Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
四
A
「お客様は2名様でよろしいですか?」
「はい」
「おタバコはお吸いになりますか?」
「いえ、禁煙席でお願いします」
(確かレジの近くによくわからないおもちゃが売ってたわよね)
みのりはキョロキョロとあたりを見回す。
「かしこまりました。では、ご案内いたします。こちらへどうぞ。
2名様、禁煙席へご案内いたしまーす」
(あ、あったわ。あれね)
レジ横の棚に所狭しと置かれている商品へ近づこうとする。
しかし涼介の声がそれを阻んだ。
「みのりさん、行くよ」
「え、えぇ。わかってるわよ」
何しているんだと言わんばかりに眉間にシワを深く刻んでいる
涼介のあとをみのりは何事もなかったようについて行く。
本音を言えばもう少しおもちゃコーナーを見たかったが、
そんなことをすれば涼介に鼻で笑われてしまうに違いない。
ただでさえバカにされているというのに、
自ら墓穴を掘ること避けるべきだろう。
それでも周りが気になり、他の席を観察する。
(あの人が食べてるハンバーグ美味しそう。
あ、あっちの人のケーキもいいな)
今度はもう少し空腹のときに来よう。
みのりが心で誓っている内に、席へ到着した。
涼介が角を詰めるように座る。
みのりはその向かい側に腰を下ろした。
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