが、それについてのデータはない。それでも、これまで、若い人の専有物のように漠然考えられていたバイクが、今や幅広い年齢層に渡って利用されていることは以外なことだ。

加えて象徴的なのは、大型バイクが教習所で取得可能になったため、大型免許の取得者数が、96年の27,878人から、97年は97,169人へと大きく伸びたことで、これによって、大型バイクも需要が広がり、750cc以上のかつての輸出専用モデルも国内販売されるようになった。高価な大型バイクを購入できるのは、ある程度の収入があり、かつ生活にゆとりができてまたバイクに乗り始めた中高年がかなりの部分を占めている、という見方もあるが、多分買い替えで大型にステップアップという人も多いことだろう。

私も中年ライダーに数えられそうだが、考えてみると、わざわざ中高年と呼んで区別されるのも変なものだ。いままでバイクは若者のもの、しかもみな麻疹のように急にバイク熱に冒され、そしてすぐに冷めて四輪に転向するもの、と漠然考えられていた。反面、中年から始めたライダーは重症患者で、「回復」するどころか、限定解除にまで突き進んでしまう、とよく話のタネにされる。しかし、これらはいずれもステレオタイプ化された先入観なのだろう。若い時から長くバイクに乗り続ける人もいるだろうし、中高年からバイクを始める人はまだまだ少ないのではないか。そうすると、ライダーがそのまま年齢を重ねて、平均年齢を上げたとも言える。

それにしても、バイクに乗る人が幅広い年齢層に渡るのは喜ばしい限りだ。こうして、バイクが文化として根を下ろしていく基盤ができることにもなる。だが、バイクメーカーは大人が乗って絵になるようなモデルを用意しているだろうか。ほんとは250ccで十分なのに、大排気量バイクしか選択の余地がないというのは、どんなものだろう。

ところで、以前「犯罪統計」で触れたように、バイクの盗難は年間24万台。保有台数が1500万台というと、約60台に1台が盗難に遭う確率になる。趣味で乗る中高年のバイクは日常使うことよりも、週末や休暇にだけエンジンがかかる、という場合が多いことだろう。ふだんカバーのかっている大切なバイクは、それだけ余計に防犯に注意を払うことが必要になってくる。





資料 UPDATE (2001.4.1)



いずれも日本自動車工業会による統計資料。

1999年国内二輪販売台数の排気量別構成比。



1982 - 1999年国内二輪販売台数の推移。



1991 - 1997年ライダーの年齢別構成と平均年齢の推移。



1993 - 1997年大型二輪免許取得者数の推移。



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