Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
六
IIF
「お嬢さま、雪姫寝た。氷の話」
紅の発言にみのりが腕を組み仁王立ちする。
「そうよ。今はそんなことより雪姫の氷の話でしょう」
その前になんとかみのりの安全を確保したい。
その一心で涼介は口を開いた。
「それもあるけど、昨日の犯人について対策を練るのも大事だろう?」
「犯人が特定できないのよ。いつどこで狙われるかわからないのよ。
対策なんて気を付ける以外何ができるっていうのよ」
みのりの正論に涼介は頭を掻きむしりたい思いに駆られる。
そういうことじゃないんだ、
と叫びたいところをぐっと堪え、言葉を紡ぐ。
「とにかく狸と猪が関係してるのは確かだろう?
そうだ、野木崎さん、何か昨日捕まった時に記憶してることってないですか?」
野木崎へ話を振ると、彼女が小さく首をかしげた。
「捕まった時の記憶、ですか……?」
首を曲げ、野木崎が考え込む。
何も覚えていないということなのだろうか。
焦りに拳を握り締めていると、碧が肩へ手を置いてきた。
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