Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




II




「ふー、どうですか涼介君、なかなかのお湯でしょう?」

 露天風呂の湯船につかりながら、碧が満足げに吐息する。

涼介も碧の隣に並び息をついた。

「はい。本当にいいお湯ですね〜」

 深々と同意していると、

い茶色の塀の向こう側から黄色い声が聞こえてきた。

「きゃっ、ちょっと雪姫冷たいわよ」

「ん? みのりさん?」

 確かに今のはみのりの声だったはずだ。

涼介はみのりが何か話しかけてきたのか、と塀をふり仰ぐ。

するとそこへ、別の声がした。

「そなたが熱いと言うから冷ましてあげたマロよ」

 どうやら雪姫の声らしい。

(まあ、騒いでるだけか。まぎらわしいなあ……)

 軽く肩を落としていると、碧が愉快げに微笑んだ。

「ここは女湯と隣合わせになってる作りだったのですね」

「……え、ええっと……は、はい……」

 なんでそんなに嬉しそうなのだろう。

碧の言葉に内心で首をかしげつつも、涼介は頷いた。










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