Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




H




「いやあ、うちの兄貴たちとはぜんぜん違いますよ。

紅さんがちょっとうらやましいなあ」

「僕の紅はとても可愛いですからね」

「なるほどー」

 やはり碧はすごい。

深く頷いていると、みのりが腕に肘をあててきた。

「妹思いの思いがあなたの思ってるようなのとは違うわよ」

 こっそり声をかけてくるみのりに目を向ける。

「紅さんのことを大事に思ってるってことだろ?」

「それはそうなんだけど……」

 目をしばたたいているとみのりが言いにくげに語尾を濁した。

(どういう意味だろう?)

 少し疑問には思うものの、

やはり幸せそうな碧の表情がそれを忘れさせた。

  「いいなあ、兄妹って……」

 しんみりしつつ呟くと、みのりが形のよい眉を顰めた。

「あんたのお兄さんだって、

それなりにあんたのことを心配してるじゃない」

「あれは心配の内容が違うんだ」

 みのりの言葉が胸に突き刺さる。

そうだ。あんなのは心配とは言わない。

唇を引き結び、痛みを隠して口の端をあげてみせると、

みのりが小さく目を見開いた。










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