Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




IIF




「お嬢さま、雪姫寝た。氷の話」

 紅の発言にみのりが腕を組み仁王立ちする。

「そうよ。今はそんなことより雪姫の氷の話でしょう」

 その前になんとかみのりの安全を確保したい。

その一心で涼介は口を開いた。

「それもあるけど、昨日の犯人について対策を練るのも大事だろう?」

「犯人が特定できないのよ。いつどこで狙われるかわからないのよ。

対策なんて気を付ける以外何ができるっていうのよ」

 みのりの正論に涼介は頭を掻きむしりたい思いに駆られる。

 そういうことじゃないんだ、

と叫びたいところをぐっと堪え、言葉を紡ぐ。

「とにかく狸と猪が関係してるのは確かだろう? 

そうだ、野木崎さん、何か昨日捕まった時に記憶してることってないですか?」

 野木崎へ話を振ると、彼女が小さく首をかしげた。

「捕まった時の記憶、ですか……?」

 首を曲げ、野木崎が考え込む。

何も覚えていないということなのだろうか。

焦りに拳を握り締めていると、碧が肩へ手を置いてきた。










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