Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




IIII




「山波さんは興奮してるし言い方は良くないけど

君を心配してるんだと思うからさ。

君だって言い過ぎのところがあるだろう?」


 山波の肩を持ち、宥めようとしてくる涼介へみのりは詰め寄った。


「言い過ぎ?

そんなものあるわけないじゃない!」


 たとえ頭に血がのぼっていたとしても

自分が思ってもいないこと口に出すわけがない。

つまり山波が言ったことは彼の本心だということだ。

それなのに涼介は彼を擁護するような態度をとってくる。

彼も山波と同じように獣人を廃除しようと考えているのだろうか。


(紅のことじっと見つめてたくせに!)


なんのためらいもなく紅へ話しかけていたのにも関わらず、

内心では山波と同じような考えを持っていたのかもしれない。

みのりは導き出した答えに愕然とする。

同時に涼介へ対しての怒りがさらに募った。


「だいたいなんであんたが口を挟んでくるわけ?」


 指を指し、唾を飛沫させる勢いで文句を口にする。

涼介はこちらの勢いに、一瞬目を丸くした後、

やれやれと言わんばかりに肩を竦めた。










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