Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
六
II
「ふー、どうですか涼介君、なかなかのお湯でしょう?」
露天風呂の湯船につかりながら、碧が満足げに吐息する。
涼介も碧の隣に並び息をついた。
「はい。本当にいいお湯ですね〜」
深々と同意していると、
い茶色の塀の向こう側から黄色い声が聞こえてきた。
「きゃっ、ちょっと雪姫冷たいわよ」
「ん? みのりさん?」
確かに今のはみのりの声だったはずだ。
涼介はみのりが何か話しかけてきたのか、と塀をふり仰ぐ。
するとそこへ、別の声がした。
「そなたが熱いと言うから冷ましてあげたマロよ」
どうやら雪姫の声らしい。
(まあ、騒いでるだけか。まぎらわしいなあ……)
軽く肩を落としていると、碧が愉快げに微笑んだ。
「ここは女湯と隣合わせになってる作りだったのですね」
「……え、ええっと……は、はい……」
なんでそんなに嬉しそうなのだろう。
碧の言葉に内心で首をかしげつつも、涼介は頷いた。
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