Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




A




「お客様は2名様でよろしいですか?」

「はい」

「おタバコはお吸いになりますか?」

「いえ、禁煙席でお願いします」

(確かレジの近くによくわからないおもちゃが売ってたわよね)


 みのりはキョロキョロとあたりを見回す。


「かしこまりました。では、ご案内いたします。こちらへどうぞ。

2名様、禁煙席へご案内いたしまーす」

(あ、あったわ。あれね)


 レジ横の棚に所狭しと置かれている商品へ近づこうとする。

しかし涼介の声がそれを阻んだ。


「みのりさん、行くよ」

「え、えぇ。わかってるわよ」


 何しているんだと言わんばかりに眉間にシワを深く刻んでいる

涼介のあとをみのりは何事もなかったようについて行く。

本音を言えばもう少しおもちゃコーナーを見たかったが、

そんなことをすれば涼介に鼻で笑われてしまうに違いない。

ただでさえバカにされているというのに、

自ら墓穴を掘ること避けるべきだろう。

それでも周りが気になり、他の席を観察する。


(あの人が食べてるハンバーグ美味しそう。

あ、あっちの人のケーキもいいな)


 今度はもう少し空腹のときに来よう。

みのりが心で誓っている内に、席へ到着した。

 涼介が角を詰めるように座る。

みのりはその向かい側に腰を下ろした。










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