Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
六
H
「わーおいしそうなご飯! ねえこれ食べてもいいの、お兄ちゃん?」
太一が並べられていく朝食懐石を見て感嘆の声をあげる。
さりげなく黄梅市の山の幸が使われたそれを見ていると、
自然と腹が鳴ってきた。
「ああ、いいんだよ。碧さん、まずは朝食、ですよね」
太一に答えながら碧へ視線を送ると、碧が頷いた。
「ああ、はい。そうですね。それではみなさん好きな席にお座りください」
碧の言葉を聞いたとたん、太一が飛び跳ねる。
「やったー! あ、おじちゃん一緒に座ろう?」
「おう!」
山波の手を引き真ん中辺りの席へ座る。
涼介はそんな太一たちのさらに隣へ座し、辺りを見回した。
「雪姫、こっち」
紅が雪姫を誘導させ、みのりがちょうど自分の正面へ座る。
居住まいを正したみのりがゆっくりと口を開いた。
「それじゃ、いただきましょうか」
みのりの声掛けを合図に涼介は手を合わせる。
「いただきます」
「いっただきまーす!」
それぞれが一斉に声をあげ、食事が開始された。
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