CREEP


「みんなが、   の事イジメるの…」
「なんでだろうな、おまえカワイイのに。今度、そいつら連れてきなよ。オレがやっつけてやる」

「エーシ…、大好き」




 あ………。







「は?俺に妹?」
「うん…、いる?」
 飛鳥(とびと)と中村に出会い、色々考えるうち、ひとつ思い出した事がある。
 綺麗なプラチナブロンドを腰まで伸ばした、可愛らしい少女…。公園で見つけると、いつも一人で泣いていた。「悦司」と発音する事ができず、自分の事を「エーシ」と呼んだ…初恋の少女。
 今思い出すと、彼女のグリーンの目は、飛鳥によく似ていた気がする。

「うん…、いるけど。…なんで?」
「え…えぇと、多分、俺の初恋のコ…だと思うんだけど」

「ハ?」

「それで…、ちょっと名前が思い出せなくて……。中津川の妹って、なんて名前?あ…、それと、写真とか…―――」

「ヤダ」

 そう言って、すねたようにソッポを向く飛鳥に、唖然とする。
「え……、べ、別にちょっと思い出したから気になっただけで…、今すぐ会わせろとか言う訳じゃないんだし……」

「ヤダ。教えない、見せない。絶対会わせない」
「なっ……!」
 取り付く島のない飛鳥の態度に、悦司も思わずムッとして飛鳥を睨み付けた。
 そんな悦司を、飛鳥は冷めた目で見下ろした。
「悦司さ、俺の事は全然思い出してくれないクセに、余計な事だけ思い出して…、それでそんな事を俺に聞くわけ?……ちょっと酷いんじゃない?」

「…え………」

  小説 TOP