Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
五
@
外にでた涼介は、
ポケットでもがいている手のひらサイズの雪姫を早々に救出した。
「ぷはっ、何をするんだマロ!」
「すみません。痛かったですか?」
甲高い声で非難してくる雪姫へ謝るも、彼女はかまわず大声をだし続ける。
「のみーのみはどこマロー!」
叫ぶ雪姫を落ち着かせようと、涼介は尋ねた。
「のみさんってどんな方なんですか? 雪姫様」
「の、のみは、わらわの友マロ。呼べばすぐに来てくれたマロ。
いつも一緒にいたマロ。それなのに……それなのにー!! の゛み゛ー!!」
優しい声を意識して問いかけた言葉だったが、
その甲斐もなく雪姫の鳴き声があたりに響き渡る。
「の゛み゛は゛と゛こ゛マ゛ロ゛ー!!」
割れるほどの声で号泣する雪姫を前に、涼介は慌てて雪姫をあやした。
「ああ、泣かないで。どうにかして捜しますから」
パーカーの袖で涙をぬぐっていると、後方から明るい声がした。
「お待たせ! って、まだ泣いてるの?」
呆れた様子のみのりに対し涼介は頷く。
「ああ、なんかのみさんに会いたいってことらしいんだけど。君、知ってる?」
みのりへ問いかけると、彼女は顎に指をあてた。
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