Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




H




「わーおいしそうなご飯! ねえこれ食べてもいいの、お兄ちゃん?」

 太一が並べられていく朝食懐石を見て感嘆の声をあげる。

さりげなく黄梅市の山の幸が使われたそれを見ていると、

自然と腹が鳴ってきた。

「ああ、いいんだよ。碧さん、まずは朝食、ですよね」

 太一に答えながら碧へ視線を送ると、碧が頷いた。 

「ああ、はい。そうですね。それではみなさん好きな席にお座りください」

 碧の言葉を聞いたとたん、太一が飛び跳ねる。

「やったー! あ、おじちゃん一緒に座ろう?」

「おう!」

 山波の手を引き真ん中辺りの席へ座る。

涼介はそんな太一たちのさらに隣へ座し、辺りを見回した。

  「雪姫、こっち」

 紅が雪姫を誘導させ、みのりがちょうど自分の正面へ座る。

居住まいを正したみのりがゆっくりと口を開いた。

「それじゃ、いただきましょうか」

 みのりの声掛けを合図に涼介は手を合わせる。

「いただきます」

「いっただきまーす!」

 それぞれが一斉に声をあげ、食事が開始された。










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