Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




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 障子を開けた途端飛び込んできた光景に、涼介は固まった。

「なななななんで、あんたここに……」

 声を上ずらせて指をさしているのは、

まぎれもなく探していた梅宮みのり本人だ。

涼介はこれまでのことを思い芯から脱力する。

「それはこっちの話だよ」

 肩を落として思いを吐露する。

いろいろとイレギュラーな問題はあったが、

そもそもはこのお嬢様を探すことが目的だったのだ。

すぐに見つかるのならなぜ自分に探させなどしたのだろう。

非難を込めて兄の雅秋を見つめるが、

雅秋はこちらの視線を無視して話を進める。

「私が呼んだのですよ。みのり様の駒としてお使いください」

「はぁ? 駒?」

 素っ頓狂な声をあげて答えるみのりを横目に、涼介もかぶりを振った。

「冗談じゃない。俺だって忙しいんだから無理ですよ」

 吐き捨てるように告げるその横で、

みのりがいらついたように足を鳴らし続ける。

仁王立ちをしているその後ろから長身の男が彼女へそっと耳打ちした。

「お嬢様、ガラが悪くなっていますよ」

「うっ……」

 みのりが小さくうめく。

その後ろですましている青年を見て、涼介は目を剥いた。

「碧さん!」

 まさかこんなところで会えるなんて。

驚いて叫ぶと碧がゆっくりと首を傾けた。

「お久しぶりです。大きくなられましたね、涼介君」

「お、おお、お久しぶりです! 覚えていていただけて光栄です!」

 慌てて一礼すると、くすくすと笑い声が降ってくる。

涼介はあの頃よりずっと垢抜けた碧の顔を前に、気分が高揚するのを感じた。










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