Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




A




 目を覚ますと善郎と碧はすでに着替え終えていた。

慌てて起き上がり着替えると、

もうすぐ食事ですよ、と碧に微笑まれる。

まだ眠っている太一を起こすと、

太一が目を擦りながらおはようと、挨拶をしてきた。

着替えていくから先に行っていて、と気を遣ってきた少年に礼を言い、

碧たちとともにみのりたちの部屋へ向かう。

声をかけて入ると野木崎を覗く女性陣がテーブルでお茶を飲んでいたので、

涼介は挨拶をする。

入れてくれたお茶に口をつけてほっと息を吐いていると、

閉ざされた襖がおもむろに開いた。

「おはようございます」

 野木崎が少し気後れしたようすで声をかけてくる。

「おはようございます。野木崎さん」

「おはようございます」

 碧が挨拶を返すのに倣いお辞儀すると、

後ろから入ってきた善郎が軽く手を挙げた。

「おう、よく眠れたかい?」

「大丈夫ですか? 律子さん!」

 小越が席を立ち野木崎へ近づく。

「おはようございます。体調のほうはどうですか?」

 お茶を入れながらみのりが尋ねると、紅が律子へ向かい目礼した。

「え、あ、ありがとうございます、みなさん。

おかげさまで睡眠もきっちりとれたので元気になりました」

 野木崎が恐縮しきったように頭をさげると、小越が満面の笑みを浮かべる。

「よかったあ!」

 野木崎の手を取りぶんぶん上下させはじめる。

そんな小越の調子に慣れているのか、

野木崎が身体を揺すぶられるのもそのままに小首を傾げた。

「あら? ところで太一君は?」

 野木崎の言葉に涼介は部屋へ置いてきた太一を思う。

「そういえば、どうしたんだろう?」

 さすがにもう着替え終わってもいいころだが。

一度様子を見に行こうか、と腰を上げかけていると、

甲高い声が聞こえてくる。

「わー、寝坊したー!」

 ドタバタと部屋へ入ってくる太一の声に、涼介は小さく噴きだした。










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