Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




I




「そう、なの……」

 みのりが視線を逸らし答えてくる。

重くなった空気をフォローしようとしていると、

それより先に碧が首肯してきた。

「そうですよ。涼介君の言う通りです。

僕以上に紅のことを想ってる人間はいないですからね」

 こちらの話は丸聞こえだったらしい。

頬をかいているのを尻目に、碧が紅に抱きつこうと腕を広げる。

それが照れ臭かったのだろう。

紅が碧の腕をすり抜けみのりへと近づいた。

「お嬢さま、手に乗ってるの何?」

「紅には見えるの?」

 紅の言葉にみのりが驚きの声をあげる。

雪姫を乗せてる手をあげてみせるその横で、碧が大声をあげた。

「紅ー!!」

 本当にうらやましい。

 紅に躱されて嘆く碧の姿を見つめながら、涼介は小さく吐息をついた。










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