ヘリオブルーレディッシュ

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 どどどどうしてキョウがここにっ……!?









 カチ、カチ、カチ…。

 時計の音が、妙に耳に触れる。

 生一は、突然現れた共一をとりあえず部屋に招き入れ、テーブルの角を斜めに向かい合う

形で座っていた。



「キョ…キョウ…、学校は…?」

 何か話さなくては…っと、無難な質問を投げかけてみるが…。

「ああ…。気にするな」

 ……会話が続かない。
                  はず
 用があるから来たのであろう筈の共一は、なぜかずっと黙ったままで、まして生一は、昨日の

事もあり、完全に萎縮してしまっている。場の空気を和ませるような話題を思いつく訳もなく、

何を話して良いのかわからない。それどころか、どんな顔をして良いのかもわからない。
                                                   みじん
 昨日あんなに怒っていた共一が、突然目の前に現れ、その表情には昨日の怒りは微塵も感

じさせない…。もしかしたら、もう二度と声をかけてもらえる事もないのかも知れない、とすら思っ
                                     まさ
ていた生一としては、嬉しさよりも、困惑と新たな不安の方が勝っていた。



「…寝てなくて大丈夫なのか?」

 生一の中で、もしかしたらハッキリと絶縁宣言をしに来たのではないか…。などという不安が
   もた
頭を擡げはじめた時、沈黙を破って、共一が静かに言葉を発した。

「えっ…?」

「……あいつ…、久堂に、お前が具合悪くて寝込んでると言われた」

「蘭ちゃんが……?」

 なるほど、それで様子を見に来てくれたらしい。…でも、どうして?

 昨日の今日で、共一が生一の事を心配してくれるなどと、生一には到底思えなかった。



 わからない。何をどう感じていいのかも、わからない。

 共一が何を考えているのか、わからない…。




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