Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




IA




「それを言ったらあんただって、

私に癒えない傷をつけたんですからね!」

 みのりが不愉快げに顔を背けた。

「俺は女の子にそんなひどいことは言わないよ。言うわけがない」

 涼介は鼻で笑い、手を横に振った。

「言ったんですー」

「言ってないね!」

 口をすぼめて語尾を伸ばしてくるみのりに、涼介も叫び返す。

だが、みのりはへこたれた様子もなくそっぽを向いて、

大仰な溜め息を吐いてきた。

「私がどれほど傷ついたか!」

「その言葉、そっくり返すよ」

 みのりの答えに間髪入れず返すと、

店員の場違いな明るい声が響く。

「お待たせいたしました。

アイスクリームと抹茶アイス付あんみつでございます……」

 途中で不穏な雰囲気を悟ったらしい。

気まずそうな顔をする店員に対し、涼介は愛想笑いを浮かべた。










一つ前を読む   GPの部屋に戻る   次を読む





QLOOKアクセス解析