Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




A




「あーまあ、いろいろあるんじゃないかなあ」

 涼介は当たり障りのない言葉を探しながら、まあまあ、とみのりをいなす。

だが、みのりは納得した様子もなく食って掛かってきた。

「色々って何よ」

 半眼で尋ねてくるみのりの視線が痛い。

頼むからそんなに睨みつけないでくれ、と内心で呟きながら涼介は吐息した。

「知らないけど。なんだったら太一君に電話しようか?」

 本当は小さいのに勇敢なあの少年を自分のごたごたへは巻き込みたくないのだが、

みのりの気持ちを収めるにはそれしか方法がないだろう。

決意を固めて携帯をだすとみのりがつんと顔を上向けた。

「部屋で待ってたってよかったんじゃない?」

 みのりの言葉に涼介は内心で頷く。

だが、それをあっさり認めてしまうのはなんだか癪だった。

「わからなかったら困るじゃないか」

 端から聞いたらほとんど難癖レベルの言い訳をすると、

彼女は気づいていないのか意外にも普通の答えが返ってくる。

「わからなかったらって、この場所を知ってるでしょう?

それだったら問題ないじゃない」

「なら君だけ戻ってなよ。別に2人もいる必要ないんだし」

 年上の威厳を保つため無理やり話を打ち切ろうと少しぶっきらぼうに答えると、

ふいにみのりが目を見開いた。










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