Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




IB




(なんだろう……)

 言いたいことがあるなら遠慮せずに言ってくれればいいのに。

そうは思うが自分も言葉がでず、目を逸らすこともできない。

コンタクト越しだとしても、やはり綺麗な目をしている。

吸い込まれそうだ、と半ば霞みがかった頭でぼんやりと考えていると、

端から声があがった。

「おじちゃん、なんでお兄ちゃんとみのり様は動かないの?」

 太一の声に涼介は我に返る。

そういえば、この状況はどうにも弁解がしづらい。

いきなり現実に引き返され身を硬くしていると、

太一の横にいるらしい善郎の声がした。 

「あれはな、青春ってやつだからだ」

「ふーん。そうなんだー」

 善郎の言葉に太一が律儀に同意するのを聞き、体温が一気に上昇する。

(そ、そんなつもりは……)

 否定しようとして、

だが、完全にない、とも言い切れず言葉を飲み込んでいると、

さらに善郎が追い打ちをかけてきた。










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