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-66- (2018.1 - 2018.12) 


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 (2018/11/1) 
天空の龍の道 

苗場ドラゴンドラ」は、テレビでも紅葉スポットとして取り上げられるほどで、平日にもかかわらず大勢の観光客で賑わっていました。苗場スキー場と田代高原をつなぐ5.5KMのゴンドラは、紅葉真っ盛りの山を越え、谷を下り、その名の通り、まるで龍がうねって進むような空中散歩です。

私が新潟を往復する際によく通る、越後のもうひとつの紅葉スポットは、今月のタイトルグラフィックに使っている「魚沼スカイライン」。こちらも、見晴らしのよい魚沼丘陵の尾根をうねるように、龍の道が天と地の間を走っています。



 (2018/10/9) 
加計問題はどうなった? 

総裁選が終わったことだし、台風や自然災害に報道が集中しているこの時期とばかりに、加計学園の加計理事長がおとといの7日に記者会見を行いました。ライブで見ようとしたものの、ネット配信やチャンネルが見つからなかったので、それは叶いませんでした。当日のTVニュースでも報道がなかったり、扱いが小さかったので、録画の配信を探したら「日テレNEWS24」がノーカット映像を公開していました。

「加計学園」理事長ら記者会見 1〜4 new
日テレNEWS24 2018年10月7日 18:38
安倍総理の「腹心の友」といわれる加計孝太郎氏は、映像で見るたびにつくづく、首相のおじいさんの岸信介元首相によく似ているなあ、と思ってしまいます。それはともかく、今回の会見には主要なメディアの記者が集結して、容赦のない質問を投げかけていました。そのやりとりでびっくりしたのは、加計理事長が、愛媛県の公開している記録文書を読んでいない、と答えたシーン。
記者「愛媛県の文書には、まったく目を通されていないんですか?」
加計理事長「はい」
記者「これだけ問題になっているのに? これ(愛媛県文書)をもとに渡邉・元事務局長に質問をするとか聞き取りをするとか、そういうことはされていなかったんですか?」
加計理事長「はい」
加計理事長会見で珍しく新聞・テレビ記者たちが徹底糾弾! 1〜3
LETERA 2018.10.07
上記の引用は、会見の様子を的確にまとめた LETERA の記事から。記者の「諦めない」執着力を、野党ももっと見習わないとねえ。


 (2018/9/12) 
"Can you just let her win?" ー USオープン女子シングルス決勝戦の風刺画 

ウィリアムズ風刺画 オーストラリアのヘラルド・サン紙が掲載した一コママンガが人種差別だとの批判を浴びている、というニュースがありました。セリーナ・ウイリアムズの描き方が黒人蔑視だ、と言うのです。さらに、気になったのは、対戦相手の大阪なおみ選手が「小柄な金髪の白人女性として描かれている」ことも、根拠の一つにしています。

ところが、そのマンガを見てみると、なんのことはない、これは試合でのセリーナ選手の愚行を見事に風刺したマンガです。試合の映像を見れば誰でも分かるように、大坂選手は髪を染めていただけであって、それを「金髪の白人女性」とコメントするメディアもどうかしています。

そもそも、グランドスラムを23回も制覇しているというベテランプレーヤーが、たかが警告を受けただけで感情的にになって審判に暴言を吐くこと自体がおかしなシーンでした。ブーイングが起こったときに、私はてっきりセリーナ選手に対する抗議かと思いました。ところが解説者が、審判の判定に対するブーイングだ、というので、耳を疑いました。そしてすぐに、ははーん、と分かりました。

スポーツ解説者が誰も指摘してしないのが不思議ですが、あのセリーナの大騒ぎは、負けそうな選手が対戦相手に対して心理的に揺さぶりをかける作戦でしかありません。ヨーロッパのスポーツ選手がよくやるのを見ます。ズル賢いやり方、と私たち日本人は考えますが、勝つためなら明文化されたルールに反しない限り何でもやる、というのが彼らのやり方。

