・后(きさき)兄弟・
異星の王子様 27
●尚也
「シュリオンの友達は、
皆、顔のレベルが高い子ばかり
だったな。さすがは私の甥だ」
●和也
「そうなのか。
…でもな尚也、そんな風に
顔で全てを測るような言い方は、
良くないぞ?」
●尚也
「何を言っている、兄さん…。
シュリオンの顔を見ろっ。
美しい人間には美しい友人が
必要なんだ!
美しく生まれついたが故の
苦悩や危険なんて、
美しくない者には理解できない!
そんな悩みを美しくない人間に
吐露してみろ。
あいつらイヤミとしか
受け取らないぞっ」
●マリオン
「あ〜、それは確かに
あるかも〜…」
●尚也
「大体、あいつらは、自分の
欠点を全て顔のせいにして、
自分の心の矮小さから
目をそらしているんだ!
美しい人間を嫉むだけで、
美しい者が、美しいという
だけで、日々どれ程の危険と
隣りあわせで生きているかなど、
考えもしないっ!!」
●シュリオン
「だねー。
自分の内面の醜さに気付きたく
ないから、外面的な欠点に
責任をなすり付けようと
するんだろうね」
●尚也
「汐瑠君っ!
お外は危険がいっぱいだ!
絶対に私の側を離れるな!!
宇宙人などにだって絶対に君を
渡すものかっっ!!」
●汐瑠
「だ…大丈夫ですよ、后さん。
僕はどこにも行きません。
落ち着いて…」
ハラハラ…。
●和也
「す…、すまない。
兄さんが悪かった…」
尚也……。
●シュリオン
いつもは完璧に見える
尚也さんの、心の闇が
垣間見えた気がしました…。
※尚也からは、地雷に
触れるような話題になると、
少々過激な問題発言が
飛び出る事がありますが、
他意はありません。
本人のトラウマに寄るものと
ご理解下さい;
てか、「あいつら」て誰ね…。
●マリオン
「でもさー、今日、
他の子達を見て思ったのは、
確かにみんな可愛いんだけど、
やっぱりシュリオンが一番!
一番可愛いし、一番賢いし、
もう完璧〜。やっぱり
他の子とは全っ然違うよ〜!
もう、格が違うって感じっ」
●シュリオン
(うわ〜ぁ、見事な親バカだね。
ここで真に受けて、
いい気になっちゃうと、
とんでもない勘違いヤロウに
育っちゃうだろうから、
気をつけないと…)
●マリオン
「それはそうと、和也ってば
市長になったじゃない?
お給料も上がったんだけど
ここって銀行とかないし、
どうしたらいいかな?」
そうなんです。和也は、
シムシティの市長になりました。
市長に男の嫁がいても、
全くスキャンダルにならない、
素晴らしき街シムシティ!
●尚也
「そうか…。やはり
金庫を買うしかないだろうな」
●シュリオン
「えー!金庫〜?
なんかカッコイイ〜♪」
●シュリオン
「あ…、そうだ汐瑠さん……」
●汐瑠
「ん?なあに?」
●シュリオン
「なんか、ジェラルドに
『汐瑠さんが性格破綻者って
いうのは本当か』って
訊かれたんだ」
●汐瑠
「…そ、そう………;」
●シュリオン
「なんか、
よくわからなかったんだけど、
尚也さんがそう言ってたって
言うから、『誰にも言わないで
ね』って言っておいたよ。
これで良かったかな…?」
●汐瑠
「…あ…ありがとう………」
あう〜…(T-T;)