Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




D




(完全に油断してた!)

 だが、両の手を塞がれた今の自分にはどうすることもできない。

そうしている間にも、状況をすぐに悟ったらしい厳つい顔の男が動いた。

「させるか! お前を捕まえてやる!」

 舌を打ちつつ太一の足をひっぱり倒した。

「いたっ!」

 太一が叫び痛みを訴える。

「太一君!」

 助け起こそうとするみのりへ、

ここぞとばかりに太一の足を解放した厳つい顔の狸が飛びつく。

「きゃあ!」

 みのりの叫び声を耳にした途端、頭に血が上った。

涼介は夢中で眼前の黒髪の狸男の足を払い手を振りほどく。

「太一君! みのりさん!」

 急いで倒れている太一へ駆け寄り抱き起こすと同時に、

みのりの位置を確認した。

「みのりさん!」

 前方に肩を掴まれているみのりが見える。

みのりが男の手を振り払おうとすると、狸男がみのりの髪を男が掴んだ。

「お嬢さま!」

 後方からやってきていた紅が悲痛な声をあげた。










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