Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
七
I
「ああ。吉田太一君っていう子なんだ。たぶん小学生だと思う」
みのりへ告げると彼女が素っ頓狂な声をあげた。
「小学生!!」
「うん」
やはり驚くよなあなどと思いつつ頷いていると、
横合いから碧が口を開く。
「おやおや、それはまた小さな協力者さんですね」
「ええ。そうなんですよ。俺も驚きました」
涼介は碧の言葉に肯定する。
(今時あんな健気な子がいるのも珍しかったしなあ)
内心で呟いていると、
雪姫がいつの間にかやってきて小さな手を膝へ乗せてきた。
「わらわも小さいマロよ?」
「小ささで言ったら雪姫が勝ち」
「えっへん」
小さく鼻を膨らませる雪姫と紅の会話に自然と口元が綻ぶ。
ほっこりした気持ちで2人を眺めていると、
碧が小さく息をついてきた。
「あー、紅。そんな突っ込みを入れる君はとても可愛い。
でも論点が少し違うかな?」
ためらいがちな碧の訂正をみのりが解説する。
「紅、一応言っておくけど
協力者の小さい大きいで勝負してるわけじゃないからね」
みのりの言葉に紅がきょとんと首をかしげた。
紅の行動に対しみのりが少し目を瞠る。
それから、ゆるゆるとかぶりを振った。
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