だから、その揺さぶりに動揺もせずに、プレーに集中した大坂選手は見事の一言。揺さぶり作戦は失敗したが、セリーナ選手はコテンパンに負けたという事実を隠すために、審判の不正判定で負けた、という同情を誘うことには成功しました ー 今のところは。ただ、それもいつまで続くものでしょうか。審判に対して、人差し指を向けて、You are the liar! と怒鳴る「レジェンド」は、黒人白人、男女に関係なく、マンガで描かれたよりも醜いテニスプレーヤーでした。それが演技だったとしても。

ヘラルド・サン紙はマンガが批判を受けていることに対して、作者を擁護して、「差別的」との批判に反論していますが、これもメディアとしての立派な対応。というのも、あの風刺画はセリーナ選手の描き方よりも、審判の吹き出しに意味があったと思うからです。

Can you just let her win?
あの子に勝たしてあげたら?


 (2018/7/15) 
"СПАСИБО"とブルーの折り鶴 

ワールドカップも今夜0時キックオフの決勝戦を残すだけとなりました。そんな最終日の今日、ベルギー戦の後、スタジアムを去った日本チームのロッカールームの写真をツイートした女性について、NumberWebが続報を掲載しています。

「1人の女性のツイートが日本、そして世界のサッカーファンの心を掴んだ。そのツイートには、日本代表が使用したロッカールームの写真が添えられていた」という書き出しで始まるその記事は、ツイートしたFIFAゼネラル・コーディネーターの Priscilla Janssens さん(オランダ人)が解任されていたことを伝えています。

多くの人の心を動かしたプリシラさんのツイートだが、その後、彼女は当該のツイートを削除し、そして大会期間中にも関わらず、任務を解かれている。
「突然、私の冒険は終わりを迎えてしまいました。モスクワに戻り、帰路につきます。FIFA、そしてロシア、関係者の皆さん、素晴らしいトーナメントの一員にさせてくれてありがとうございます」
「日本の綺麗なロッカー」騒動とは。ツイート削除、解任、そして気高さ。
NumberWeb Overseas Report 及川彩子 posted 2018/07/15 08:00
[追記 7/17: 上の記事で引用されているヤンセンスさんのことばは、彼女のツイッターからのものですが、それを見ると、ツイートの日付は7月3日、つまり試合の翌日でした。ただ、文中の「関係者の皆さん」は、実際には「そしてもちろん特にロストフ(の皆さん)に」となっています。きっとロストフで行われた全試合でのコーディネートが任務だったのでしょう。日本ーベルギー戦がここで行われる最後の試合だったので、コーディネーターとしての仕事はほぼ終ったことも関係していそうです。]

このロッカールームの写真が世界中で話題になっていることは、テレビの報道で知っていましたが、だれがツイートしたのか、そのツイートの文面も知らないでおりました。約7時間後には削除されたというそのツイートは以下のとおりです。

This is the Japanese dressingroom after losing to Belgium in the 94' minute. Thanked their fans in the stadium, cleaned up everything (bench and dressingroom) and spoke to media. Even left note with 'thank you' in Russian. What an example for all teams!! Privilege to work with!

これは94分[のゴール]でベルギーに破れた日本のロッカールーム。スタジアムのファンに感謝し、すべて奇麗にして(ベンチもロッカールームも)メディアにも対応した。さらにロシア語で「ありがとう」のメモを残した。全てのチームの何という模範!! 一緒に仕事ができて光栄!
そうして記事は「おそらくボランティアを含む大会関係者が遵守すべき「守秘義務」への違反が問題になったのだろう」と添えています。

日本チームのスタッフによれば、奇麗に掃除して去るのはいつものことで、今回に限った特別なことではない、とのことですが、特別なこととは、これに感動してツイートしたのがFIFAの運営スタッフであるということ、そして彼女がそうしたのは日本の闘いぶりに感銘を受けたためで、おそらく守秘義務違反で解任されることも覚悟で投稿したであろう、と想像できること。

憶測はともかく、今大会のベストショットとして記憶される一枚でしょう。海外の記事にもいくらか目を通しましたが、「スパシーバ」のメモの前にブルーの折り鶴が置かれていることは、気づかれていないようでした。



