Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
六
IIIH
顔を真っ赤に染め、
握りしめた拳を持ち上げる山波を見てみのりは咄嗟に眼をつむった。
(殴られるっ!)
襲ってくる衝撃に備えようと身を固くする。
だが、一向にその気配は訪れず。
みのりはそろりと閉じていた瞼を開いた。
(え、涼介?……)
どうやらまた涼介に助けられたようだ。
山波の振り下ろした手を涼介が手首で受け止めている。
(なんでいつも助けてくれちゃうのよ……)
滲み出そうになる涙をこらえるため唇をかみしめていると、
ばつが悪そうに苦笑いをする涼介と目が合った。
「いや……
ええっと、どっちも言い過ぎじゃないかと思うんですが……」
視線をさまよわせながらも発せられた言葉にみのりは目を剥く。
「言い過ぎですって? あんた本気でそんなこと言ってるの?」
助けられたことも忘れ、ふつふつと怒りが沸いてくる。
この男は今までの話を聞いていなかったのだろうか。
(事と次第によってはただじゃすませないんだから!)
みのりは鼻息も荒く、涼介を睨みつけ彼の返答を待った。
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