Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
五
IB
(なんだろう……)
言いたいことがあるなら遠慮せずに言ってくれればいいのに。
そうは思うが自分も言葉がでず、目を逸らすこともできない。
コンタクト越しだとしても、やはり綺麗な目をしている。
吸い込まれそうだ、と半ば霞みがかった頭でぼんやりと考えていると、
端から声があがった。
「おじちゃん、なんでお兄ちゃんとみのり様は動かないの?」
太一の声に涼介は我に返る。
そういえば、この状況はどうにも弁解がしづらい。
いきなり現実に引き返され身を硬くしていると、
太一の横にいるらしい善郎の声がした。
「あれはな、青春ってやつだからだ」
「ふーん。そうなんだー」
善郎の言葉に太一が律儀に同意するのを聞き、体温が一気に上昇する。
(そ、そんなつもりは……)
否定しようとして、
だが、完全にない、とも言い切れず言葉を飲み込んでいると、
さらに善郎が追い打ちをかけてきた。
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