 (2018/6/30) 
W杯指揮官の決断力 ― 「ボール回し」のもう一つの視点 

28日の対ポーランド戦は、深夜11時からの試合にも関わらず、瞬間最高視聴率が54%になるほどの注目を集めました。もちろん私もライブで見ておりました。それだけに、試合終盤での日本のボール回しには、なんと思い切った作戦に出たものよと、西野監督の決断を尊重すると同時に、ピッチ上の選手たちがブーイングに耐えている姿がいたましくも感じました。これには賛否両論の意見が出るだろうと予想しましたし、実際ネット上のアンケートでも賛否が二分されています。

テレビのワイドショーやメディアの記事での論評は、意外にもどれも似たような、予想されたものばかりで、残念ながら私の意見の代弁者がほとんどいません。私の見方はシンプルなもので、

ポーランド戦の戦術の可否・賛否は、決勝トーナメント第1戦の結果とセットで論ずべし
というものです。ゲーム終了前のボール回しだけを切り取って議論されていますが、そもそも、先発メンバーを6人も入れ替えてポーランド戦に臨んだということは、決勝トーナメントで1勝することを見据えた作戦であることが分かります。そのためにはポーランドに対して先に1点を入れるか、0−0で終るということが前提だったのではないか。それが逆に1点を先取され、それを取り返そうと無理するとカウンターを食らうリスクが高い、ということは見ていた素人の私にも感じられました。

ですので、非難を浴びることを覚悟でよく決断したものだ、とむしろ監督の決断に感心したものです。これは、お雇い外人監督にできることではありません。さらに言えば、このボール回しは、今年4月なでしこが、来年のフランスW杯への最終予選でオーストラリアと1−1で引き分けて出場を決めた試合でも見られた戦術でした。その時は全く賛否の議論はなかったと思います。目的はW杯への出場だったからです。今回は、トーナメント進出自体が目的ではなく、そこで1勝を上げることが目標のはずです。

もしも、ベルギーに勝ったら、日本ばかりか世界中のメディアが手のひら返しに西野監督のボール回し采配を賞賛するでしょうし、ぼろ負けしたら、さらに酷評されることになるでしょう。セネガル戦で、点をとられたら取り返し、またとられたら再度追いついた、というシーンは、見ていて7年前のドイツW杯で、なでしこがアメリカに勝利した決勝戦を思い出させるものがありました。



 (2018/5/7) 
日本国憲法の上位に位置する地位協定 

憲法記念日についてどこかのニュースで、翁長沖縄県知事が日米地位協定と日本国憲法の上下関係について語ったことを報じていました。あとでYahoo!ニュースで探したら、番組の動画つきで掲載されていました。発言を引用すると、

「日米地位協定、あるいは日米安保条約が法律や憲法の上位に位置しているのではないか」
(翁長雄志 沖縄県知事、2016年)
【現場から、】 憲法の力が及ばない在日米軍
TBS NEWS 5/2(水) 19:51配信
よく考えると、報道各社が行うアンケートに「改憲に賛成か反対か」という質問はあっても、その憲法の上に置かれている日米地位協定についての問いかけがないことに、主権国家としての危うさを感じます。憲法改正を声高に叫ぶ安倍晋三総理が、この不平等条約の改正を言い出せない理由そのものが「改憲問題」の根柢に横たわっています。


 (2018/3/23) 
明治維新150年の不都合な真実 

河北新報が「<戊辰戦争150年>論考・維新と東北」のタイトルで、作家や研究者が改めて戊辰戦争を問い直す特集記事を連載しています。Yohoo!ニュースのトップで紹介されていました。これはYahoo!編集部の見識とも言えるでしょう。その連載初回で、作家の原田伊織さんが現在でも続く維新史観をこうコメントしています。

