Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
五
I
「そう、なの……」
みのりが視線を逸らし答えてくる。
重くなった空気をフォローしようとしていると、
それより先に碧が首肯してきた。
「そうですよ。涼介君の言う通りです。
僕以上に紅のことを想ってる人間はいないですからね」
こちらの話は丸聞こえだったらしい。
頬をかいているのを尻目に、碧が紅に抱きつこうと腕を広げる。
それが照れ臭かったのだろう。
紅が碧の腕をすり抜けみのりへと近づいた。
「お嬢さま、手に乗ってるの何?」
「紅には見えるの?」
紅の言葉にみのりが驚きの声をあげる。
雪姫を乗せてる手をあげてみせるその横で、碧が大声をあげた。
「紅ー!!」
本当にうらやましい。
紅に躱されて嘆く碧の姿を見つめながら、涼介は小さく吐息をついた。
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