Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
六
IIIIB
「はぁ? 何言ってるのよ!
あんたが家の中に閉じ込められていた私に向かって
友達いないでしょうなんて言ったんでしょう。
だから私はむかついてあんたを置いて行ったんじゃない!」
勝手な被害妄想をされては困る。
嫌な思いをさせられたのはこちらであって、涼介ではない。
自分のほうが幼かったから覚えていないとでも思っていたのだろうか。
(記憶のねつ造なんかしちゃって、本当に腹が立つわ!)
鼻息を荒くし睨みつける。涼介の眉間の皺がさらに深く刻まれた。
「俺はそんなひどいことを言った覚えはないね!」
フンッとそっぽを向く青年へ、間髪を入れずに反論する。
「ひどい言葉を吐いたほうは忘れるっていうけど本当ね。
私より年上のくせに記憶力ないんじゃない?」
肩を竦め、呆れたと呟くと涼介が目を吊り上げて振り返ってきた。
「記憶力がないのは君のほうだろう!
勝手ばっかりしてみんなを困らせて!」
拳を握り詰め寄ってくる涼介へ立ち向かおうと口を開く。
だが、声を発する前に傍観者であったはずの麻里が、
涼介との間に割り込んで入ってきた。
「あ、あのぅ……」
麻里がおずおずと声をかけてくる。
みのりは教師だということも忘れ、邪魔をしてきた麻里を睨みつけた。
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