新政権は前政権、前時代を全否定し、自分たちを正当化する歴史を書く。これは古今東西を問わずよくあること。ただ多くの民族は一定期間を経て誤った歴史を修正する。日本人はそれをやらずに大東亜(太平洋)戦争に突き進み、国家を滅ぼした。
 戦後も検証されず、そこへ連合国軍総司令部(GHQ)支配の鬱屈(うっくつ)した社会心理を打ち払うかのような作品とともに司馬遼太郎さんが登場し、たちまち国民的作家となった。大学の大先輩で尊敬する面は多々あるが、吉田松陰、坂本龍馬をはじめ、明治維新に関して書いているものは大半がフィクション。「官軍史観」に「司馬史観」が重なり、明治維新に対する誤った理解が定着してしまった。
<戊辰戦争150年>論考・維新と東北(1)「官名乗る賊徒に従わず」
河北新報 ONLINE NEWS 2018年03月21日
安倍政権の元、都合の悪い公文書が改ざんされたことは、敗戦直後に日本軍がいとも簡単に戦時の記録・機密文書を焼却した事実と重なって見えてきます。幕末から明治維新の歴史にしても、その真実の検証はずっと課題であり続けています。


 (2018/3/12) 
1年経って「日本(にっぽん)会議」の名が公文書に 

森友学園の国有地売却にかんする決済文書について、財務省が行った改ざんの詳細が発表されました。ワイドショーで速報を見ていると、加工される前の映像や、生出演のコメンテーターによる検閲なしのプレゼンに興味が尽きません。そのうちのひとつが、文書から削除されていた政治家の名前です。

削除された中に、森友学園の概要の記述があり、籠池氏が「日本会議大阪代表・運営委員」であることを紹介したくだりがあったのですが、大手メディアが報道を自粛する中で、JCASTがその部分を以下のように引用しています。

「なお、国会においては、日本会議と連携する組織として、超党派による『日本会議国会議員懇談会』が平成9年5月に設立され、現在、役員には特別顧問として麻生太郎財務大臣、会長に平沼赳夫議員、副会長に安倍晋三総理らが就任」
財務省が削除した「安倍夫妻」記述のすべて 「森友書き換え」78ページ公表
3/12(月) 19:54配信 JCASTニュース 
「日本会議」コネクションから、森友学園スキャンダルの裏側が透けて見えてきます。


 (2018/1/10) 
20年 ― 変わったもの、変わらないもの 

今年の8月で、当サイトは開設から20年になります。この20年でバイクの世界もずいぶんと様変わりしました。バイク窃盗にかんしては、10年前に『バイク盗難統計の10年 』にて、グラフ化して概観しました。盗難の件数自体はその後も減少が続いて、平成28年度の犯罪統計には、認知件数が 24,305 、うち50cc超が 7,542 とあります。(警察庁『平成28年の犯罪情勢』) 20年前の24万台が今では2万4千台と、10分の1になりました。

この被害件数の減少の背景のひとつに、バイクの転売市場の縮小がまず挙げられます。市場があったから犯罪が生まれたのであって、逆ではありません。さらに、被害件数が減ったからといって、喜ぶのも早計です。「増えている、減っている」というのはニュース記事の扱いであって、犯罪はその件数が増えていようが減っていようが、被害者にとってはどうでもいいことです。今後は稀少車やそのパーツなど、高価で転売できるものが標的になっていくものと警戒しています。

ともあれ、20年前に比べたら、インターネットと通信の環境は劇的に変化しました。当サイトはダイヤルアップ接続が一般的だった時代に誕生したので、データが軽くなるよう設計しておりました。それからISDN回線、ADSLそして光回線と、桁違いに通信速度が上がりました。しかも情報端末も、パソコンから携帯、スマホと広がり、いまやスマホもパソコン並みの性能と価格を誇っています。

しかし、インターネットと通信のこうした変化・成長は90年代後半にはすでにほとんどが予測・想像されていたものです。その反動もあるのか、エンジンと二つの車輪という、変わらないパラダイムの乗り物として、未だバイクを手放す気にはなれません。私のバイクはもうすぐ製造から30年を迎えます。

* しばらくのあいだ過去に使ったタイトルグラフィックを週替わりで回顧いたします。




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