Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




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「早くこないとおいてくよ」

 みのりの言葉に対し振り返らず告げると、

みのりが不満げな言葉を紡いでくる。

「おいてくって、

あんたの中にはレディーファーストっていう言葉はないわけ?」

「君以外の女性なら適用可能だよ、その単語」

 本当ならみのりに対しても適用可なのだが、

なんとなく素直になれず憎まれ口をたたいた。

「本当にさっきからむかつく男ね」

 忌々しげなみのりの声に涼介はこっそり息を吐きだす。

本当はもっと気遣いたい部分はあるのだが、

彼女が相手だとどうにも素直になれない。

(むかつく男……か……)

 自業自得だとは思いつつもちくりと痛む胸を無視して立ち止まる。

「無駄口はいいから足を動かしなよ、みのりお嬢さま」

 トニーズの黄色い看板を指をさして見せると、

後方にいたみのりが叫んだ。

「動かしているでしょう!」

 鼻息を荒く足を踏み鳴らすみのりを振り返る。

頬をぷくりと膨れさせているみのりを見て、涼介は目尻を和ませた。










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