Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




I




「ああ。吉田太一君っていう子なんだ。たぶん小学生だと思う」

 みのりへ告げると彼女が素っ頓狂な声をあげた。

「小学生!!」

「うん」

 やはり驚くよなあなどと思いつつ頷いていると、

横合いから碧が口を開く。

「おやおや、それはまた小さな協力者さんですね」

「ええ。そうなんですよ。俺も驚きました」

 涼介は碧の言葉に肯定する。

(今時あんな健気な子がいるのも珍しかったしなあ)

 内心で呟いていると、

雪姫がいつの間にかやってきて小さな手を膝へ乗せてきた。

「わらわも小さいマロよ?」

「小ささで言ったら雪姫が勝ち」

「えっへん」

 小さく鼻を膨らませる雪姫と紅の会話に自然と口元が綻ぶ。

ほっこりした気持ちで2人を眺めていると、

碧が小さく息をついてきた。

「あー、紅。そんな突っ込みを入れる君はとても可愛い。

でも論点が少し違うかな?」

 ためらいがちな碧の訂正をみのりが解説する。

「紅、一応言っておくけど

協力者の小さい大きいで勝負してるわけじゃないからね」

 みのりの言葉に紅がきょとんと首をかしげた。

紅の行動に対しみのりが少し目を瞠る。

それから、ゆるゆるとかぶりを振った。










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